Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye


陶淵明
陶潜
           
                    
              東晉 陶潛
形贈影
       

天地長不沒,
山川無改時。
草木得常理,
霜露榮悴之。
謂人最靈智,
獨復不如茲。
適見在世中
奄去靡歸期。
奚覺無一人,
親識豈相思。
但餘平生物,
舉目情悽
我無騰化術,
必爾不復疑。
願君取吾言,
得酒莫苟辭。

「ほしづきよ」の作者三上 仁氏よりいただきました、アンドロメダ座にある銀河です。
写真は「ほしづきよ」の作者三上 仁氏よりいただきました、アンドロメダ座にある銀河です。
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形贈影
                       
天地は  長へに 沒せず,
山川は  改まる時 無し。
草木は  常理を 得て,
霜露  之れを 榮悴さす。
人 最も靈智と  謂はるるも,
(ひと)り 復(ま)た  茲(か)くの如くあらず。
(たまた)ま  在世中に 見るも,
(にはか)に 去りて  歸期 靡(な)し。
(なん)ぞ 覺(さと)らん  一人の無(か)けしを,
親識  豈に 相ひ思はんや。
(た)だ 餘(あま)す  平生の物を,
目を 舉ぐれば  情ひ 悽たり。
我れに 騰化の術 無ければ,
必ずや爾
(しか)らんこと  復(ま)た 疑ははず。
願はくば 君  吾が言を 取り,
酒を 得なば  苟
(いやし)くも 辭する 莫(なか)れ。


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◎ 私感註釈

※陶潛:東晉の詩人。

※形贈影:「形」(肉体、実体)が「影」(かげ)に対して贈ったものとして詠っている。

※天地長不沒:天地は、永遠に不変であり。 ・天地:天と地。後出の「山川」と対になる。「山川」と比較すれば「天地」の方がやや抽象的な宇宙、世界の意になる。 ・長:永遠に。とこしえに。とこしなえに ・不沒:沈むことがない。

※山川無改時:山や川は、その姿を変えることはなく、恒久的なものである。 ・山川:山や川。山と川。「天地」に比べ、より具体的な自然界を謂う。 ・無改時改まる時がない。

※草木得常理:草や木は、不変の法則に則って。 ・常理:不変の法則。

※霜露榮悴之:厳しい季節に降りるシモや、恵みのツユは、(草木を)栄えさせたりやつれさせたりする。(草や木は、大自然の摂理に従って)、秋に枯れては、春には芽吹くということを繰り返している。 ・霜露:厳しい季節に降りるシモや、恵みのツユ。 ・榮悴:栄えさせたりやつれさせたりする。繰り返し。恒常。 ・之:これ。前出「草木」を指す。

※謂人最靈智:人は、万物の霊長といわれているが。 ・謂:…といわれている。 ・人:人類。 ・最靈智:万物の霊長。最高の存在。最も賢いもの。

※獨復不如茲:ただ(人)だけが、そう(天地、山川のように永遠に不変、また、草木のように再生するもの)ではない。人間だけは、やがては死んで、滅んでいくものであり、再び返ってこないものである。 ・獨:ただ…だけ。 ・復:また。もはや。二度と。いったい。事実上、語調を整える働きをしている。 ・如茲:そのようである。 ・茲:これ。かく。永遠不滅の存在。前出「天地長不沒,山川無改時。草木得常理,霜露榮悴之。」を指す。

※適見在世中:ほんのこの前、たまたま、世に在る時(元気なとき)にお会いした(ことがあったが)。ほんのちょっと前に、お元気で活躍されている姿にお目にかかったが。 ・適見:たまたま、見かける。 ・適:たまたま。たまに。偶然。まさに。ちょうど。 ・見:会う。おめにかかる。みえる。動詞。 ・在世中:生きている時。世に在る時。

※奄去靡歸期:(昨日まで元気だった人も)急逝してしま(えば)、この世に戻ってくる時が無い。 ・奄:〔えん;yan3〕たちまち。にわかに。急に。 ・去:さる。ここでは、死去のことになる。 ・靡:無い=無。 ・歸期:前後の意味から考えると、「(一旦死んだ者が)この世に戻ってくる時」「甦る時」になるが、文字からだけの判断では「死ぬ時」「死期」にもなる。漢の『樂府』の『薤露歌』「薤上露,何易晞。露晞明朝更復落,人死一去
何時歸。」 ここは生き返るの意。後世、杜甫もよく「歸期」を使うが、「終日憂奔走,歸期未敢論。」と、やはり、「帰還する時」の意で使うのが多い。

