Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye



     
                     北宋・柳永

雨霖鈴

寒蝉淒切,
對長亭晩,
驟雨初歇。
都門帳飮無緒,
留戀處,
蘭舟催發。
執手相看涙眼,
竟無語凝噎。
念去去千里煙波,
暮靄沈沈楚天闊。


多情自古傷離別,
更那堪、冷落清秋節。
今宵酒醒何處

楊柳岸、 曉風殘月。
此去經年,
應是良辰好景虚設。
便縱有千種風情,
更與何人説。


******

雨霖鈴
                 
寒蝉  淒切として,
長亭の 晩に 對す,
驟雨  初めて 歇
(や)む。
都門に  帳飮すれど  緒
(おもむ)き 無し,
留戀せる 處,
蘭舟  發
(た)つを 催す。
手を 執りて 相ひ看て 涙眼し,
(つひ)に 語る 無く  凝(とどこほ)り 噎(むせ)ぶ。
千里の 煙波  去り去るを 念
(おも)へば,
暮靄 沈沈として  楚天 闊
(ひろ)し。


多情 古
(いにし)へ 自(よ)り  離別を 傷むに,
更に 那
(なん)ぞ 堪へん、  清秋の節に 冷落せるを。
今宵  酒 醒
(さ)むは  何(いづ)れの處ぞ
楊柳の岸、  曉風 殘月。
(ここ)より去りて  年を 經(ふ)
(まさ)に 是れ  良辰 好景  虚しく 設くべし。
便縱
(たと)へ  千種の 風情 有るとも,
更に 何人
(なんぴと)(と)か 説(はな)さん。

*****************


◎ 私感註釈

※柳永:北宋の詞人。生没年不詳(971年頃~1053年か)。字は耆卿。初名は三変。崇安(現・福建省崇安県)の人。進士ともなるが、世俗民間で世を送り、作詞を専門とするようになった。慢詞(長篇の詞)が多く、繊細な男女の情愛や、都市の風光、旅情を描くなど、典型的な婉約詞詞人。詞彙も感傷的で典雅なものが多い。唐詩に慣れた眼でみれば、浅、易、俗…となるが、典雅でもあり、蘇軾出現前の北宋前半を代表する詞人。

※雨霖鈴:詞牌の一。詞の形式名。詳しくは下記の「構成について」を参照。

※寒蝉淒切:秋になっても鳴いている蝉は、身にしむほど悲しい。 ・寒蝉:秋になっても鳴いている蝉。詩詞では、盛りを過ぎて衰えに向かうなかでの表現として間々使われる。 ・淒切:身にしむほど悲しい。 ・淒:さむい。すさまじい。さびしい。すごい。

※對長亭晩:旅亭での夕暮れに。 ・對:…に対して。 ・長亭:漢代の制で街道十里ごとに設けられた旅亭。ここでは、旅館。五里ごとに設けられたものは短亭になる。

※驟雨初歇:夕立が、たった今、やんだところだ。 ・驟雨:にわか雨。夕立。急雨。 ・初:たった今。はじめて。ここは、前者の意で使われる。 ・歇:やむ。

※都門帳飮無緒:都門での送別の宴は、情緒が無い。 ・都門:都の入り口の城門。転じて、都。 ・帳飮:野外に幕やテントを張って送別の宴をすること。送別会。 ・無緒:情緒が無い。趣がない。

※留戀處:恋々として去るに忍びない処である船着き場で。 ・留戀:別離の情に耐えない。恋々として去るに忍びない。・處:場所。

※蘭舟催發:舟は出立を急かしている。 ・蘭舟:舟の美称。『楚辭』から。 ・催:うながす。 ・發:出発。旅立ち。李白の『江上吟』「木蘭之枻沙棠舟,玉簫金管坐兩頭。美酒尊中置千斛,載妓隨波任去留。仙人有待乘黄鶴,海客無心隨白鴎。屈平詞賦懸日月,楚王臺空山丘。興酣落筆搖五嶽,詩成笑傲凌滄洲。功名富貴若長在,漢水亦應西北流。」や、両宋・李清照の『一翦梅』「紅藕香殘玉簟秋。輕解羅裳,獨上蘭舟。雲中誰寄錦書來,雁字回時,月滿西樓。   花自飄零水自流。一種相思,兩處閑愁。此情無計可消除,才下眉頭,却上心頭。」がある。

※執手相看涙眼:手を執って、お互いに涙ぐんだ目を見て。 ・執手:手を執る。「携手」など、手に触れることは、特別な感情を表す。 ・相看:お互いにみて。 ・涙眼:涙ぐんだ目。

※竟無語凝噎:結局、言葉も無く、つかえて滞っていた。 ・竟:ついに。結局。ただ…だけ。あろうことか。 ・無語:(声に出して話す)言葉は無い。無言で。 ・凝:とどこおる。 ・噎:〔えつ;ye1〕つかえる。むせぶ。つまる。ふさがる。心配のあまり充分に息が出来ない。『詩經』黍離に「行邁靡靡,中心如
。知我者,謂我心憂,不知我者,謂我何求。悠悠蒼天,此何人哉。」とあるが、意味は同じ。

