huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye

李清照詞


  醉花陰
            
薄霧濃雲愁永晝,
瑞腦消金獣。
佳節又重陽
玉枕紗廚,
半夜涼初透。


東籬把酒黄昏後,
有暗香盈袖。
莫道不消魂
簾捲西風,
人比黄花痩


    **********************


      醉花陰

薄霧 濃雲  永き晝を 愁ひ,
  
瑞腦   金獣に 消へ。
   
佳節  又 重陽,
  
玉枕  紗廚,
  
半夜に  涼 初めて透る。



東籬に 酒を把りて  黄昏の後,
ひそ                                  そで     み
暗やかなる香 有りて  袖に盈つ。
 い    なか
道ふ莫れ  消魂せざると,
  
簾 西風に捲かるれば,
                              ごと
人は 黄花 比
(よ)りも  痩せん。


             ******************
私感訳注:

※醉花陰:詞牌の一。憶吹簫ともいう。双調。五十二字。仄韻一韻到底。詳しくは下に示す。韻式は「aaa aaa」。この作品は、一人で重陽の節句を迎えた李清照が出張中の夫・趙明誠に宛てて出したものといわれる。この詞については次のような事柄が伝えられている。(原典を見ていないが)元・伊世珍の『瑯記』は『外傳』を引用し「李清照はこの『醉花陰』を夫・趙明誠に宛てて出した。これを見た夫はそのすばらしさに感動し、我が力の至らなさを恥じて、何とか妻に勝とうとした。そこで、三昼夜寝食を忘れて、詞五十首を作った。そして、その自分の作った詞に妻・李清照のこの『醉花陰』を混ぜ、友人に見せ、詞のできを尋ねた。友人は(李清照の作った)『莫道不消魂,簾捲西風,人似黄花痩。』が秀逸だと言った」とあるそうだ。

※薄霧濃雲愁永晝:うっすらとした霧に濃い雲は、半日やるせなく永く感じられた。 ・薄霧濃雲:うっすらとした霧に濃い雲。光景ではあるが、作者の心情でもある。 ・永晝:孤独で、やるせなく永く感じられた昼間、半日。一日中やるせない気分で過ごしたということ。

※瑞腦消金獣:龍脳(の香)も、獣の形をした黄金の香炉に尽きて消えてしまった。 *時間が経ったことを表現する。 ・瑞腦:香料の一種で、龍脳。 ・金獣:獣の形をした黄金や銅などの香炉。

※佳節又重陽:めでたい節会の重陽(ちょうよう)がまたしても(やって来たので、ますます身近にいない親しい人が思い起こされる。) ・佳節:めでたい節日。ここでは、重陽の節を指す。王維の『九月九日憶山東兄弟』「獨在異ク爲異客,毎逢
佳節倍思親。遙知兄弟登高處,插茱萸少一人。」北宋・柳永の『雨霖鈴』に「寒蝉淒切,對長亭晩,驟雨初歇。キ門帳飮無緒,留戀處,蘭舟催發。執手相看涙眼,竟無語凝噎。念去去千里煙波,暮靄沈沈楚天闊。   多情自古傷離別,更那堪、冷落清秋節。今宵酒醒何處?楊柳岸、曉風殘月。此去經年,應是良辰好景虚設。便縱有千種風情,更與何人説。」、自身の『永遇樂』「落日熔金,暮雲合璧,人在何處?染柳烟濃,吹梅笛怨,春意知幾許。元宵佳節,融和天氣,次第豈無風雨?來相召,香車寶馬,謝他酒朋詩侶。   中州盛日,閨門多暇,記得偏重三五。鋪翠冠兒,撚金雪柳,簇帶爭濟楚。如今憔悴,風鬟霜鬢,怕見夜間出去。不如向、簾兒底下,聽人笑語。」や、とある。 ・又:またもや。またしても。かさねてまた。過ぎ行くときの流れに対して、作者の感慨が現れている。「倍思親」の感慨があろう。 ・重陽:旧暦九月九日の節。菊の節句。九日登高の節で、高きに登り、遙かな故人を偲ぶという。陽の数字の最大の九が重なることから、九月九日をこういう。重九。蛇足だが、ご存じの通り、一月一日(元旦)、三月三日(上巳)、五月五日(端午)、七月七日(七夕)、そしてこの九月九日(重陽)と、奇数の重なる日は全て節日になっている。

