Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


春日憶李白
                                                  

     唐・杜甫

白也詩無敵,
飄然思不群。
清新庾開府,
俊逸鮑參軍。
渭北春天樹,
江東日暮雲。
何時一尊酒,
重與細論文。





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春日 李白を憶ふ   

(はく)や  詩に 敵 無く,
飄然(へうぜん)  思ひ (ぐん)ならず。
清新(せいしん)なるは  ()開府,
俊逸(しゅんいつ)なるは  (はう)參軍。
渭北( ゐ ほく)  春天(しゅんてん)の樹,
江東(かうとう)  日暮(にち ぼ )の雲。
(いづ)れの時か  一尊(いっそん)の酒,
(かさ)ねて(とも)に  (こま)やかに(ぶん)を論ぜん。



               ****************





◎ 私感註釈

※杜甫:盛唐の詩人。712年(先天元年)〜770年(大暦五年)。字は子美。居処によって、少陵と号する。工部員外郎という官職から、工部と呼ぶ。晩唐の杜牧に対して、老杜と呼ぶ。さらに後世、詩聖と称える。鞏県(現・河南省)の人。官に志すが容れられず、安禄山の乱やその後の諸乱に遭って、流浪の一生を送った。そのため、詩風は時期によって複雑な感情を込めた悲痛な社会描写のものになる。

※春日憶李白:春の日に、李白を思い出す。 *当時、李白は天下の大詩人であったが、杜甫は無名の人物であり、その関係がこの詩の描写にも現れている。李白が杜甫を詩に詠む回数に比べ、杜甫が李白を詩に詠む回数の方がはるかに多いのも、その間の事情に因る。李白は『魯郡東石門送杜二甫』「醉別復幾日,登臨偏池臺。何時石門路,重有金樽開。秋波落泗水,海色明徂徠。飛蓬各自遠,且盡手中杯。」で、杜甫を詠う。 ・憶:思い出す。思う。 ・李白:盛唐の詩人。字は太白。自ら青蓮居士と号する。世に詩仙と称される。701年(嗣聖十八年)〜762年(寶應元年)。西域・隴西の成紀の人で、四川で育つ。若くして諸国を漫遊し、後に出仕して、翰林供奉となるが高力士の讒言に遭い、退けられる安史の乱では苦労をし、後、永王が謀亂を起こしたのに際し、幕僚となっていたため、罪を得て夜郎にながされたが、やがて赦された

※白也詩無敵:李白よ、(あなたの)詩は無敵であって。 ・白:前出・李白のこと。 ・也:…や。呼びかけの語気を示す。文中、文末に置く助字で、詠嘆の形式。『論語』雍也篇に「子曰:『
!回。一箪食,一瓢飮,在陋巷。人不堪其憂,不改其樂。!回。』」とある。

※飄然思不群:俗事にこだわらない思いは、群を抜いている。 ・飄然:〔へうぜん;piao1ran2○○〕俗事にこだわらないさま。世間離れしていて捉えどころのないさま。また、ふらふらとして居所が定まらないさま。ここは、前者の意。後世、晩唐・杜牧の『張好好詩』で「君爲豫章,十三纔有餘。翠当P生尾,丹葉蓮含。高閣倚天半,章江聯碧虚。此地試君唱,特使華筵鋪。主公顧四座,始訝來踟蹰。呉娃起引贊,低徊映長裾。雙鬟可高下,纔過青羅襦。乍垂袖,一聲雛鳳呼。繁弦迸關紐,塞管裂圓蘆。衆音不能逐,穿雲衢。主公再三嘆,謂言天下殊。贈之天馬錦,副以水犀梳。龍沙看秋浪,明月遊東湖。自此毎相見,三日已爲疏。玉質隨月滿,艷態逐春舒。絳唇漸輕巧,雲歩轉虚徐。旌旆忽東下,笙歌隨舳艫。霜凋謝樓樹,沙暖句溪蒲。身外任塵土,樽前極歡娯。
飄然集仙客,諷賦欺相如。聘之碧瑤佩,載以紫雲車。洞閉水聲遠,月高蟾影孤。爾來未幾歳,散盡高陽徒。洛城重相見,爲當。怪我苦何事,少年垂白鬚。朋遊今在否,落拓更能無。門館慟哭後,水雲秋景初。斜日挂衰柳,涼風生座隅。灑盡滿襟涙,短歌聊一書。」と使われる。 ・不群:〔ふぐん;bu4qun2●○〕群を抜いている。非常にすぐれている。ぬきんでている。=抜群。