※念去去千里煙波:遥かな波の彼方に去っていくことを思えば。 ・念:思う。 ・去去:去っていく。 ・千里:遥かな距離。 ・煙波:もやのかかった水面。遥か彼方まで続く水面の意で使われている。

※暮靄沈沈楚天闊:宵闇はだんだんと迫り、江南の空が広く感じられてくる。 ・暮靄:夕方のもや。夕暮れ。黄昏。 ・沈沈:夜の更けていくようす。 ・楚天:江南の空。 ・闊:広々としている。

※多情自古傷離別:多情な者は、昔より、別離というものは、いたましいものなのに。 ・多情:情愛が深い。 ・自古:昔から。昔より。 ・傷:いたむ。 ・離別:別れ。別離。

※更那堪:その上更に、どうして堪えられようか。 ・更:その上。さらに。 ・那堪:どうして堪えられようか。 ・那:どうして。なんぞ。疑問を表す。

※冷落清秋節:清らかな秋の季節に、落ちぶれて寂しい(情況でいるのは)。 ・冷落:寂しく静か。落ちぶれて寂しい。 ・清秋節:清らかな秋の季節。

※今宵酒醒何處:(船旅で)今宵、(一人になった時)酒から醒めるのはどこになることやら。 ・今宵:こよい。今夜。 ・酒醒:酒から醒める。酔いが醒める。 ・何處:どこ。いづこ。

※楊柳岸:楊柳の岸辺(なのか)。 ・楊柳:やなぎ。なお、「楊」:ハコヤナギ類、「柳」:シダレヤナギ。ヤナギ類の総称としてもある。ここでは、ヤナギを指す。

※曉風殘月:明け方の風や月(をみとめるのは)。 *「今宵酒醒何處」という自問に、「楊柳岸、 曉風殘月。」(楊柳の岸辺で、曉風や殘月をみとめることになろうか)と自答している。後世、清・王士禛は『眞州絶句六首之五』で「江鄕春事最堪憐,寒食清明欲禁煙。
殘月曉風仙掌路,何人爲弔柳屯田。」と詠う。 ・曉風:朝の風。 ・殘月:朝の月。朝空に残っているすたれた感じの月。

※此去經年:ここより去って、年月をすごしても。 ・此去:ここを去ってゆく。 ・經年:幾年も過ごす。年月がたつ。

※應是良辰好景虚設:きっと、(一人で過ごした)佳き日、佳き情景は、実のない、見せかけかけのものになるだろう。 ・應是:きっと…のことだろう。 ・良辰好景:よき日のよき情景。“良辰美景”。 ・虚設:実のない見かけだけのしつらえ。形式的な存在。

※便縱有千種風情:よしんば(そこに)多様な情趣があろうと。 ・便:たとえ…であっても。よしんば……であろうと。 ・縱:たとえ。清・査愼行の『雨後』に「
便一雨望豐年,大抵人情慰目前。我比老農還計短,只貪今夜夜涼眠。」とある。(「便從」と「便縱」とでは意味が異なるが…) ・千種風情:多様な趣。多様な風情。「風情」には、日本語でのそれ以上に艶っぽい雰囲気がある。

※更與何人説:この上(一体)誰に話すのか。 ・更:その上。さらに。 ・與:…と。…に。 ・何人:だれ。なんぴと。 ・説:言う。話す。

                  ***********




◎ 構成について:

一〇三字 双調。仄韻一韻到底。韻式は「aaaaa aaaaa」。 韻脚は「切歇發噎闊別節月設説」で、詞韻第十八部入声。


○○●。(韻)
●○○●,
●●○●。(韻)
○○●,
○○●●,
○○○●。(韻)
●●○○●,
●○○●。(韻)
●●、○●○○,
●●○○●○●。(韻)


○●●○○●。(韻)
●○○、●●○○●。(韻)
●,
●●、●○○●。(韻)
●●○○,
○●、○○●●○●。(韻)
●●●、●○○,
●●○○●。(韻)

 
2004.2.3
     2.4完
2017.8.7補

漢詩 填詞 詩餘 詩余 唐詩

xia 1ye次の詩へ
shang 1ye前の詩へ
婉約詞メニューへ
    ************
shici gaishuo詩詞概説
唐詩格律 之一
宋詞格律
詞牌・詞譜
詞韻
唐詩格律 之一
詩韻
詩詞用語解説
詩詞引用原文解説
詩詞民族呼称集
shichao shou ye天安門革命詩抄
Qiu Jin ci秋瑾詩詞
碧血の詩篇
李煜詞
Xin Qiji ci辛棄疾詞
李淸照詞
Huajianji花間集
Huajianji歴代抒情詩選
Huajianji毛澤東詩詞
zhuozuo碇豐長自作詩詞
漢訳和歌
参考文献(詩詞格律)
cankao shumu(wenge)参考文献(宋詞)
本ホームページの構成・他
Riyu:zhiciわたしのおもい
guanhougan
メール
hui shouye
トップ
huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye