ここの背景画像はまりまりさんの「いろいろ素材」からお借りしました。
1.その前夜
選挙人たちがパリ市庁舎に集まり、頻発する騒擾事件と無警察状態に対処するために、「市民軍」を創設することを決議しました。
ネッケル |
「市民軍」の具体策が決まらない内に、国王は財務長官のネッケルを突然罷免し、プルトゥイユ男爵を任命してしまいました。民衆やブルジョワは、ネッケルの財政改革に大きな期待をかけて/いただけに、このことはショックでした。
パレ・ロワイヤル 正午、パレ・ロワイヤルにもこの知らせが届きました。まだ若いカミーユ・デムーランがカフェから飛び出して、テーブルの上に立ちあがり、片手を胸に置き、別の手で拳銃を振りまわしまして叫びました。
デムーラン |
「武器を取れ! シャン・ド・マルスのドイツ人部隊は今晩パリに入って、住民を刺し殺すぞ。記章を付けよう!」
そして、彼は木の葉をひきちぎり自分の帽子につけました。観衆は熱狂し、我先にと木の葉をちぎり、木という木は丸坊主になってしまいました。
オルレアン公 |
宮 廷 パリの騒ぎを知らないはずはありませんでしたが、何の手も打ちませんでした。この騒ぎが大きくなって、それが議会解散につながればよい、と思っていたのです。
パ リ パリにいた国王軍の司令官は、午後、シャン・ゼリゼにスイス兵一連隊と大砲を4門を配置しました。夕方、群集と小競り合いを起こし、銃声がとどろき、警鐘が鳴り響きました。 この暴挙の知らせはすぐパリ中に知れ渡りました。人々は市庁舎に駆けつけ、武器を要求し、武器商を襲いました。ついでに人々に憎まれていた徴税請負人組合の建物を破壊し、パン屋と穀物商が襲われました。たった一晩でパリは混乱状態になりました。
バスティーユ |
このような交渉をしていく内に武器はパスティーユと廃兵院にあることがわかってきました。そこを襲い、武器を手にしなければなりません。
一方、襲われることを覚悟していたバスティーユでは午前2時以来、武装し、警戒を怠りません。大砲に弾を込め、中庭に据えました。塔の上には荷車6台分の敷石、砲丸、屑鉄を運び込み、大鉄砲を12梃配置し、地上には最も信頼を置けるスイス人傭兵32人を配置しました。
来るべき襲撃に備えています。この日は結局無事でした。
いよいよ7月14日の朝が明けます…。
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