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ヨーロッパの美しい街並みや世界遺産をスケッチで紹介しています。

南イタリアとバロックの街並み(1) Southern Italy (1) etail

南イタリアとバロックの街並み Southern Italy (1998.6)

<南イタリアとバロックの街並み>(1998年6月)

 南イタリアは、地中海に突き出たイタリア半島の先端部分にあたり、シチリアとともにこの海峡の中心に位置しています。そのために、この地域の都市は古くから地中海文化との強いつながりをもってきました。「長靴の踵と爪先」とよばれる地域です。
 実際には、ギリシャ、イスラムなどの東方世界とのつながり、さらに地中海だけでなく北ヨーロッパを含むさまざまな民族が交錯したのです。各々の支配民族 は固有の文化をこの地に持ち込んで影響を与えた結果、この地域の都市の街並みは、多民族の侵入と支配によるさまざまの顔を今に残しています。
 しかし、その影響は都市によって違いをみせていて各々の地方の地理的な条件、歴史、風土により、都市の構造と表層は一様ではなく個性的様相を見せていま す。紀元前にさかのぼるとギリシャ、ローマ人による足跡をいまでも多くの遺跡にみることができます。中世にはビザンチン、イスラム、ノルマン人といった異 民族が入れ替わり立ち代り支配し、その影響は教会や修道院などの宗教建築に多く残されています。そして13世紀から18世紀にかけてのスペイン支配下の繁 栄は、バロック様式の華麗な装飾として今日この地方の都市の街並みを特徴づけています。
このようにこの地域では2000年以上にわたる、積み重ねによる複合した文化が息づいているのです。
 ナポリを起点にシチリアのパレルモまで南イタリアを時計回りに25日間の旅でした。


< カプリ マリーナグランデ Capri Marina Grande

 ナポリからフェリーで約80分。カプリ島は温暖な気候と豊かな自然にめぐまれたイタリア有数のリゾート地です。船が到着す るマリーナグランデからは島の全景が一望されます。島の中心はケーブルカーで上った高台にあり、さらにバスを乗り継いでアナカプリへと変化に富んだ眺望が 楽しめます。
































ポジターノ 崖の街 Positano

 ソレントからアマルフィーへ断崖の細い道路をバスは無数のカーブをたどりながら走るのですが、途中にこの街があります。入 り江を囲むように、突き出た崖地にへばりつくようにして造られた建物は、自然の地形をうまく利用した人口の丘のようです。ここはイタリアで人気のあるリ ゾート地で多くの建物は、長期滞在用のホテルです。


































< ラヴェッロ 展望 Ravello >

 アマルフィの街からバスで小1時間ほど上った高台にあります。バスを降りてトンネルをくぐった左手がヴィラ・ルーフォラの 庭園。張り出したバルコニーからは海岸線の町を遠くまで見下ろすことができる絶景です。ワーグナーが絶賛してそのイメージからパルシファルを作曲したとい われます。

































< アルベロベッロ トウルッリの街並み Alberobello

 トウルッリはこの地方だけの独特な住居で、建物すべてがこの地方で産出される石灰岩で造られていますす。外観は南イタリア の強い陽射しを反射させるように、外壁とドームの頂部に白石灰が塗られています。屋根部分の石材の素材の色との対比の効果もあって、美しい外観をつくりだ しています。































< アルベロベッロ トウルッリの教会 Alberobello >

 トウルッリ群の街並みを抜けて街の外れの一角にこの教会があります。正面はシンメトリーでひときわ白くこの街によくマッチしています。
































< チステルニーノ 路地 Cisternino >

 チステルにーノはアルベロベッロの東の丘陵地帯にある中世の都市で、ギリシャ・エーゲ海文明の影響を色濃くうけた小さな田 舎町です。城壁で囲まれた街区の中は、真っ白な住居の集団で埋まっています。迷路のような路地が張り巡らされていて、どの住居も階段は外にあって各階が独 立しています。














































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