huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye



  

漢詩 陸放翁   秋興
            

            
        南宋 陸游

成都城中秋夜長,
燈籠蝋紙明空堂。
高梧月白繞飛鵲,
衰草露濕啼寒螿。
堂上書生讀書罷,
欲眠未眠偏斷腸。
起行百匝幾歎息,
一夕綠髮成秋霜。
中原日月用胡暦,
幽州老酋著柘黄。
榮河温洛底處所,
可使長作旃裘鄕。
百金戰袍鵰鶻盤,
三尺劍鋒霜雪寒。
一朝出塞君試看,
旦發寶鷄暮長安。


    **********************

        秋興
           
成都 城中  秋夜 長く,
燈籠の蝋紙  空堂を 明
(て)らす。
高梧 月 白くして  飛鵲
(ひじゃく) 繞(めぐ)り,
衰草 露 濕りて  寒螿
(かんしゃう) 啼く。
堂上の 書生  讀書を 罷
(や)め,
眠らんと欲
(ほっ)するも 未だ眠らず  偏(ひと)へに斷腸す。
起きて行きて 百匝
(ひゃくさふ)  幾(いくたび)か 歎息し,
一夕 綠髮  秋霜と 成る。
中原の日月  胡暦を 用ゐ,
幽州の老酋
(らうしう)  柘黄(しゃくゎう)を 著(つ)く。
榮河 温洛  底處
(いづこ)の所ぞ,
長く  旃裘
(せんきう)の鄕と 作(な)ら使(し)む 可(べ)けんや。
百金の戰袍  鵰鶻
(てうこつ) 盤(わだかま)り,
三尺の 劍鋒  霜雪 寒し。
一朝 塞を出づ  君 試
(こころ)みに看よ,
(あした)に 寶鷄を 發すれば  暮には 長安。
             ******************


◎私感訳注:

