Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye





       獻給楊開慧

       (「天安門悲歌」   南京 雨花台の挽聯より)                        

獻給楊開慧

 主席詩詞人人有,
 “我失驕楊君失柳”。
 碧血灑盡忠魂去,
 雀巣鳩占萬民憂。
 我們懷念楊開慧,
 更與白骨結冤仇。
 學習英雄有何罪,
 坐牢殺頭壯志酬。


******

楊開慧に献ぐ


 主席の詩詞は 人人(だれもが)有りて,
 “我は 驕(ほこら)かな楊を失ひ 君は柳を失ふ”。
 碧血 灑ぎ尽くして 忠魂 去れば,
 雀の巣に 鳩の占めるは 万民 憂ふ。
 我らは 懐念(なつかし)む 楊開慧を,
 更に 白骨と 冤仇(かたき)になるを 。
 英雄を 学習するに 何の罪 有らん,
 牢に坐し 頭(かうべ)を殺(きらるる)とも 壮志に酬はん。


**********
私感注釈


※ 天安門悲歌:師東兵著 北京出版社出版  第7章「導火索終於被江青拉響了」より。
※ 雨花台:南京南郊にある雨花台烈士陵園のこと。
※ 主席詩詞:文革期、「毛主席詩詞三十七首」が簡体字、繁体字、版本等で広まった。この中に “我失驕楊君失柳”の句のある「『蝶恋花』 答李淑一」がある。現在、毛主席詩詞は百首を超す 詩詞が発表されている。ここでは「毛主席詩詞三十七首」を指すものと思われる。

※ 人人:(現代語)あらゆる人。だれでも。日本語の「人々(ひとびと)」とは違う。

※ 有:(現代語)もっている。

※ “我失驕楊君失柳”:一九五八年七月一日作の毛沢東の詞「『蝶恋花』 答李淑一」の一節。 “わたし(毛沢東)は ほこらかな(前々妻の)楊(開慧)を失い、 君(李淑一)は(夫の) 柳(直荀)を失ふ”。
  その意味するところは、妻の楊開慧は夫・毛沢東に貞節を守ったがために、処刑された。一方、 毛沢東に詞を贈った李淑一は、楊開慧の友人であり、彼女は夫・柳直荀を一九三三年当時の中国共産党 (王明極左日和見主義路線と謂われる)に因って、スパイと誣告され、処刑された。
  ただし、文革期の「毛主席詩詞三十七首」には、楊開慧は“毛沢東の妻”とは、注記しないで、 “李淑一の友人”とだけ記されている。このため、この詞を巡る四人の関係が不明瞭なことから来る ややこしさがある。特に、「楊開慧とは毛沢東の妻」とは、同「詩詞三十七首」が編纂された当時は、 江青が毛沢東の妻だったため、彼女に遠慮して書けなかったものと思われる。早期の毛主席詩詞の注釈本は、ここのところを余り触れない。また、「詩詞三十七首」では、柳直荀も “一九三二年、湖北洪湖戦役中に陣没した”者として記され、「烈士」の称号が付けられている。 (「烈士」とは、革命事業のために命を落とした者としての位置づけを表す称号)
  この詩では、 この句を出すことで、毛沢東自身の言葉でもって前々妻の楊開慧を「誇らかな楊」と言わしめ、 現夫人の江青を暗々裏に批判している。
                *********
  全くの余談で恐縮だが、現中国では、夫婦別姓なので、(我々日本人の感覚からすれば) 人間関係がつかみにくい感じがする。
  中国の人は、家族が同じ職場で働くことも多く、 うっかり気づかずに奥さんの悪口を言ったら大変!!?? 中国人のご家族とつきあうときは、奥さんだけ、家族とは苗字が違うので、 奥さんの姓をしっかり覚えておく必要がある。 実は、わたしは以前に、このことで、ちょっと恥ずかしい思いをしたことがある。−−−−  街で「張某」さんの奥さんに会ったわけである。わたしは、「あ、張さんですね。」と話しかけたら、「いいえ、 李四です。」と返事され、一瞬、人違いをしてしまったかと狼狽えてしまったことがある。
  もっとも、姓が違うことで都合のいいときもある。 夫婦であることを知られたくない時や夫婦間の平等意識の醸成等である。 もっとも、日本のことを熟知している中国人は、「日本人は、家族全員が同一姓なので、家族の団結力を増しているように見受けられる。」とも言っていたのを覚えている。
  但し、誤解がないように一言付け加えておくと、当然国が違えば、文化や風俗・習慣が 違うので、相違点が出てくる。しかし、これはどちらが正しくて、 どちらが間違っている、という問題ではない。世界には、多様な文化がある、ということを言いたいだけである。 以上、全くの余談饒舌でした。
  詞全体の意味は毛主席詩詞「『蝶恋花』 答李淑一」を参照。