※清新庾開府:爽(さわ)やかで新鮮さでは、庾(ゆ)開府(のようで)。 ・清新:爽(さわ)やかで新鮮である。すがすがしい。新鮮でいきいきしている。 ・庾開府:庾信(ゆしん;Yu3 Xin4)のこと。南北朝の梁/西魏/北周の人。字は子山。江陵の人。513年〜581年。十五歳で南朝・梁の昭明太子(『昭明文選』の編者)に仕えた。後、元帝の命で西魏に使いするが、その時に江陵は西魏軍に攻め落とされ、元帝も殺され、帰るところが無くなり、西魏に仕え、後には、北周に仕えた。使した際、留められ、その後梁が滅亡したため、そのまま北周に仕えた。驃騎将軍、
開府儀同三司となった。庾信に『寄王琳』「玉關道路遠,金陵信使疏。獨下千行涙,開君萬里書。」がある。 ・開府:官名に基づく呼称。地方長官の総督、巡撫などを謂う。

※俊逸鮑参軍:才智がすぐれてずばぬけているさまは、鮑(ほう)参軍(のようである)。 ・俊逸:〔しゅんいつ;jun4yi4●●〕才智がすぐれてずばぬけている。人にぬきんでている。 ・鮑参軍:鮑照(はうせう;Bao4 Zhao4)のこと。南朝/六朝・宋(=劉宋)の時代に荊州前軍の参軍に任じられたので、こう呼ばれた。 ・参軍:官名。刺史の属官で、事務長にあたる。州や郡に属し、軍事に参与した。

※渭北春天樹:(わたし=杜甫は、)渭北(=長安近郊)にいて、春の空に聳える木々(の彼方の江東にいるあなた(=李白)と夕焼け雲を望もうとしており)。この「渭北
,江東暮雲」は、「春樹暮雲」、「暮雲春樹」といった成語となり、「遠方にいる友人をしのぶこと」を謂うようになる。 ・渭北:〔ゐほく;Wei4 bei3●●〕渭水の北。作者・杜甫のいる長安一帯を謂う。「渭水」は、現在の渭河で、甘粛省の渭源県に源を発し、陝西省中央部を通り、長安の北を流れ、潼関の東方で黄河に合流する大河

※江東日暮雲:(あなた=李白は、)長江の下流の江東にいて、日暮れ時の夕焼け雲(の下から渭北の長安を望んでいることでしょう)。 ・江東:長江の下流(安徽省東南部・江浙省)一帯。ここでは、李白のいるところ。 ・日暮雲:「日暮れ時の雲」の意であるが、単に夕刻の情景描写だけではなく、置かれている境遇や心境をも推測した表現。

※何時一尊酒:いつか、一杯の酒(を酌み交わしながら)。 ・何時:いつ。≒何日。「何日…」と表現すれば、「日」字は、すぐ前で「江東
暮雲」と出て重なるので、これを避けた。 ・一尊酒:(/一樽酒)一杯(だけ)の酒。徳利(お銚子)一本だけの分量の酒。 ・樽(/尊):〔そん;zun1○〕酒器。徳利(お銚子)。たる。=尊、吹B

※重与細論文:もう一度、(あなた)と細かく文学を論じ合い(たいものです)。 ・重:〔ちょう;
chong2○〕かさねて。 ・与:〔よ;yu3●多音字〕ともに(する)。いっしょに(する)。介詞。 ・細:つまびらかに。 ・論:〔ろん;lun4◎〕あげつらう。 ・文:ふみ。学問。芸術。

              ***********





◎ 構成について

韻式は、「AAAA」。韻脚は「群軍雲文」で、平水韻上平十二文。この作品の平仄は、次の通り。

●●○○●,
○○◎●○。(韻)
○○●○●,
●●●○○。(韻)
●●○○●,
○○●●○。(韻)
○○●○●,
○●●◎○。(韻)
2012.7.26
     7.27完
2013.5.10補
2015.1.25
     4. 9




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