※秋興:秋の感興。秋の興趣。秋思。喪われた国土・華北恢復の想いを詠う。
※成都城中秋夜長:成都の街では、仲秋の夜が長く。 ・成都:四川省にある都市名。 ・城中:街の中。 ・秋夜:秋の夜。 ・長:不定時法なので、日照時間が短い季節は、当然夜の時間が長くなる。
※燈籠蝋紙明空堂:行灯の骨組みに紙を貼った、みつロウを染み込ませた紙は、がらんとした何も家具のない部屋を明るく照らしだしている。 ・燈籠:行灯。灯籠。骨組みに紙を貼った提灯状の灯火(ともしび)。 ・蝋紙:〔らふし;la4zhi3●●〕みつロウを染み込ませた紙。灯籠に障子のように貼っている紙。蛇足になるが、現代語では、パラフィン紙。油紙。謄写版の原紙。 ・明:あかるくする。明るく照らす。動詞。 ・空堂:がらんとした部屋。何も家具のない部屋。陶淵明でいう虚室。
※高梧月白繞飛鵲:背が高く伸びたアオギリの木に、月が白くかかり、天翔るカササギが。(アオギリを)めぐっている。 ・高梧:〔かうご;gao1wu2○○〕背が高く伸びたアオギリの木。 ・梧:〔ご;wu2○〕アオギリ。ものの衰えの兆しを暗示する語でもある。 ・繞:めぐる。 ・飛鵲〔ひじゃく;fei1que4○●〕天翔るカササギ。
※衰草露濕啼寒:だんだんと抜けてまばらになった(秋の)草むらは、露で潤い、(秋口に活動する)ツクツクボウシが啼いている。 ・衰草:〔すゐさう;chui1cao3○●〕だんだんと抜けてまばらになった草むら。順次に抜け落ちていく草。 ・衰:〔すゐ;chui1○〕髪の毛や木の葉がだんだんと抜けてまばらになっていくさま。順次に抜け落ちていくさま。衰:〔すゐ;shuai1○〕おとろえる。 ・露濕:露で潤う。 *季節の変化をいう。 ・啼:なく。 ・寒〔かんしゃう;han2jiang1○○〕つくつくぼうし。セミの一種。秋口のセミで、余命幾ばくもない雰囲気を出す語でもある。寒蝉。
※堂上書生讀書罷:・お屋敷の(立派な)部屋の中で、学生。作者自身のこと。聖賢の書を読むことをやめて。 ・堂上:(立派な)部屋の中で。 ・書生:学生。作者自身のこと。 ・讀書:本を読む。勉強をする。聖賢の書を読む。 ・罷:おわる。おえる。やめる。
※欲眠未眠偏斷腸:眠ろうとするが眠りにつけないで、ひたすら腸(はらわた)を断ち切るほどの無念さである。 ・欲眠:眠ろうとする。 ・未眠:眠りにつけない。 ・偏:ひとえに。ひたすら。 ・斷腸:腸(はらわた)を断ち切るほどの辛(つら)さ、悲しさ。
※起行百匝幾歎息:(寝床から)起きあがって、何度もぐるぐる歩き回り、どれほど歎いて溜息をついたことだろうか。 ・起行:(寝床から)起きあがって歩き出す。 ・百匝:〔ひゃくさふ;bai3za1●●〕百周する。何度もめぐる。何度もとりまく。 ・幾:どれほど。何回。 ・嘆息:〔たんそく;tan4xi1◎●〕ため息をつく。歎いて溜息をつく。
※一夕綠髮成秋霜: ・一夕:一夜(で)。一晩(で)。 ・綠髮:みどりの黒髪。美しい黒髪。 ・成:…となる。 ・秋霜:(髪の毛などが)白くなること。白髪。李白の『秋浦歌』に「白髮三千丈,縁愁似箇長。不知明鏡裏,何處得
秋霜。」 とある。
※中原日月用胡暦:中原の漢民族の故地は降服して、異民族の制定した暦で月日を算えている。 ・中原:漢民族の故地。黄河流域の中国の中心地。 ・日月:ここでは月日を算える方法のことをいう。 ・胡暦:異民族の制定した暦。 *暦や年号、服装などを自民族のものから他民族のものに易(か)えて用いるということは、他民族に服属したということ。
※幽州老酋著柘黄:幽州(現・北京、河北省一帯)にいる金国の酋長は、天子の身につける黄色の衣服である黄袍を身に着けている。 ・幽州:現在の北京、河北省一帯。≒幽燕。 ・老酋:〔らうしう;lao3qiu2●○〕金国の国王を謂う。女真族の族長。酋長。身か異人の首領。 ・著:身に着ける。 ・柘黄:〔しゃくゎう;zhe4huang2●○〕天子の身につける黄色の衣服。黄袍。禁色。柘(やまぐわ、つみのき)で、黄と赤の中間色に染め上げたことに因る。
※榮河温洛底處所:善政になると黄河の水が栄光を放つという言い伝えや、徳政が行われると洛水の水が温かくなるという言い伝えは、(一体)いづこの所のことなのか。 ・榮河:善政になると黄河の水が栄光を放つということによる。 ・温洛:徳政が行われると洛水の水が温かくなるということによる。 ・底處所:いづこの所。 ・底:なに。なんぞ。俗語。古白話。 ・底處:どこ。いづこ。
※可使長作旃裘鄕:永遠に毛皮をまとった異民族の居住地としてしまって、ほんとうにいいのか。 ・可:ほんとうに。まったく。まことに。 ・使:させる。…しむ。使役表現。 ・長作旃裘鄕:永遠に異民族の居住地となる。 ・長作:ずうっと…としてしまう。 ・旃裘:〔せんきう;zhan1qiu2○○〕毛織りの衣服。胡人が身に着けたもので、異民族、異人の意で使う。=氈裘。漢魏・蔡文姫の『胡笳十八拍』三拍に「越漢國兮入胡城,亡家失身兮不如無生。
氈裘爲裳兮骨肉震驚,羯羶爲味兮枉遏我情。」 とある。 ・鄕:さと。
※百金戰袍鵰鶻盤:百金を出した高価な軍装には、ワシとハヤブサの縫い取りをして、戦袍の上を渦を巻きわだかまっている。 ・百金:高価な。 ・戰袍:軍装。軍服。 ・鵰鶻:〔てうこつ;diao1gu3てうこつ○●〕ワシとハヤブサの縫い取り。 ・盤:渦を巻く。わだかまる。めぐる。
※三尺劍鋒霜雪寒:三尺の長剣の尖端は、霜や雪のように白く輝き、冷え冷えとしている。 ・三尺劍鋒:長剣の尖端。 ・霜雪:霜や雪のように白く輝く刃(やいば)の形容。≒秋霜。 ・寒:冷え冷えとしている。剣の刃が鋭いさま。
※一朝出塞君試看:ある朝。前線である辺疆のとりでを出て敵地へ赴くから、君よ、(心の中で少し考えて)御覧あれ。 ・一朝:一旦。ある朝。 ・出塞:〔しゅつさい;chu1sai4●● 塞は多音字〕(辺疆の)とりでを出て(敵地へ)赴くこと。 ・君:あなた。 ・試看:見たまえ。見なさい。こころみに見よ。
※旦發寶鷄暮長安:あさに(最前線の)宝鶏を出発すれば、夕方には(渭水の流れに乗って、敵地となった)長安につくのだ。 *そのように彼我の間は間近なのに、どうして我が王師は発せようとしないのか。 ・旦:あさ。あした、日の出の時刻。 ・發:出発する。 ・寶鷄:長安の街に北辺を流れる渭水(渭河)の上流(西)二百キロメートルの地にある。現・陝西省西部の宝鶏市。金と南宋の最前線の地。最前線の闘いのあった大散関のすぐ近くになる。 ・暮:ゆうがた。 ・長安:漢民族が長期に亘って首都とした街。当時は、金国の領土となっていた。現・西安。宝鶏と長安とは渭河の上流(西側)と下流(東側)の関係にある。



◎ 構成について

韻式は「AAAAAAABBBB」。換韻であり、A韻の部分は、周囲の情景を述べており、B韻のところは、作者の決意を述べている。韻脚は「長堂腸霜黄郷 盤寒看安」で、平水韻下平七陽。上平十四寒。次の平仄はこの作品のもの。

     ○○○○○●○,
    ○○●●○○○。(韻)
    ○○●●○○●,
    ○●●●●○○。(韻)
    ○●○○●○●,
    ●○●○○●○。(韻)
    ●○●●●◎●,
    ●●●●○○○。(韻)
    ○○●●●○●,
    ○○●○●●○。(韻)
    ○○○●●●●,
    ●●○●○○○。(韻)
    ●○●○○●○,(韻)
    ○●●○○●○。(韻)
    ●○●●○●◎,(韻)
    ●●●○●○○。(韻)


2005.4.3
     4.4

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