※ 碧血:忠節を尽くして死んだ者の血。周の萇弘の故事から来ている。楊開慧の死を指すと思われる。

※ 忠魂:楊開慧の魂を指すものと思われる。

※ 雀巣鳩占:雀の巣を鳩が占拠する。毛沢東の後妻となった江青の行為を指すと思われる。

※ 我們:(現代語)わたしたち。

※ 懐念:(現代語)懐かしむ。

※ 与:と。この場合、後に続いて、「白骨(江青)敵関係になる。」の「と」に当たる。

※ 白骨:江青を指すか。京劇かなにかに、確か「三打白骨精」(三たび 白骨の精とたたかう) というのがあった。
  白骨の精が村娘や老婆等に化け、唐僧・三蔵法師を惑わすのである。しかし、 これを見抜いた孫悟空は、千鈞の金箍棒を揮い、その都度、白骨の精を倒して、三蔵法師を救うのである。しかし、 見抜く目を持たない三蔵法師は、「無益な殺生をした」と逆に怒り、ついには、 孫悟空を破門してしまう。孫悟空のいなくなった三蔵法師は、易々と白骨の精に捕まってしまい、 自分の愚かさに気づくが、もう手遅れだった。そこへ孫悟空が万難を排して駆けつけ、三蔵法師 を救うというようなものである。
  この三蔵法師とは、毛沢東であり、白骨精とは江青であり、孫悟空とは当時の 血気盛んな青年、と当てはめて見ることができる。これは全くの想像ではあるが………。何如。

※ 結冤仇:(現代語)かたきとなる。仇敵関係になる。(結:…となる。 冤仇:かたき)

※ 学習:(現代語)みならう。学習する。

※ 英雄:楊開慧を指すものと思われる。

※ 有何罪:何の罪があるというのか!(反語)。現代語の「有甚罪」を書面語風に変えたものと思われる。

※ 坐牢:(現代語)牢獄に繋がれる。

※ 殺頭:(現代語)首をきられる。

※ 壮志:雄々しい志、つまり死を以て夫・毛沢東に貞節を尽くした楊開慧の志を指すか。

※ 構成について:平仄については、全く顧慮していない。現代詩。  韻脚は「有」「柳」「憂」「仇」「酬」だが、色々な声調が混じっている。典型的な現代語(北京音)韻。いわば「−(io)u」韻(「−iu」韻)。

※ この詩は「天安門悲歌」中の第7章「導火索終於被江青拉響了」より採った。

                    
(1999. 9.30)
(1999.10. 4)
(1999.10. 6)
(1999.11.10)
(2001. 3.29)補




xiaye次の詩へ  
shangye前の詩へ  
geming shichao天安門革命詩抄メニューへ
天安門革命詩抄写真集
Maozhuxi shici毛沢東詩詞

辛棄疾詩詞
秋瑾詩詞
古典詩詞散歩
碇豊長自作詩詞
shici gaishuo詩詞概説
唐詩格律 之一
宋詞格律
詞牌・詞譜
詞韻
詩韻
xiaye参考文献(毛主席と文化大革命)
xiaye参考文献(中国社会と文化大革命)
参考文献(詩詞格律)
cankao shumu(wenge)参考文献(宋詞)
cankao shumu(wenge)参考文献(唐詩)
本ホームページの構成・他
zhuzhang わたしの主張

guanhougan
メール
hui shouye
トップ

huanyng xinshang Ding Fengzhang de zhuye