Nゲージ蒸気機関車蒸機の工作>C58の組み立て

C58の組み立て 3日目-ボイラー部品1

ボイラー上部に、給水温め器→煙突→スチームドーム、のように部品を取り付けていきます。
熱の伝わり方を考えて取り付ける順番を決めないと、先に付けた部品が取れてしまうことがあります。

今回予想される失敗
・ヘッドライト、煙突、ドームが一直線にならず、前工程の曲がりに気付く
・工作中に端梁の手すりを曲げてしまう
・ランボードの不用部分を切り取るときに、切断の圧力で前後のランボードが食い違ってしまう

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給水温め器

給水温め器は、配管や逆止弁が一体になった精密なロストです。
ここまでで最大の体積を持っている部品で、熱の伝わりが悪く、一度蓄熱するとすぐには冷えません。周りのハンダを溶かす可能性があるので、ヘッドライトをつける前にハンダ付けします。
また、同じ理由でヤケドには十分注意が必要です。

給水温め器の取り付け

ロスト部品は表面が荒れており、石膏が残っていることがあるので十分磨いておきます。
取り付け足をボイラーに差し込んで裏からハンダ付けしますが、コテが入りにくいので熱を伝えにくく、ハンダ付けしにくいです。

エポキシ系接着剤で接着しても良いと思いますが、ハンダと違って位置がずれて固着すると修正しにくいので、最初はゴム系接着剤で位置決めしたほうが良いかもしれません。

煙突の取り付け準備

煙突は丸いボイラー上部に付けるため位置決めしにくく、垂直に付かないと目立つので注意が必要です。
煙突の穴は少々小さかったのでヤスリでさらい、付けやすいように断面をハンダメッキしておきました。

煙突の取り付け

煙突を逆さに置いてボイラーの穴を合わせ、内側からコテを当ててハンダ付けします。
煙突がまっすぐに付くまで何度でもやり直します。

仮ブリッジの切り取り

コンプレッサと給水ポンプの取り付け位置のランボードは、仮ブリッジでつながっていましたので、ここで切り取っておきます。
左右のランボードをつないでいた仮ブリッジも、ここまで来ると組み立ての邪魔になってくるので切り取り、断面をきれいにヤスリで削っておきます。断面がめくれていると、下廻りを取り付けたときに動輪やロッドがひっかかることがあります。

なお、特に組み立てに支障がなければ、ステーは最後の段階に切り取ってもかまいません。

【失敗】ボイラー前・ボイラー後が仮止めだけの状態だったため、仮ブリッジを切り取ったときに隙間が空いてしまい、あわてて修正しました。何とかまっすぐ付けることができましたが冷や汗をかきました。

砂撒き管

スチームドームを取り付け、砂撒き管を取り付けます。
砂撒き管は0.25mmの真鍮線をボイラーに沿って曲げ、下からサンドドームの穴に差し込んでハンダ付けします。キットについているのは砂撒き管が3本のタイプなので、2本のタイプにしたいときは1箇所を切り取る必要があります。

砂撒き管の取り付け自体は簡単ですが、6本あるので少し時間がかかります。

ライトの取り付け

ヘッドライトはロストではなく挽物です(ロストパーツは別売りになっています)。真鍮丸棒を加工したものなので、取り付けの位置決めがしにくい部品です。
写真のようにライトと取り付け座を合わせ、合わせ目にハンダを流します。前から見て、煙室扉の中心とずれていないか確認します。

次にドーム前部に踏み板、ボイラー後部にタービン発電機をハンダ付けして、ボイラー上部の部品取り付けはいったん終えます。

ほかにシールドビーム副灯やATS発電機を取り付ける必要がありますが、ホワイトメタル製のため誤って溶かすことがないよう、最後の工程で取り付けます。

コンプレッサー

コンプレッサーを中心に、公式側のボイラー部品を取り付けていきます。
調圧器とその配管は一体のエッチング板になっていますので、説明書のとおりに折り曲げて取り付けます。

自分の頭の中では、この配管が一番下に来るはずだったのですが、実際にはこのキットの構成ではハンドレールのほうが下にくることがあとでわかりました。

ハンドレール取り付け中

そこで順序が逆になりましたが、ハンドレールを取り付けます。
ハンドレールも取り付け足と一体になったパーツなので、ボイラーの穴に差し込んで裏からハンダ付けします。

長い部品なので、前方と後方でねじれが発生しないように気を付けます。また、帯材で表現されているのが気になる方は、腕を振るって真鍮線と割りピンなどで作ってみるのも面白いと思います。ただし、そのままでも仕上がり的にはまず問題ないと思います。

ハンドレール取り付け後

ハンドレールを取り付けたところです。このあと、ランボード上に残りの配管やオイルポンプ箱を取り付けます。

火室下部に見える四角い穴は、ドロダメを取り付ける穴です。ドロダメはロスト製のパーツが付属しているので、それを取り付けておきます。

ランボード側面の修正 大事なことをひとつ忘れていました。
ランボードのフチは、裏板を折り曲げたままになっているので、数カ所のつなぎ目が残っています。これをヤスリがけして平らにしておきます。
通常は、残しておいてもそれほど問題はありませんが、特に白線などを入れる場合はやっておいたほうが良いです。
逆転レバー 逆転レバーと、そのカバーをハンダ付けします。
カバーには取り付け足などが何もなく、ランボードの網目板上にハンダ付けしなければなりません。フラックスで網目の上にハンダが流れるとやっかいなので、あらかじめ取り付け場所をハンダメッキしておき、両者を重ねて熱を伝えます。 この写真はそれを行っているところで、上下さかさまのような苦しい体勢です。
3日目終了 加減弁ロッドなどを取り付けて、公式側はほぼ終了です。
だいぶ機関車らしくなってきました。

現物合わせの調整など、意外に手間のかかる部品が多く、2時間では公式側しかできませんでした。次回は非公式側ですが、自分で曲げなければならない配管がいくつもあるので、もっと進みは悪くなりそうです。


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