ラヴクラフトの遺産 (ホラー:アンソロジー)
(R・E・ワインバーグ&M・H・グリーンバーグ:編 / 創元推理文庫 2000)
タイトルを見た瞬間、「クトゥルー神話アンソロジーだな」と思って買ったのですが・・・違ってました。でもまあ解説の朝松健さんも、同じ勘違いをしたそうですから、仕方がないかも(笑)。
確かに、よく考えてみればラヴクラフトが創造したのは「クトゥルー神話」のみならず、怪奇小説のひとつの方向性(いわゆる“コズミック・ホラー”ですな)なのですよね。その衣鉢を継ぐ怪奇小説作家たちがラヴクラフトに捧げたオマージュが集められているわけです。もちろん“クトゥルー”ネタの小説も半分以上ですから、満足度は抜群。
モダンホラーに相通じるSFホラー「大いなる“C”」(B・ラムレイ)、幻想的でエロチックなくすぐりもある「間男」(R・ガートン)、シェークスピアとクトゥルーを結合させた異色の「シェークスピア奇譚」(G・マスタートン)、過不足なく楽しめるヴードゥー・ホラー「血の島」(H・B・ケイヴ)、ちょっとせつない暗黒の残酷メルヘン「食屍姫メリフィリア」(B・マクノートン)、正統派クトゥルー譚「黄泉の妖神」(G・ウルフ)、アメリカの伝統的フォークロア、ジャージー・デビルを枕に未知との遭遇を重厚に描く「荒地」(F・P・ウィルスン)など、粒揃いです。
<収録作品と作者>「序――H・P・ラヴクラフトへの公開書簡」(ロバート・ブロック)、「間男」(レイ・ガートン)、「吾が心臓の秘密」(モート・キャッスル)、「シェークスピア奇譚」(グレアム・マスタートン)、「大いなる“C”」(ブライアン・ラムレイ)、「忌まわしきもの」(ゲイリー・ブランナー)、「血の島」(ヒュー・B・ケイヴ)、「霊魂の番人」(ジョゼフ・A・シトロ)、「ヘルムート・ヘッケルの日記と書簡」(チェット・ウィリアムスン)、「食屍姫メリフィリア」(ブライアン・マクノートン)、「黄泉の死神」(ジーン・ウルフ)、「ラヴクラフト邸探訪記」(ゲイアン・ウィルスン)、「邪教の魔力」(エド・ゴーマン)、「荒地」(F・ポール・ウィルスン)
オススメ度:☆☆☆☆
2004.5.5
塔の物語 (怪奇:アンソロジー)
(井上 雅彦:編 / 角川ホラー文庫 2000)
自分の創作以外にホラーアンソロジストとして大活躍の井上雅彦さん。『異形コレクション』(廣済堂文庫→光文社文庫)、『異形ミュージアム』(徳間文庫)に続いて、第3のオリジナルアンソロジーを企画しました。
この『異形アンソロジー タロット・ボックス』はその名の通り、タロットカードの大アルカナの絵柄をテーマに、そのテーマに関する怪奇・幻想・ホラー小説を過去の諸作品から発掘してまとめようという、野心的な試みです。
で、第1巻は大アルカナの『塔』がテーマ。ヨーロッパ風の城砦や鐘楼から日本的なからくり建築、近代的な摩天楼からノスタルジックな巨大煙突まで、塔にまつわる内外の怪奇幻想譚が集められています。
一世を風靡したゲーム「クレイジー・クライマー」を彷彿とさせる「蠅」(都筑道夫)、和風幻想譚「星の塔」(高橋克彦)、かのダーレスのデビュー作「蝙蝠鐘楼」、戦前の“奇妙な味”の一編「煙突奇談」(地味井平造)など。文豪ゲーテの作品も入っていました(というか、これがゲーテの初読みって・・・(^^;)。
でも、このシリーズも『異形ミュージアム』とほぼ同様、3巻目が出たままそれっきり中断してしまっているんですよね。やはり出版社が・・・(汗)。
