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漢詩 夜遊宮
            

            
        南宋 陸游


        記夢寄師伯渾
雪曉淸笳亂起。
夢遊處、
不知何地。
鐵騎無聲望似水。
想關河,
雁門西,
靑海際。


睡覺寒燈裏。
漏聲斷、
月斜紙。
自許封侯在萬里。
有誰知,
鬢雖殘,
心未死。


    **********************

      夜遊宮
           
夢を記して師伯渾に寄す

雪の曉  淸(ものさび)しき 笳  亂れ起き。
夢に 遊びし 處、
知らず  何
(いづこ)の地なるかを。
鐵騎  聲 無く  望めば 水に似たり。
想ふに  關河は,
雁門の 西,
靑海の 際
(ほとり)ならん。


睡りより 覺めれば  寒燈の 裏
(もと)
漏聲  斷
(た)え、
月  紙に 斜めなり。
自ら許す  侯に封ぜらるるは  萬里に 在り。
誰か知る  有らんや,
鬢 殘
(そこな)はると 雖も,
心 未だ 死せざるを。


             ******************
私感訳注:

※夜遊宮:詞牌の一。詞の形式名。仄声韻一韻到底。詳しくは「構成について」を参照。この作品は、上片で夢路を辿り、金との戦闘の前線へ行き、下片では、夢から覚めて、寂寞とした現実世界に引き戻され、誰にも分かってもらえない思いを訴えている。この作品は、夢の世界で遊ぶわけで、夜遊宮という詞牌は、題のようにもとれる。本意(本義)に近いと見てもよいだろう。
※記夢:夢を記す。
※寄:詩文などを相手に送ること。
※師伯渾:南宋の愛国隠士。陸游が嘗て赴任の途上、師伯渾と知り合い、交際があった。
※雪曉:雪の朝。
※淸笳:物寂しげな胡笳の調べ。清:静かである。寂しい。ここでは、きよらかな、という意味はない。笳:葦笛。胡人が吹くといわれる。岑参の詩に「君不聞胡笳聲最悲,紫髯綠眼胡人吹。」とあるが、胡笳は異郷を表す重要なアイテム。
※亂起:あちらこちらで、不揃いに聞こえ出すこと。
※夢遊處:夢路で辿りついたところ。
※不知:分からない。 ・不知+何…:【「不知」+「何處」】で、「…かしら」(どこに…しよう(/したの)かしら)の意で、推量の趣を持った弱い疑問表現。【「不知」+「何處」】【「不知」+「諸」】【「不知」+「乎」】【「不知」+「與」】 或いは【「不識」+「何處」】【「不識」+「諸」】【「不識」+「乎」】【「不識」+「與」】 「…かしら」(どこに…しよう(/したの)かしら)の意で、推量の趣を持った弱い疑問表現。盛唐・李白の『客中行』に「蘭陵美酒鬱金香,玉碗盛來琥珀光。但使主人能醉客,
不知何處是他鄕。」とあり、中唐・李益の『夜上受降城聞笛』に「囘樂峯前沙似雪,受降城外月如霜。不知何處吹蘆管,一夜征人盡望鄕。」とあり、唐・岑參の『碩中作』に「走馬西來欲到天,辭家見月兩囘圓。今夜不知何處宿,平沙萬里絶人烟。」とあり、北宋・蘇軾の『水調歌頭』に丙辰中秋,歡飮達旦,大醉,作此篇,兼懷子由。「明月幾時有?把酒問靑天。不知天上宮闕,今夕是。我欲乘風歸去,又恐瓊樓玉宇,高處不勝寒。起舞弄淸影,何似在人間!   轉朱閣,低綺戸,照無眠。不應有恨,何事長向別時圓?人有悲歡離合,月有陰晴圓缺,此事古難全。但願人長久,千里共嬋娟。」とあり、唐・張汯の『怨詩』に「去年離別雁初歸,今歳裁縫螢已飛。狂客未來音信斷,不知何處寄寒衣。」とあり、唐・崔護の『題都城南莊』に「去年今日此門中,人面桃花相暎紅。人面不知何處,桃花依舊笑春風。」とあり、唐・岑參の『碩中作』に「走馬西來欲到天,辭家見月兩囘圓。今夜不知何處宿,平沙萬里絶人烟。」とあり、南宋・張孝祥の『念奴嬌』「過洞庭「洞庭青草,近中秋、更無一點風色。玉鑑瓊田三萬頃,著我扁舟一葉。素月分輝,明河共影,表裏倶澄澈。悠然心會,妙處難與君説。   應念嶺海經年,孤光自照,肝肺皆冰雪。短髮蕭騷襟袖冷,穩泛滄浪空闊。盡吸西江,細斟北斗,萬象爲賓客。扣舷獨笑,不知今夕。」とある。
※何地:どこの場所。
※鐵騎:よろいを着て武装した兵士の乗った軍馬。精鋭な騎兵。鉄馬。
※無聲:静かに。声も音もなく。
※望:みえる。
※似水:川の流れのように。
※想:想う。
※關河:関所と河。函谷関等と黄河。転じて戦場となる要害の地。山河。ここでは、夢路で辿りついた所の關河、要衝の地。
※雁門:関所の名。山西省にある。
※靑海:青海省にある青海湖。異郷の地。
※雁門西,靑海際:(夢で辿りついたところは)山西省の雁門の西の方で、青海湖のほとり。
※際:ほとり。
※睡覺:眠りから覚める。「睡覺」は、現代白話でshuijiaoと言い、「眠る」の意味でよく使われる基本単語だが、ここではshui jueと言うべきところで、「眠りより覚める」の意。要注意。
※寒燈裏:寂しい燈火の下で。寒々とした灯火の下で。寒夜の灯火の下で。裏:…の中で。
※漏聲斷:水時計・漏刻の水音も途絶えて。夜も更けて、水時計の水も涸れてしまったことをいい、夜が極めて更けていることを表している。
※月斜:月が西空に傾く。これも、夜が極めて更けていることを表している。
紙:(傾いた月の光が)窓の障子紙に射している。=窗=窓。
※自許:(古白話)自負するところがある。
※封侯:諸侯。諸侯に封ぜらること。功績を立てることを謂う。
※在萬里:遙かに離れたところ。
※有誰知:誰か知っている者がいようか。誰も知るまい。
※鬢雖殘:鬢はすたれ、だめになったといえども。残:そこなう。缺ける。日本語の用法では、「のこる」ことに重点が置かれているが、漢語(白話)の場合は「かける」ことに重点が置かれる。
※心未死:心意気は、まだ死んではいない。意気は、なおも軒昂である。

◎ 構成について
          双調。 五十七字。 仄韻一韻到底。韻式は「aaaa aaaa」。韻脚は「起地(去)水際(去) 裏紙里死」で、第三部上声、一部去声。 双調で、上片と下片の第一句のみ異なるが、その他の句の詞調は同じという換頭の好例である。
 
    
    ●○○●●,(韻)
    ●○●、
    ○○●。(韻)
    ●○○●○●。(韻)
    ●○○, 
    ●○○,
    ○●●。(韻) 
    

    ●○○●(韻)
    ●○●、
    ○○●。(韻)
    ●○○●○●。(韻)
    ●○○, 
    ●○○,
    ○●●。(韻) 



となる。
 
2001.3.10
     3.11
     3.12完
     3.13補
  

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