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C58の組み立て 10日目-車体の仕上げ

最後のお楽しみ、動輪と各種ロッドの組み立てです。
うまくいかないと、どこが悪いのかわからなくて、途方にくれてしまいます。

今回予想される失敗
・ロッドピンやネジをなくしてしまう
・ピストン棒を切り過ぎて抜けてしまう
・クロスヘッドピンをカシメすぎ、動かすとねじ切れてしまう
・エキセントリックロッドを切り過ぎて抜けてしまう
・第2動輪ピンを十分締めずにリターンクランクをハンダ付けしてしまう

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ブレーキシュー

動輪を取り付ける前に準備があります。
付属しているプラ製のブレーキシューは、他形式との共通部品らしく、長さが合いません。
そこでこれを3分割して長さを縮め、真鍮製の底板に貼り付けます。

ブレーキシューの切断

ブレーキシューの手前で約2ミリずつ切り詰めます。それほど精密さは要求されないので、ニッパーでパチンと切って断面を削っておく程度で良いと思います。

ロスト輪心

C58の輪心は、それまでのワールド工芸の蒸機と違い、金属製(ロスト)です。
動輪経がC57などと異なるので、プラ製輪心を作るコストがかけられなかったのでしょうか。
ただ、この重たい車輪が走行安定性に寄与しているように見えます。

車輪中心部や、ロッドピンをねじ込む穴の周りにバリが出ていると、ロッドが引っかかるので、きれいに削っておきます。この写真でも少しバリが出ています。

ブレーキシューの修正

先ほどのブレーキシューは、内側に曲がっていることがあるので、まっすぐにしておきます。
曲がったままにしておくと、フランジなどに当たって走らなくなります。

動輪の取り付け

台枠の凹形の切り欠きに動輪をはめ込みます。
動輪には絶縁構造の関係で左右があり、内側にペイントマークがあるほうを片側に揃えないとショートします。

写真は、ブレーキシューを取り付ける穴にネジを切っているところです。

軸受けの調整

動輪を指で回してみて回転が渋かったり、はめ込みが浅くてブレーキシューの板に車軸が当たったりするときは、台枠の軸受け部を削ってスムーズに回転するようにします。

軸受けはとても大事な部分で、スムーズに走行するかどうかの第一の要因はここにあるように思います。削りすぎると、サイドロッドを付けたときにうまく回らなくなったり、蛇行するようになってしまいます。 鉛筆の芯で軸受けを丁寧に塗りつぶしておくと、回転がスムーズになるような気がして、よくやっています。

回転チェック

動輪を取り付けたら指で回して回転がスムーズであることを確かめ、実際に線路に乗せて前後に転がしてみます。
ここまでは、うまく動かなくても原因を見つけるのは簡単なはずなので、軽く動くまで調整します。

サイドロッドの取り付け

第1・第3動輪に、ネジ式ロッドピンでサイドロッドを取り付けます。ロッドの端に出っ張り(油壷)のあるほうが上になります。
ネジをしっかり締めても軽く動くはずですが、なぜか1本だけネジが短くて、がっちり固定されてしまいましたので、そのネジだけは接着剤併用で少し浮かせて取り付けました。

動輪のネジ式ロッドピンは、なくしてしまうと代わりの市販品などがなく、部品請求するしかなくなります。

転がりチェック

少し転がしてみます。ただし、まだ第2動輪と結んでいないので、第2動輪のピン取り付け穴とサイドロッドが干渉して、引っかかってしまうことがあります。ここではまだ気にしません。

第2動輪ピンの取り付け

ネジ式のロッドピンをサイドロッドの穴に通し、第2動輪に取り付けます。
ヤットコなどでしっかり取り付けます。ゆるんでいるとあとで走行できなくなります。

転がりチェック

動輪がうまく回転するか確認します。ここで引っかかるようになったときは、まだ動輪の中心部などにバリが出ている可能性があります。ロッドのどこが当たっているのかよく観察します。

また、ここまで来ると炭水車を連結して走らせることができるので、レイアウトを何周かさせてみます。
テンダーの連結部は少し上に曲げて、機関車後部の穴にピンを引っ掛けられるようにします。曲げすぎるとボディーの取り付け時にキャブ後端を持ち上げてしまい、動輪が空転したり摩擦で脱線したりします。
少しでも不安要素があったら、完全に解消しておかないと、この先原因が複合して収拾がつかなくなります…でもほどほどにして先に進んでしまいます。

ピストン棒の切断

よく走ることを確かめたら、クロスヘッドとサイドロッドの取り付けに移ります。
クロスヘッドから伸びるピストン棒には、長さの目安として浅いキズが付けられています(写真の矢印の部分)。この切断はきわめて大事で、短く切りすぎるとシリンダーから抜けてしまい、走れなくなります。キズの位置で切っても短いことがあるので、一番遠い傷の位置から、さらに1mm以上長めに切断することをお勧めします。
あとで少しずつ削って長さを合わせます。

