注・徐々にアップ予定
2007 DAVID T.WALKER LIVE IN TOKYO
2007 NILS LANDGREN&PAT METHENY TRIO
2005 CHRIS BOTTI LIVE
2004 寺井尚子YEBISU・LIVE
2004 Yuji plays Ohno's
2003 Piano Blues
2002 JAZZ SEEN
2002 MARCUS MILLER
2001 Kirk Whalum
2000 George Benson absolutely
1999 LARRY CARLTON FEATURING KIRK WHALUM
1999 BOB JAMES TRIO
1997 B.B.King LIVE
1994 An evening of FOURPLAY
1994 Tenderness
SERGIO LEONE賛歌
熱い果実
寺井尚子 from YEBISU LIVE
出会い・愛の行方・あなたの中の私
満 潮


「庭は、夏の日盛りの陽を浴びて、深としている。」寺井尚子YEBISU・LIVEを観ながら、ふとこんな、故三島由紀夫氏が最後に書き残した文章を思い出し、ある種の感慨とともに、体が徐々に熱くなるのを覚えました。
「出会い」、「愛の行方」、「あなたの中の私」愛の三部作は、思春期の煮えたぎる溶鉱炉のような激情を思い出させてくれる、寺井尚子渾身の熱情夜話です。激情にも似た胸のときめきを、見事なまでに弦で紡いで見せます。
「出会い」で、語りかけるようにバイオリンを弾く寺井尚子の、時には恋の悲痛に耐えるような、時には恋のときめきに微笑むような表情の微妙な移ろいに、誰しも匂い立つような色香を覚えることでしょう。とことんベースに感情移入して心酔するジャンボ小野氏。思わぬ出会いに恋情が満潮のようにハートを満たします。
「愛の行方」では弾むようにドラマティックにサウンドはヒート・アップ。軽やかにステップを踏む寺井尚子のピンヒールとノースリーブから伸びる美白の柔肌にひときわ女の薫香が漂います。極めつけの「あなたの中の私」では、ほとんど歓喜の嗚咽のように弦が轟き、ラスト間近、弦の振動に、まるで足指さえもが痙攣するようなオルガスムの様を見る思い。
サァ、今が旬の寺井尚子の殊のほか艶っぽい「艶奏」に、心置きなく溺れてみようではありませんか。