※玉枕紗廚:玉(ぎょく)のような陶磁器の枕と紗のカーテン(の寝床にも)。 ・玉枕:玉(ぎょく)のような枕で、陶磁器の枕のことをいう。 ・紗廚:紗のカーテン。蚊帳の意もある。廚の俗字は厨だが、ここはは厨房の厨(台所)ではなく、字(櫃、戸棚)が相応しい。

※半夜涼初透:夜半、秋の気配が漂う涼しさが入って行き渡った。 ・半夜:(古・現代語)よなか。夜半。夜中の12時前後。 ・涼:涼気。 ・透:(部屋の中の玉枕の元、紗廚の中まで涼気が)入ってきた。

※東籬把酒黄昏後:東籬の下で(菊酒の)酒杯をとったのは黄昏の後であり。 ・東籬:東の垣根。陶潜『飮酒二十首』其五「結廬在人境,而無車馬喧。問君何能爾,心遠地自偏采菊
東籬,悠然見南山。山氣日夕佳,飛鳥相與還。此中有眞意,欲辨已忘言。」という有名な一節に依って、菊を植えてある垣根、菊を植えてある所、の意。 ・把:とる。手に取り持つ。 ・把酒:詞語としては、「酒を飲む」。重陽の日の思親の菊花酒でもあり、陶潜の悠然見南山の酒でもある。 ・黄昏:たそがれ。たそがれになる。

※有暗香盈袖:(菊の)ほのかな香りが袖に移り香となって満ちている。 ・暗香:密やかなかおり。ここでは菊の花の香りのこと。中唐・白居易の『春夜宿直』に「三月十四夜,西垣東北廊。碧梧葉重疊,紅藥樹低昂。月砌漏幽影,風簾飄闇香。禁中無宿客,誰伴紫微郎。」とあり、宋・林逋の『山園小梅』に「衆芳搖落獨暄妍,占盡風情向小園。疎影斜水C淺,
暗香浮動月黄昏。霜禽欲下先偸眼,粉蝶如知合斷魂。幸有微吟可相狎,不須檀板共金尊。」がある。 ・盈袖:そでにみちる。菊の花の移り香。「古詩・庭中有樹」に「馨香盈懷袖」がある。

※莫道不消魂:(菊花酒で)どうして哀しみが癒されたと言えようか。 *重陽の佳節で親しい人(夫)に想いを馳せるものの、生別のため遙かな人となり、哀しみがますます募ってくる。どうして哀しみに沈まないと言えようか。繍簾が秋風に動かされるこの頃、定めしやつれ果てたことだろう、秋の菊(残菊)よりも。 ・莫道:いうなかれ。……なんて思わないで下さいね。わたしはこれでも…。 ・消魂:(古・現代語)(感動・衝撃を受けて)魂が消え入る。(驚き悲しんで)意気を失う。極度の感傷。銷魂。

※簾捲西風:窓辺のカーテンは秋風に巻き上げられ(秋の気配はますます濃厚となってきており)。 ・西風:秋風。

※人比黄花痩:わたしは(菊花の酒のためにむしり取られた)菊の花よりも、やつれてしまった。 *この句は「人似黄花痩」ともする。「人似黄花痩」は「人は黄花に似て痩せたり」となり、「人比黄花痩」は「人は黄花よりも痩せたり」となる。後者の「比」の方が強烈である。 ・人:紗廚の中、玉枕で寝ていた人のこと。ここは、作者のこと。 ・似:…に似る。如し。似字を比字とするのもある。似は、にる。比は…よりも。の意。 ・黄花:菊の花。重陽節の付き物。勿論、前出の「采菊東籬下」と関連があろう。 ・痩:やせる。やつれる。憂愁のために身も心も疲れ果てたさまの比喩。





◎ 構成について
 
双調。五十二字。仄韻一韻到底。韻式は「aaa aaa」。


●○○○●●,(韻)
●○○●。(韻)
●●○○,
●○○,
●○○●。(韻)


●○○○●●,(韻)
●○○●。(韻)
●●○○,
●○○,
●○○●。(韻)


韻脚は「晝獣透 後袖痩」で、第十二部声去声。
 
2000.11.12日
     11.13
     11.14完
     11.19補
     12. 9
2001. 7. 2
2007. 7.11病

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