ユニオンリンク

しまった!部品不良に当たってしまいました。
」形に付いていなければならないユニオンリンクが、逆のL形になっています。どうやら非公式側に付くはずのパーツが、こちら側にも付いてしまっているようです。
そういえば、前にもこんなことがあったっけ…。

ユニオンリンクを強引に修正

ここで部品を請求して作業が中断するのも嫌なので、ヤットコの先で根元をつかんで180度ねじり、無理やり直しました。
ちぎってしまったり、ピンのカシメがおかしくなる可能性があるので、お勧めしません。

クロスヘッドの取り付け

クロスヘッドを取り付けます。
まず、スライドバーとクロスヘッド裏を細かいサンドペーパーで磨き、つるつるにしておきます(削ってしまわないように)。
ピストン棒もまっすぐにしておきます。

ピストン棒をシリンダーの穴に差し込み、写真のようにメインロッドを手前に引いた状態で、クロスヘッドをスライドバーの表から引っ掛けます。

メインロッドを後方に回転させる

引っ掛けたら、メインロッドを後方に回転させると、クロスヘッドは裏側からもスライドバーに引っかかって外れなくなります。

もし、クロスヘッドがスライドバーから落ちてしまうときは、クロスヘッドとメインロッドを固定しているピンのカシメがゆるくなっていることがあります。
こういうときはピンを前後からヤットコでぎゅっとはさんでカシメ直しますが、やりすぎるとメインロッドががっちり固定されて動かなくなってしまうので、様子を見ながら行ないます。
不幸にもカシメ過ぎたときは、ゆっくりメインロッドを左右に何度も動かして緩めますが、完全に取れてしまうこともありますから、とにかくカシメ過ぎないように注意します。

クロスヘッドを前進させる

メインロッドを第2動輪ピンに差し込み、動輪を回してクロスヘッドが一番前に来るようにします。
ピストン棒が長いと、途中で引っかかるので無理しないようにします。

ピストン棒の長さを調整

ピストン棒が一番手前に来たときに、シリンダーの前側にぶつからないようにします。写真の矢印の部分です。ぎりぎりセーフのように見えますが、実は回転の具合によってはつかえることがありましたので、ヤスリで削りました。

クロスヘッドを後退させる

今度はクロスヘッドが一番後ろに来るようにし、またシリンダーの中を見てみます。
ただ、短すぎて落ちてしまうようなら、あまり修正の手段はありません。

ここでは長さの調節が目的なので、左右両側が終わったら、いったんクロスヘッド〜メインロッドは外しておきます。

加減リンクの折り曲げ

ラジアスロッドと加減リンクを取り付けます。

加減リンクの部分は部品を180度山折にして重ねますが、この素材は固くて、折り線からぽろりと取れてしまうことがあるので、あらかじめゴム系接着剤などを塗っておき、接着してしまうのがよいです。
また、加減リンクの下部は内側に直角に曲げておきます。次の工程を終えてから曲げるのが普通かもしれませんが、どうもうまく曲げられないので、私は少々取り付けにくいですがここで曲げています。

この模型は加減リンクが動きません。今直角に曲げた部分の穴に、エキセントリックロッドが入って往復します。

ラジアスロッドの取り付け

バルブスピンドルガイドの部分をシリンダー後部のスリットに差し込み、モーションプレートの裏側に加減リンクを通して、ネジ止めします。
このネジは1.4mmではなく1.0mmが使われているので注意します。

【失敗】ここで片側のネジを飛ばしてなくしてしまいました。
一度は発見したのですが、またなくし、今度は本当に出てきませんでした…。

エキセントリックロッドの調整

エキセントリックロッドは一番長い位置で切り離しておきます。
加減リンクの下部の穴(矢印)に、エキセントリックロッドの先端を差し込み、リターンクランクを第2動輪ロッドピンにはめ込みます。ここはきついことがあるので、ヤスリやドリルなどで穴の大きさを調整しておきます。はめるだけで、まだハンダ付けしません。

取り付けたら動輪を回転させて、エキセントリックロッドが一番後ろに来るようにし、穴から抜けない程度の長さに切断します(あまりぎりぎりにすると、回転のガタによって抜けることがあるので、若干余裕をみます)。
次にエキセントリックロッドが一番前になるようにして、先端がモーションプレートなどにぶつからないことを確認します。機関車を色々な方向に傾けて試します。場合によってはモーションプレートの先端を削ったり、加減リンクを外側か内側に曲げて、エキセントリックロッドの先端を逃がす必要があります。

転がりチェック

回転させてみて、どこにも引っかからずスムーズに回るようになったら、反対側も取り付けて同じように調整します。
実際に線路に乗せて何度も前後に転がし、絶対に引っかからないように調整します。一度でも引っかかったら、必ず走行トラブルになります。
直線レールだけではなく、曲線レールでも確認します。

メインロッドの取り付け

ここまででスムーズに動くようになったら、いったんエキセントリックロッドを外し、調整済みのクロスヘッドとメインロッドを再び取り付けます。
もう一度回転を確認したら、第2動輪ロッドピンを念のため締め直し、エキセントリックロッドを元通り取り付けます。