<収録作品と作者>「塔」(マーガリタ・ラスキー)、「星の塔」(高橋 克彦)、「市庁舎の幽霊」(水見 稜)、「城館」(皆川 博子)、「カリヤーンの塔」(中野 美代子)、「骸骨踊り」(ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテ)、「煙突奇談」(地味井 平造)、「蠅」(都筑 道夫)、「蝙蝠鐘樓」(オーガスト・ダーレス)、「ロンドン塔の判官」(高木 彬光)、「高層都市の崩壊」(小松 左京)、「摩天楼」(島尾 敏雄)、「塔」(堀 敏美)
オススメ度:☆☆☆
2004.5.11
囁く血 (ホラー:アンソロジー)
(ジェフ・ゲルブ&マイクル・ギャレット:編 / 祥伝社文庫 2000)
「震える血」、「喘ぐ血」に続く、エロチックホラー・アンソロジーの第3弾です。
今回も、ノンストップで飛ばしています。
中には「数秘術」(B・リトル)のようなわけのわからん作品もありますが、それぞれの作者が本当に楽しんで書いているのがひしひしと伝わってきます(笑)。
日本昔話の鬼婆伝説を思わせる展開からこれぞアメリカンジョークというオチに持っていく「妖女の深情け」(G・ワトキンス ←この人はハイテクサスペンス「致死性ソフトウェア」の作者です)、究極の大人のオモチャ(?)を描く「おもちゃ」(G・マスタートン)、童話のシンデレラをベースにブラックなオチが秀逸の「おかまのシンデレラ」(ロン・ディー)、現実の某国元首が本当にやっていそうで怖い「疵物」(E・マッシー)、カーナッキかジョン・サイレンスかという主人公が怪奇現象に挑む「情欲空間の囚」(G・モリスン)など、エロでグロでダークな18禁物語の饗宴。
大人になってからお読みくださいね。
<収録作品と作者>「人魚の声が聞こえる」(ナンシー・ホールダー)、「数秘術」(ベントリー・リトル)、「心の在処」(デイヴィッド・J・ショウ)、「疵物」(エリザベス・マッシー)、「妖女の深情け」(グレアム・ワトキンス)、「闇のなか」(マシュー・コステロ)、「淫夢の男」(ドン・ダマッサ)、「おもちゃ」(グレアム・マスタートン)、「ビデオ収集家」(ジェフ・ゲルブ)、「異形のカーニバル」(クリス・レイチャー)、「いまから三つ数えたら」(マイクル・ギャレット)、「おかまのシンデレラ」(ロン・ディー)、「愛咬」(ジョン・シャーリイ)、「情欲空間の囚」(グラント・モリスン)
オススメ度:☆☆☆
2004.5.12
真夜中の檻 (怪奇・エッセイ)
(平井 呈一 / 創元推理文庫 2000)
平井呈一さんと言えば、怪奇・幻想小説の研究家・翻訳家として知られていますが、氏の数少ない創作「真夜中の檻」と「エイプリル・フール」の2編を中心に、怪奇小説論や作家論、エッセイなどをまとめた、まさに平井呈一さんの集大成と言える本です。
思えば、中学の時に創元推理文庫版の「怪奇小説傑作集」で、平井さんの解説と共に初めて怪奇小説に触れ、以来ずっと怪奇小説に親しんできた身です。特に「怪奇小説傑作集」の1〜3巻に分けて収められている解説は、ゴシック小説の成り立ちから英米の作家たちの紹介まで、丁寧かつコンパクトにまとめられていて、今も機会がある毎に読み返しているのですが、まだホラーというジャンルが確立される前の怪奇小説史としてこれに優るものはありません。「オトラント城奇譚」(ウォルポール)を初め、レ・ファニュ、マッケン、M・R・ジェイムズ、ブラックウッド、ラヴクラフト、ビアスなど主だった怪奇小説の遍歴はすべてそこから始まったのです。
