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記事No : 1791
タイトル Re^2: 杜子春の母たち
投稿日: 2012/12/08(Sat) 13:28:13
投稿者桃青

介護は誰がどのように担うのか。
例えば、現在認知症介護に一人当たり月50万円ほど費用がかかると計算されている。
一人、月50万円と聞くと大きいような気がするが、現在介護にあたっている私から見ると、当たらずとも遠からじという数字だ。
我が家の母に関する金額が、これより少ないのは、そのうちの30万円ほどを介護保険を利用しているのと、在宅だからだろう。

「心配をおしでない。私たちはどうなつても、お前さへ仕合せになれるのなら、それより結構なことはないのだからね。大王が何と仰(おつしや)つても、言ひたくないことは黙つておいで。」

と、囁いた杜氏春の母のように
「働き盛りのお前の邪魔はしたくない。私の面倒などみていないで、好きなことを精一杯存分におやり。
お前が楽しく生き生きとしたら、私も嬉しいのだからね。」
と、我が子供に介護の苦労をかけないことを願う母で、毎月50万円を負担できるひとはどれだけいるだろう。
親の介護を誰かにすっかり全部委ねて、精一杯働く子供のほうも、税金と介護保険料を合わせて毎月50万円払うひとはどれだけいるだろう。

>「あなたの人生の始まりに 私がしっかりと付き添ったように
>私の人生の 終わりに少しだけ付き添って欲しい」

と、ポルトガルの母が歌うように、
自宅で子供が介護してくれることを願い、子供もそれに応えようとすると、家庭の中に常時、最低一人は専属の介護人がいないと、認知症の介護はできません。
介護人には、気が抜ける時間というものが全くなくなります。
歌は「終わりに少しだけ」と詠いますが、5年、7年、10年、15年・・・「少しだけ」とはいえない年月です。

>「様々な理由をつけて 嫌がるあなたと お風呂に入った懐かしい日の事を」

赤ちゃんが世話を嫌がって振り払ったり、パンチしたりしても、たかがしれていますが、呆け老人が振り払ったりパンチしてきたら、避けないと介護人が怪我することもあります。
周辺症状としての暴言、暴力に疲れてヘルパーが辞めて行くことは珍しくありませんが、家族は暴言を吐かれても、暴力を受けても家族であることを辞められません。

>「楽しいひと時に 
>私が思わず下着をぬらしてしまったり 

・・・毎日、起きている間は2時間おきに、夜間に一度トイレ誘導し、リハビリパンツが濡れていれば履き替えさせるが、濡れていなければ出るまで待つ。
そのようにしていても、気が付いたら足元に水たまりができていることもあれば、背中までウンチがべったりついていることもある。
時には、トイレでリハパンとズボンを下した途端に、じゃーっ、ぶりぶりーっとほとばしって、あたり一面・・・ということもある。

そういうことは赤ちゃんでもありますが、その量は、赤ちゃんとは比べ物にならないくらい多量なんですよ。
(赤ちゃんだった子供のぷりぷりで可愛いお尻の世話を一年してあげたのだから、今度は私のシワシワで醜いお尻の御世話を何年も何年もしてね。
とは、私は、とても歌えません。)

それでも、私はこの歌にじんと来ます。
あんなに元気に、子供に向かって「私についてらっしゃい!私があなたを守ってあげるんだから!」と、胸を張っていたお母さんが、
そう詠わざるをえなくなったということに対してです。


話は、ずれましたが、
言いたかったのは、どんなに「お母さんが私を守ってくれた、だから今度は私が守るんだ。」と、決意しても、限界がある。
ということです。
介護の問題を解決するものは、どちらを向いても「オカネ」に帰結します。
もし、個人でそのオカネを用意できたら、
「国にも、子供にも迷惑をかけない。」ということは可能かもしれません。
しかし、そんな莫大なカネを用意できるひとはどれだけいるのでしょう。

社会のカネの配分を決める政治にとっては、「自分のことは自分でする。」「家族のことは家族でなんとかします。」という人が多いほうが、都合がいいのかな、とも思います。

「全ては自己責任」が通念となっている社会では、
介護のカネがない。という者に対しては
「介護のカネを個人で用意できているひともいるのに、用意できなかったのは、あなたの努力が足りなかったから、でしょ!」
と、いう言葉が湧きおこるでしょう。

頼れる家族がいない。という者には
「は?面倒見てくれる家族がいない?
そりゃ、家族をつくって来なかったあなたの自己責任でしょう。」
という声が湧きおこるでしょう。
政治はその声に「そうだ、そうだ」と和しているだけでよい。

実際、「選びの結果」「自己責任」を宗義とする某M教会内では、これに類した言葉が、飛び交っている。


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