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臨別贈望東君
        高杉晉作

自愧知君容我狂,
山莊留我更多情。
浮沈十歳杞憂志,
不若閑雲野鶴淸。



                       
 ******
(べつ)(のぞ)んで望東君(ばうとうくん)に贈る

(みづか)()づ  君の 我が狂を()るるを,
山莊 我を(とど)めて  更に多情。
浮沈 十歳  杞憂( き いう)の志,
()かず 閑雲(かんうん)  野鶴( や かく)の淸きに。

        *****************






◎ 私感註釈

※高杉晋作:幕末の尊皇攘夷運動の志士。長州藩士。天保十年(1839)~慶應三年(1867)。病歿。

※臨別贈望東君:別れに際して(この詩を)望東尼さんへ贈る。 *『高杉東行詩文集』(136/146コマ 国立国会図書館『高杉東行詩文集』)(大正七年刊)にある。 ・臨別:別れに臨んで。中唐・白居易の『長恨歌』に「
臨別殷勤重寄詞,詞中有誓兩心知。七月七日長生殿,夜半無人私語時。在天願作比翼鳥,在地願爲連理枝。天長地久有時盡,此恨綿綿無絶期。」とある。 ・望東君:野村望東尼(もとに)/望東(ぼうとう)のこと。江戸末期の女流歌人。尊攘論者。文化三年(1806)~慶応三年(1867年)。名は、もと。号は招月、向陵。福岡藩士野村貞貫(さだつら)の後妻。夫の死後、落髪して、望東尼と称した。高杉晋作、平野国臣、西郷隆盛ら尊攘派の志士と交遊があり、彼等を庇護した。

※自愧知君容我狂:あなたは、わたしの常軌を逸した行動を受け容れてくれた(ことについて、わたしは)恐縮している。 ・愧:はじる。とがめる。 ・君:ここでは、野村望東尼のことを指す。 ・容:容(い)れる。この句「自愧知君
我狂」(『高杉東行詩文集』(136/146コマ 国立国会図書館『高杉東行詩文集』)(大正七年刊))ともするが、「自愧知君我狂」の方が分かりよい。 ・我:作者・高杉晋作のこと。 ・狂:常軌を逸した行動を謂う。韻脚ともなるべきここは韻字でなければ仄字が相応しいが、作者は「狂」字の持つ意味に深く拘ったのだろう。この詩の重要なところ。

※山荘留我更多情:(あなたの)山荘に、わたしを(匿って)留め置いて(くださり)、一層(感謝の)思いが募る。 ・山莊:野村望東尼の隠棲した山荘。平尾山荘。現・福岡市中央区平尾にあった。

※浮沈十歳杞憂志:(わたしの長州藩内での)十年の浮き沈みと無用の心配は。 ・十歳:十年の ・浮沈:浮くことと沈むことと。浮き沈み。 ・十歳:十年の意。ここを「十歳」としないで、「十年」とするのも見かけるが、平仄上は「十歳」は
●●で、●●(か○●)のところで使い、「十年」は●○○○)のところで使うもの。 ・杞憂:〔きいう;qi3you1●○〕無用の心配。取り越し苦労。周代に、杞の国の人が、天地が崩れたらどうしようと心配した故事。『列子・天瑞』より。『高杉東行詩文集』では、ここを「浮沈十歳把憂志」とし、「浮沈十歳 憂志 把(と)る」と読み下す。ただ作者は文久三年に『品川登樓』「海南昨夜上靑樓,詩酒聊消杞客憂。歸路朝來眠不覺,孤舟想像五湖遊。」と、「杞憂」を使う。

※不若閑雲野鶴清:しずかに大空に浮かぶ雲や野に棲むツル(のように俗世間から超然としているもの)の清々(すがすが)しさには、およばない。 ・不若:(…に)およばない。(…に)しかず。=不如。 *ここを「不若」として、「不如」としないのは、平仄に因る。「不若」は
●●で、詩中●●○●)とすべきところで使い、「不如」は●○で、○○●○)とすべきところで使う。「■■閑雲野鶴淸」の句は「●●○○●●○」とすべきところなので、「不若」とした。 ・閑雲: しずかに空に浮かぶ雲。 ・野鶴:野に棲むツル。仕官しないで俗世間から超然としている人。


               ***********





◎ 構成について

韻式は、「AA」。韻脚は「情清」で、平水韻下平八庚。この作品の平仄は、次の通り。

●●○○○●○,
○○●●●○○。(韻)
○◎●●●○●,
●●○○●●○。(韻)
平成29.10.29
      10.31
      11. 1




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