さて、収録されている2編のうち「真夜中の檻」は、氏が愛して止まなかったアーサー・マッケンの土俗的で淫靡なエロティシズムを純和風テイストの中に見事に移植した作品です。そして一方の「エイプリル・フール」は対照的に都会を舞台にした一種のドッペルゲンガー譚で、甘酸っぱく切ない幕切れが余韻を残します。
併録された解説やエッセイも読み応えがあり、怪奇小説ファンとしては外せない1冊でしょう。
それにしても、現代のモダンホラーを読んだとしたら、平井さんはどのような感想を抱かれるのでしょうか。きっと「こんなものは読むに耐えん!」とおっしゃるのでしょうね(笑)。
<収録作品>「真夜中の檻」、「エイプリル・フール」、「『魔人ドラキュラ』あとがき」、「怪奇小説と私」、「お化けの三人男」、「ブラックウッドのことなど」、「J・S・レ・ファニュ」、「ウォルター・デ・ラ・メア」、「ビアスとラヴクラフト」、「アーサー・マッケン」、「デニス・ホイートリ」、「M・R・ジェイムズ、その他の怪談作家」、「海外怪談散歩」、「はじめに――『こわい話・気味のわるい話』第一輯」、「西欧の幽霊」、「西洋ひゅーどろ三夜噺」、「私の履歴書」
オススメ度:☆☆☆☆
2004.5.14
影が行く (SF:アンソロジー)
(中村 融:編 / 創元SF文庫 2000)
現代のモダンホラーというのは、純粋ホラーにSF、ロマンス、アクション、エロスなどの要素を付加したジャンル・ミックスであることは明らかです。しかし、かつては怪奇幻想小説とSFとの境界線が曖昧だった時期がありました。
20世紀前半、パルプ雑誌が乱立していた時代、そして1950年代のB級SF映画黄金時代から、「アウター・リミッツ」などの怪奇SFテレビドラマ(「X−ファイル」のはしりですね)が人気を呼んでいた頃・・・。
それらの時代を代表する、SFと怪奇幻想の狭間に妖しく咲いた作品群を、中村融さんが編集・翻訳したオリジナル・アンソロジーが本書。
とにかく、ラインアップされた作者の充実に驚かされます。マシスン、クーンツ、ライバー、ゼラズニイ、オールディス、J・ヴァンス、ベスター、F・K・ディック、J・W・キャンベルJr.と、いずれもSF・ホラー界で一家をなした錚々たる顔ぶれです。
特筆すべきは「影が行く」(J・W・キャンベルJr.)と「唾の樹」(B・R・オールディス)の2作品が含まれていることでしょう。いずれも100ページを越すボリュームですが、この2作を読めるだけで値段分以上の価値があります。
「影が行く」は、あのSF映画「遊星よりの物体X」(ジョン・カーペンターによるリメイク版は「遊星からの物体X」)の原作です。南極の氷の下から発見された数千年前の宇宙船と異星人の死体。ですが、死んでいたと思われた異星人は凍結が解けると共によみがえり、基地を恐怖に陥れます。変身能力がある怪物は犬や隊員にも化けられることが判明し、隊員たちは隣にいる同僚が怪物が化けた姿ではないかと疑心暗鬼に陥っていきます。今、読んでみると、カーペンターは原作にとても忠実に映画を作っていたのだと再認識できます。実は映画の方を先に見ていたので、映画から感じる恐怖とサスペンスをそのまま再体験できました。
