Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


渡遼水

王建

渡遼水,
此去咸陽五千里。
來時父母知隔生,
重著衣裳如送死。
亦有白骨歸咸陽,
營家各與題本鄕。
身在應無回渡日,
駐馬相看遼水傍。




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遼水を渡る       

遼水れうすゐを渡る,
ここを去ること 咸陽かんやう  五千里。
きたる時 父母 生をへだつと知り,
かさねて衣裳 い しゃうること  死を送るが如し。
た 白骨の咸陽かんやうに歸ることも有りて,
營家えい か  おのおの本郷ほんきゃうしるしてあたふ。
 まさに渡りて かへる日 無かるべきにれば,
馬をとどめて る  遼水れうすゐほとりに。

                      ****************


◎ 私感註釈

王建:中唐の詩人。(768年頃?~830年頃?)字は仲初。潁川(現・河南省許昌)の人。張籍と共に名をあげた。楽府詩や宮詞に長じており、『宮詞』百首は特に有名で、伝誦された。

※渡遼水:(中原の遙か北方、現・遼寧省を流れる)遼河(りょうが)を渡る。 *河朔三鎮の叛乱を謂うのか。 ・遼水:〔れうすゐ;liao2shui3○●〕遼河(りょうが)のこと。現・東北地区の南部を平野を貫いて流れる大河。現・内モンゴル自治区に源を発し、現・遼寧省を南西に流れて現遼東湾に注ぐ。拘柳河ともいう。『中国歴史地図集』第五冊 隋・唐・五代十国時期(中国地図出版社)50-51ページ「河北道北部」にある。唐・張籍の『征婦怨』に「九月匈奴殺邊將,漢軍全沒
遼水。萬里無人收白骨,家家城下招魂葬。婦人依倚子與夫,同居貧賤心亦舒。夫死戰場子在腹,妾身雖存如晝燭。」とある。

※渡遼水:(中原の遙か北方の)遼河(りょうが)を渡る。

※此去咸陽五千里:ここ遼河の畔(ほとり)を去ること五千里のところに(漢民族の故地)咸陽(かんよう)の都(みやこ)が(ある)。 ・此去:ここ(遼河のほとり)を去ること。 ・咸陽:渭水の北岸にある都会で、漢代には、渭城と呼ばれた。渭水を間にして、西南に長安(現・西安)と接する。現・陝西省中部。秦の始皇帝が都を置いた。『中国歴史地図集』第五冊 隋・唐・五代十国時期(中国地図出版社)40-41ページ「唐 京畿道 関内道」にある。ここでは、作者の故郷とみたいが、王建は潁川(現・河南省許昌)が故郷なのでそうではない。

※來時父母知隔生:出立(しゅったつ)の時、父母は、これが生死を隔(へだ)てる別れだと分かって。 ・來時:(故郷を離れて)来る時。 ・隔生:生死を隔(へだ)てる。

※重著衣裳如送死:改めて衣裳を着替えたのは、死者を送る時のようであった。 ・重著:着替える。 ・送死:死に目に会う。みとりをする。葬儀をとりしきる。

※亦有白骨歸咸陽:また、遺骨が咸陽(かんよう)の都に帰ることもあって。 ・亦:…も(また)。能(よ)く…。 ・白骨:風雨に晒(さら)されて白くなった骨。前秦・苻融の『企喩歌』「男兒可憐蟲,出門懷死憂。尸喪狹谷中,白骨無人。」や、王昌齢の『塞下曲』には「飮馬渡秋水,水寒風似刀。平沙日未沒,黯黯見臨。昔日長城戰,咸言意氣高。黄塵足今古,白骨亂蓬蒿。」があり、唐・李白『戰城南』「去年戰桑乾源,今年戰葱河道。洗兵條支海上波,放馬天山雪中草。萬里長征戰,三軍盡衰老。匈奴以殺戮爲耕作,古來唯見白骨黄沙田。秦家築城備胡處,漢家還有烽火然。烽火然不息,征戰無已時。野戰格鬪死,敗馬號鳴向天悲。烏鳶啄人腸,銜飛上挂枯樹枝。士卒塗草莽,將軍空爾爲。乃知兵者是凶器,聖人不得已而用之。」や、唐・張籍の『征婦怨』の「九月匈奴殺邊將,漢軍全沒遼水上。萬里無人收
白骨,家家城下招魂葬。婦人依倚子與夫,同居貧賤心亦舒。夫死戰場子在腹,妾身雖存如晝燭。」や、 晩唐・曹松の「澤國江山入戰圖,生民何計樂樵蘇。憑君莫話封侯事,一將功成萬骨。」がある。 ・歸:本来の居場所(自宅、故郷、墓所)へかえる。

※營家各與題本鄕:兵営では、各(おのおの)に本籍地を書き記(しる)して付けている。 ・營家:兵営の中心的な所。 ・題:(人に示すために)書く。 ・本鄕:本籍地。本貫。

※身在應無回渡日:この身は、当然ながら(生きて再び)遼河を渡って回(かえ)る日も無いことだろうから ・應:きっと。当然。 ・回渡日:(遼河を)渡ってかえる日。 ・回:かえる。

※駐馬相看遼水傍:馬をしばし駐(とど)めて、遼河の畔(ほとり)で見遣(みや)っている。  ・相看:…を見遣(や)る。 ・傍:ほとり。前出張籍の『征婦怨』「遼水の「-上」などと基本的には同義。平仄や押韻との関係で調節する。ここでは、韻脚でもある。

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◎ 構成について

 韻式は、「AAABBB」で、韻脚は「水里死 陽鄕傍」で、平水韻上声四紙、下平七陽。この作品の平仄は、次の通り。

●○●,(a韻)
●●○○●○●。(a韻)
○○●●○●○,
○●○○○●●。(a韻)
●●●●○○○,(B韻)
○○●●○●○。(B韻)
○●○○○●●,
●●○◎○●○。(B韻)

2008.10.18
     10.19
     10.20
     10.23



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