※奚覺無一人:一人だけ缺けて、いなくなっていることを、誰が意識して気づいてくれようか。日常生活を送っている生きている者は、(死んでしまって)一人いなくなった人のことを、どうしていつまでも意識していようか。 ・奚:〔けい;xi1〕なんぞ。なんすれぞ。いづくんぞ。疑問、反語を表す。 ・覺:気づく。自覚する。意識する。 ・無一人:一人だけ缺けていること。一人だけいないこと。 ・無:缺ける。足らない。

※親識豈相思:親戚や友人(であって)も、どうして(いつまでも)思いしのんでくれようか。 ・親識:親戚や相識。親類や友人。 ・豈:あに。どうして。反語。 ・相思:(死者を)思いしのぶ。…を思う。「相」は、動作が対象に及んでくる時に使う。「相互」の意味はない。

※但餘平生物:ただ、死者が生前使っていた物だけが残っているだけである。  ・但:ただ…のみ。 ・餘:のこす。あます。「遺」。 ・平生物:生前(使っていた)物。

※舉目情悽:(遺された、生前使っていた物を)見つめていると、思いは(いっぱいになり、鼻水が流れるほどひどく泣けてくるほどに)悲しく寂しい。 ・舉目:眼を挙げて見る。目を(大きく)見開く。見つめる。また、目の届く限り。ここは、前者の意。 ・悽:悲しく寂しい。 ・〔じ;er2〕(涙を流して)鼻水が流れるほどひどく泣く。鼻をすすりながら泣く。

※我無騰化術:わたしは、(永遠の生命を得る)仙術を知らない(ので)。 ・騰化術:天に舞い上がる術。仙術。天仙となる方術。人に必ず訪れる、死というものを超越した仙人となる方法。

※必爾不復疑:きっと、そう(「奚覺無一人,親識豈相思。但餘平生物,舉目情悽」と)なることは、絶対に疑いないことだ。死が訪れ、やがて人々は、わたしを忘れ去ってしまうことは、疑いのないことだ。 ・必:きっと。かならずや。 ・爾:そうである。しかる。 ・不復:二度と…ない。絶対に…ない。ここでは、「不疑」の意で使われている。前出に「復不」があるが、用法から見れば「必爾不復疑」(必爾・不〔復〕疑)、「獨復不如茲」(獨〔復〕・不 如茲)の「不復」「復不」は、全面否定/部分否定の用法ではない。ともに、ただの「不」の意で、「復」は語調を整える働きになっていよう。

※願君取吾言:ねえ、貴君(「影」)よ。どうかわたし(「形」)の言うことを理解して聞き届けてほしい。(それは「得酒莫苟辭」だ)。 ・願君:ねえ、貴君(「影」)よ。貴君(「影」)に(以下のことを)お願いするが。 ・君:『形贈影』という詩題からすると、「形」から「影」に贈ったもので、「君」とは相手側の「影」になる。 ・取吾言:わたし(「形」)の言うことを聴き入れて(ほしい)。わたし(「形」)の言うことを理解して(ほしい)。 ・吾:わたし。ここでは、肉体のことになる。「形」がこの詩を作って、「影」に贈ったものなので、この「吾」は「形」のことになる。
※得酒莫苟辭:もしも、酒が手に入ったら、辞退するなかれ。死の憂い(千載憂)からしばし逃れるための酒が手に入ったら、辞退しないでほしい。 ・得酒:酒を手に入れた(ら)。 ・莫:…なかれ。 ・苟:〔こう;gou3〕かりそめにも。かりにも。万が一。いやしくも。 ・辭:辞退する。動詞。

               ***********



◎ 構成について

韻式は「AAAAAAAA韻。平韻一韻到底。韻脚は「時之茲期思疑辭」。平水韻で見れば「上平四支(之時辭期疑思茲斯)になる。この作品の平仄は次の通り。

   
○●○●●,
   ○○○●○。(韻)
   ●●●○●,
   ○●○●○。(韻)
   ●○●○●,
   ●●●○○。(韻)
   ●●●●○,
   ●●○○○。(韻)
   ○●○●○,
   ○●●○○。(韻)
   ●○○○●,
   ●●○○○。(韻)
   ●○○●●,
   ●●●●○。(韻)
   ●○●○○,
   ●●●●○。(韻)
   

2003. 5.19
      5.20
      5.21完
2006.11.26補
     11.27
2020. 8.22   

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