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ヨーロッパの美しい街並みや世界遺産をスケッチで紹介しています。

私のスケッチ教室(2)My sketch advice (2) privacy policy

スケッチの心得は、街並みスケッチを描く場合を想定してみると次のようなものです。

7.あたりをつける

 スケッチ用紙を前にして、どこから描き始めるか最初の”あたり”が大切です。
先ず、描こうとする対象をしっかり観て、画面へおいたときの絵としての魅力と 表現効果を考えてみることです。曖昧な気持ちで始めては決していい結果は生まれません。よしこれで、と心に決めたら鉛筆やペンで線を引いていきますが、引 き初めは細部にとらわれず大きく構図を割り込んでいく気持ちであたりをつけていきます。

8.目の高さと遠近

 目に見えるように近いものと遠いものの距離感をつかんで画面におきますが、これを透視すると言います。
透視して絵の対象を観ると、対称図形は一点に集まる 図形で構成されることがわかります。そしてこの図形は目の高さによって思いの外感じが異なります。対象を立って見た場合、椅子にかけた場合、地面に座った 場合、高さはわずか数10pの違いですが近景の見える状態に大きく影響するからです。

9.バランスとアクセント

 近景、中景、遠景と遠くなるほど対象の見え方は粗くなります。このことを考えながら画面上のバランスをとっていきます。
たとえば近くでははっきり窓の形を していたものが遠くでは点にしか見えないこともあります。さらに、画面上のアクセント効果を考えて点景などを効果的に配置します。構図に立体感をあたえるには陰影を観察しながら強調することも大切です。

10.下塗りをかける

 下塗りは、やや薄めの色を太めの筆にたっぷりと含ませておいていきます。
色をおく場合も初めは対象物を大きくとらえて多少はみ出しても気にせず描いていきます。このとき大事なことは最もハイライトな部分は残しておくことです。これは水彩スケッチの特徴ですが、白よりも白い部分として効果があるのです。

11.塗り重ね

 色を重ねることによって絵に深みと立体感がでてきます。
2度、3度と重ねる部分と下塗りのまま残す部分がありますが、絶えず画面全体の調和を意識しながら 仕上げていきます。
ここで気をつけたいのは前記のハイライト以外には塗り残しを作らないことです。スケッチは画面が小さいので塗り残しは粗雑感をあたえま す。

12.色づかい

 戸外スケッチで使う注意色をいくつかあげてみると、ブルー系とグリーン系の色づかいがあります。
ブルー系ではウルトラマリンライト、セルリアンブルーの透 明色が多用されます。これはこれらの色は遠近の強弱と、陰影のアクセントに効果があるからです。
グリーン系で注意したいのは樹木色にヴィリジャン、クロー ムグリーンなどを原色のままで多用しないことです、実景と遊離した印象を与えます。
実際、絵の具のなかで最も中間色が多いのはグリーン系でしょう。これら の中間色を意図して効果的な樹木色をつかいましょう。

  • 私の基本12色