もう一方の「唾の樹」は存在を知らず、初めて読んだのですが、19世紀のイギリスの片田舎を舞台に、宇宙から飛来した謎の存在によって変貌していく農場の恐怖を描いた重厚な一品。作者オールディスには、高校時代に「地球の長い午後」を読んだ時以来、無条件降伏なのですが、ますますその意を強くしました。ラヴクラフトの「宇宙からの色」を思わせる雰囲気と怪現象、隣人が変貌していく不安、透明怪物の実体が明らかとなるショッキングでグロテスクな描写など、40年前の作品なのにモダンホラーの精髄と言ってもいいほどです。
他にも『ミステリー・ゾーン』の1エピソードでもある「消えた少女」(R・マシスン)、怪奇SFでおなじみの例の怪物を描いた典型「群体」(T・L・トーマス)、吸血鬼ネタをSFに組み入れた「吸血機伝説」(R・ゼラズニイ)、これもサイコ・サスペンスになるネタをいかにもSF的に料理した「ごきげん目盛り」(A・ベスター)、スピリチュアリズムとSFの融合「ボールターのカナリア」(K・ロバーツ)ほか、ハズレはありません。
SFファンもホラーファンも必携の一冊かと。
<収録作品と作者>「消えた少女」(リチャード・マシスン)、「悪夢団」(ディーン・R・クーンツ)、「群体」(シオドア・L・トーマス)、「歴戦の勇士」(フリッツ・ライバー)、「ボールダーのカナリア」(キース・ロバーツ)、「影が行く」(ジョン・W・キャンベル・ジュニア)、「探検隊帰る」(フィリップ・K・ディック)、「仮面」(デーモン・ナイト)、「吸血機伝説」(ロジャー・ゼラズニイ)、「ヨー・ヴォムビスの地下墓地」(クラーク・アシュトン・スミス)、「五つの月が昇るとき」(ジャック・ヴァンス)、「ごきげん目盛り」(アルフレッド・ベスター)、「唾の樹」(ブライアン・W・オールディス)
オススメ度:☆☆☆☆
2004.5.16
帰還 (ホラー:アンソロジー)
(井上 雅彦:編 / 光文社文庫 2000)
テーマ別書き下ろしホラー・アンソロジー『異形コレクション』の第16弾。
本巻より、出版社が廣済堂出版から光文社に変わっていますが、井上さんの序文によると、廣済堂の事業方針の変更で新刊の出版が行われなくなったため、版元を光文社に移すことになったのだそうです。
このようにトレードがスムーズに行われたというのは、ちょっといい話ですよね(笑)。T書店とK書店が関わっているふたつのアンソロジーの運命と比較すると、特にね・・・。
さて、本巻のテーマは『帰還』。つまり、空間・時間・次元の境を越えて、懐かしい場所へ戻って来るというものです。
宇宙からだったり、あの世からだったり、都会からだったり、旅先からだったり。バリエーションは無限です。
女性らしくリリカルな「わたしの家」(竹河 聖)と「失われた環」(久美沙織)、不意に過去がよみがえって日常を冒す「鏡地獄」(田中文雄)と「深い穴」(中井紀夫)、暗黒のメルヘン「或るロマンセ」(五代ゆう)、スプラッターだがどこか切ない「地の底からトンチンカン」(友成純一)、ホラーというよりはピュアなファンタジー「世界玉」(藤田雅矢)、ドッペルゲンガー譚にひとひねり加えた「帰去来」(北原尚彦)、ポオの「アーサー・ゴードン・ピム」を彷彿とさせ、なおかつそれを超えた「帰還」(菊地秀行)など。
