Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


春夢

唐・岑參


洞房昨夜春風起,
遙憶美人湘江水。
枕上片時春夢中,
行盡江南數千里。






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春夢

洞房どうばう 昨夜  春風しゅんぷう 起こり,
はるかにおもふ 美人  湘江しゃうかうの水。
枕上ちんじゃう 片時へん じ   春夢しゅん む うちに,
くす 江南かうなん  數千里。

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◎ 私感註釈

※岑參:〔しんじん;Cen2Shen1〕盛唐の詩人。開元三年(715年)〜大暦五年(770年)。南陽の人。安西節度使に仕え、当時西の地の涯までいった。ために、辺塞詩をよくする。蛇足になるが、岑參の「參」字は〔さん;can1〕〔しん;cen1〕〔じん;shen1〕とあるが、彼の名は〔じん;shen1〕になる(『中国大百科全書・中国文学 T』(中国大百科全書出版)。

※春夢:春の夜の夢。人生のはかないことの譬(たと)え。春の夜、南方の地にいる友人を思い偲び、夢に見てしまったという詩。 *この詩、相当艶めかしい詩ともとれるので、両方の解釈を示す。

※洞房昨夜春風起:奥深い(女性の)部屋で、昨夜、春風が起こった(ので)。(南方の洞庭湖では、昨夜、春風が起こったことだろう。) ・洞房:〔どうばう;dong4fang2●○〕奥深い部屋。婦人の部屋をいう。 *『全唐詩』((康煕揚州詩局本の写真版(上海古籍出版社 上巻の四百七十八ページ)では「洞房」を「洞庭」ともする。その場合は「洞庭湖」の意。晩唐・温庭筠は『酒泉子』で「花映柳條,閑向堺ハ池上。凭欄干,窺細浪,雨蕭蕭。   近來音信兩疏索,
洞房空寂寂。掩銀屏,垂翠箔,度春宵。」と使い、和凝は『江城子』で「初夜含嬌入洞房。理殘妝。柳眉長。翡翠屏中、親爇玉爐香。整頓金鈿呼小玉,排紅燭,待潘カ。」と使う。 ・房:へや。 ・昨夜:こうした表現では、この詩は翌朝作ったことになるが…。

※遥憶美人湘江水:遥か遠くから、すばらしい友人と(南方の河の)湘江(しょうこう)を思い出している。(旧友とは遠く隔たって、(南方の河の)湘江(しょうこう)を思い出している。) *『全唐詩』では、「遥憶美人」のところは「故人尚隔」を主として、「遥憶美人」ともする。 ・遥憶:遥か遠くから思い出す。 ・美人:賢人。理想の君主。また、美女。女官の名。ここは、表面上、前者の意で、暗に後者の意をもにおわす。 ・故人尚隔:「旧友とは遠く隔たって…」の意 ・湘江:〔しゃうかう;Xiang1jiang1○○〕湘水。現・湘江。湖南省を南から北へ貫流する川。現・広西チワン(壮)族自治区北東部の興安県の海陽山に源を発して洞庭湖に注ぐ流れで、南方の河の代名詞とも謂える大河。

※枕上片時春夢中:寝床で、少しのあいだ、春の夜の夢の中で。 ・枕上:寝床にいる時を謂う。また、枕辺(まくらべ)。枕もと。ここは、前者の意。 ・片時:〔へんじ;pian4shi2●○〕少しのあいだ。かたとき。寸刻。寸時。

※行尽江南数千里:(夢の中で、「美人湘江水」の地である)江南の数千里を彷徨(さまよ)い尽くした。 ・行尽:行き尽くす。歩き尽くす。充分に歩いて。北宋・晏幾道の『蝶戀花』に「夢入江南煙水路,
行盡江南,不與離人遇。睡裏消魂無説處,覺來惆悵消魂誤。   欲盡此情書尺素,浮雁沈魚,終了無憑據。卻倚緩弦歌別緒,斷腸移破秦箏柱。」とある。 ・江南:〔かうなん;jiang1nan2○○〕中国南部の主として下流の長江以南を謂う。温暖で風光明媚な豊饒の地。


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◎ 構成について

韻式は、「aaa」。韻脚は「起水里」で、平水韻上声四紙。この作品の平仄は、次の通り。

●○●●○○●,(韻)
○●●○○○●。(韻)
◎●●○○●○,
○●○○●○●。(韻)
2010.12.17
     12.18



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