次に、第2動輪ロッドピンと、リターンクランクをハンダ付けして固定します。
ハンダを盛りすぎると、回転の途中でエキセントリックロッドと重なるときに引っかかってしまうので、平らにしておきます。また、勢い余ってメインロッドなどを一緒に固定しないように注意します。

1ピン干渉

これですべてのロッドが取り付けられたので、おそらく第1動輪ピンと、メインロッドが引っかかってしまうと思います(矢印の個所)。
クロスヘッドが内側に寄りがちなので、スライドバーを外側に押しのけたくなりますが、写真のようにメインロッドをクロスヘッド直後から外側に曲げ、第一動輪を避けるようにカーブさせるのが一番確実です。ワールド工芸の完成品も極端なほど曲げられていることがあります。メインロッドが曲がっているのは許せん!という場合は、別の方法を考えるしかありません。どの程度の小半径を通過できるようにするかにより、妥協点も変わります。

車体をどんな向きにしても、指先で車輪を回すとカラカラ調子よく回るよう、時間をかけます。第1動輪ピンが引っかかっていないのに途中で止まるときは、またピストン棒やエキセントリックロッド先端を疑います。

走行チェック

完了したら、テンダーと連結して走らせてみます。もしカーブで脱線するときは、前述のようにテンダーとの連結部が近すぎたり、高さに問題がある場合があります。動輪の回転が止まってしまうようなら、もう一度前に戻って確認します。

この作業は根気がいるので、集中できなくなったら翌日に回しても良いのでがんばります。別にしばらく投げ出して、やる気が出たときに再開すればよいように思います。

ここまでがうまく行ったら、次に進みます。

下廻り用のタップ立て

下廻りを取り付けるため、キャブ下の取り付け穴にタップを立ててネジを切ります。

前方の取り付け穴を調整

ブラストパイプのあたりには、少し太い1.7mmのネジが入るのですが、穴が小さいのでヤスリで少し広げておきます。
次に下廻りをネジ止めします。締め過ぎて歪みが生じないように注意します。

傾きの確認

前から見て傾いていないか確かめます。傾いていたときは、下廻りとの取り付けに問題があるのか、下廻りそのものが歪んでいるのかを調べて対処します。

転がりチェック

上下を合体したら、もう一度線路の上で車輪の回転を確かめます。
動かなくなっているときは、動輪がボイラー下部ふさぎ板やその周辺に当たっていないか(C58の場合はないと思いますが)、第2動輪ロッドピンがエアタンクに当たっていないか、第3動輪ロッドピンがコンプレッサや給水ポンプに当たっていないか等を確かめます。

先台車組み立て

先台車を組み立てます。車輪押さえ板は未塗装でも良いと思ったのですが、断面がピカピカして見えるので結局このあと筆塗りしました。

先台車取り付け

先台車は窮屈な場所に収まるので、スノープローに接触するかもしれません。左右に首を振るときに接触するようなら、スノープローを少し前方に押し広げて当たらないようにします。
カーブで脱線する原因が、スノープローと先輪の接触にあることがあります。

従台車の調整

従台車のバネと、ドロダメの先端が干渉して、従台車の動きを妨げるかもしれません。どちらか、あるいは両方を切り詰めて接触しないようにします。
すべて、試走させながら作業を進めます。

コンビネーションレバーの取り付け

最後にコンビネーションレバーを取り付けます。
不安定な印象を与える部品ですが、上端をバルブスピンドルガイドの穴に引っ掛け、 二股になっている下端をユニオンリンクの穴に両側からはめ込みます。
はめ込んでから、開かないように軽くカシメておきました。

連結部の調整

機関部ができた状態でテンダーと連結しますが、そのままだとテンダーのドローバーがやや短くて、石炭皿がキャブ床の後端にぶつかってしまうかもしれません(この場合カーブで脱線します)。仕方がないので、連結ピンを機関車側に10度ほど傾けて、距離をかせぎました。それでも十分機炭間隔は狭いです。

実際に組んでみると、予想以上にこのへんの調整不良が走行の妨げになるようです。連結ピンを傾けても限界があるので、潔く石炭皿をカットするか、ドローバーを何らかの方法で延長したほうが良さそうです。実は最初に発売されたC58船底テンダーよりも、石炭皿がかなり長いのです。

完成 ようやく完成です。製作時間はのべ約20時間でした。早く完成させて走らせたかったのですが、意外にかかってしまいました。
長期にわたって作る場合は、あらかじめ部品不足がないかどうかだけは、きちんと確かめておいたほうが良いと思います。趣味製品ですし、キットの部品がいつまでもメーカーに在庫していることは期待しないほうが良さそうです。
船テンダー機と平底テンダー機 向こうは最初に発売された船テンダー。ちょっとツヤを出してあります。

初めて下廻りを作る場合、一度でうまく行くと良いのですが、色々なことが一度に起こると何が原因なのかさっぱりわからなくなってしまうかもしれません。ただ、恐らくは単純な原因の積み重ねなので、部品を1つ取り付けるごとに確認していくのが一番です。


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