<収録作品と作者>「リカ」(太田 忠司)、「地の底からトンテンカン」(友成 純一)、「You'd be so nice to come home to.」(小中 千昭)、「鏡地獄」(田中 文雄)、「月夜にお帰りあそばせ」(安土 萌)、「リターンマッチ」(山下 定)、「復帰」(石田 一)、「失われた環」(久美 沙織)、「骸列車」(倉阪 鬼一郎)、「赤い実たどって」(篠田 真由美)、「深い穴」(中井 紀夫)、「帰去来」(北原 尚彦)、「アンタレスに帰る」(早見 裕司)、「帰缶」(江坂 遊)、「わたしの家」(竹河 聖)、「ホーム」(奥田 哲也)、「或るロマンセ」(五代 ゆう)、「龍宮の匣」(石神 茉莉)、「夜明け、彼は妄想より来る」(牧野 修)、「母の行方」(飯野 文彦)、「星に願いを」(本間 祐)、「世界玉」(藤田 雅矢)、「空の淵より」(井上 雅彦)、「帰還」(菊地 秀行)
オススメ度:☆☆☆
2004.5.18
祈りの海 (SF)
(グレッグ・イーガン / ハヤカワ文庫SF 2000)
最先端の科学知識とぶっ飛んだ理論を駆使してハードSFを書くグレッグ・イーガンの短編集。日本で独自に編まれたものです。
長篇「宇宙消失」や「順列都市」でも、次々と繰り出される奔放な科学理論に振り回されて、正直、読むのに疲れましたが、ここに収められた11編もそれに負けず劣らず。
収録された作品の発表時期が90年〜98年と、かなり幅がありますので、作風に変化はあります。どれも背景には想像を超えた科学的アイディアがあるのですが、初期の一発屋的なアイディア・ストーリーが、後期にはプロットも練られるようになって作品に厚みが出ています。
目覚めるたびに他人の意識の中で覚醒する男を描く「貸金庫」、脳機能と意識と記憶のすべてがチップに移されたら、それは本人と言えるのかを考察する「ぼくになるために」、時間が逆行する未来から届く日記に規定された人生の意味を問う「百光年ダイアリー」、人類の祖先をめぐる騒動の皮肉な結末「ミトコンドリア・イヴ」、とある植民惑星の海がもたらす宗教的恍惚の正体を暴く「祈りの海」(余談ですが、この星の性生活の描写にぶっ飛びました(^^;)など。
<収録作品>「貸金庫」、「キューティ」、「ぼくになることを」、「繭」、「百光年のダイアリー」、「誘拐」、「放浪者の軌道」、「ミトコンドリア・イヴ」、「無限の暗殺者」、「イェユーカ」、「祈りの海」
オススメ度:☆☆☆
2004.6.22
人肉嗜食 (怪奇:アンソロジー)
(七北 数人:編 / ちくま文庫 2001)
一昨日に引き続き、“猟奇文学館”の第3巻です。
買った順番の都合により、2巻の「人獣怪婚」は後日。
今回の“食人”テーマの方が、“監禁”よりはとっつきやすいです。それは結局、“監禁”の場合は、現代社会において自分が当事者に(あえて言えば、被害者・加害者の双方に)なる可能性が否定できないわけですが、さすがに“人食い”となると、よほどのことがない限り当事者にはなり得ず、それだけ虚構として楽しめるからでしょう。
昔、双葉文庫の「怪奇探偵小説集」で読んだ「悪魔の舌」(村山 槐多)や、“世界怪奇実話”の1篇「肉屋に化けた人鬼」(牧 逸馬)が収録されていたのが嬉しかったです。他にも香港を舞台にしたオーソドックス篇「香肉」(生島 治郎)や遠未来のバイオレンス「薫煙肉のなかの鉄」(山田 正紀)など、読み応えがありますが、さすがに食事中に読むのは避けた方がよろしいかと(←体験に基づく助言)。
<収録作品と作者>「悪魔の舌」(村山 槐多)、「狐憑」(中島 敦)、「香肉」(生島 治郎)、「秘密」(小松 左京)、「夜叉神堂の男」(杉本 苑子)、「子をとろ子とろ」(高橋 克彦)、「ことろの鬼」(夢枕 獏)、「肉屋に化けた人鬼」(牧 逸馬)、「血と肉の愛憎」(筒井 康隆)、「薫煙肉のなかの鉄」(山田 正紀)、「姫君を喰う話」(宇能 鴻一郎)
オススメ度:☆☆
2004.6.30