1980
1988 LIFE IN THE MODERN WORLD
1987 THE GOOD AND BAD TIMES
1984 GHETTO BLASTER
1982 ROYAL JAM
1981 音楽界LIVE IN JAPAN
1981 STANDING TALL
1980 RHAPSODY AND BLUES
CONSEPT PROFILE DISCOGRAPHY LINK BBS
STANDING TALL STANDING TALL ←back next→
男のロマン
1981 MCA Records

えーッ、こうやってクルセイダーズのアルバムを時系列て追っていきますってぇーと、いつかボルテージが落ちるんじゃないかとつい思ってしまいます。エクスタシーは長くは続かないもの、一旦アクメに昇り詰めりゃ、下降線を辿るもの。そう懸念して、今回のアルバム「STANDING TALL」を聴いたんですが、全くの杞憂でしたネ。
オリエンタルなムードで始まる「STANDING TALL」、昔よく巡業でやってきた曲芸団のサーカス小屋、余興で演じられる手妻師の幻術に幻惑されるように、あれよあれよという間にクルセイダーズマジックに乗せられて、目を閉じれば、壮大な男のロマンを思い描いているという仕儀。
2曲目の「I'M SO GLAD I'M STANDING TODAY」。ジョーコッカーが髪振り乱し、金八先生風にコブシを効かせて渾身のシャウト。「この馬鹿チンが、ボロは着てても心は錦たい!」、マグマが噴出してきそうなほど力が涌き出てくる。このエネルギッシュな佳曲には、思いますに、79年にクルセイダーズがジョイントしたあのBBキングとの一大セッションが重要な伏線となっているはず。
アルバム「TAKE IT HOME」で見事なまでにクルセイダーズとマッチして男の激情がほとばしります。とりわけ「SAME OLD STORY」。シャウトするBBキングの歌声を聴きながらふと脳裏に浮かんだのは誰あろう、あの「ガルシャの首」のウォーレン・オーツ。漆黒のサングラスを掛けて単身殴りこむウォーレンオーツ。そして、あの「ワイルドバンチ」でペッキンパー監督お得意のスローモーションタッチで活写される銃弾に蜂の巣状態のオーツ。映画でシャウトするウォーレンオーツの雄姿にWって、クルセイダーズ魂が怒涛の如く押し寄せ、男心を揺さぶります。
実際このアルバム、クルセイダーズ風「男の情唄」のような気がしてなりません。最後のウィルトンフェルダーのサックスむせび泣く「REPRISE」に至るまで、「シャウト」「恋情」「泣き」の文字通り「REPRISE」で、男心を高揚させていきます。ここで又ウォーレンオーツ同様にどうしても思い出しますのは、映画「リベンジー」。今は亡き名優アンソニークインの裏切られた男の「泣き」と、最後にケビンコスナーが流す悲恋の涙が、クルセイダーズ快心の情唄に彩られながら記憶のスクリーンに蘇ってくるのでした。
今回のアルバム、間違い無く感情が勃起します。


SIDE ONE
1 STANDING TALL
2 I'M SO GLAD I'M STANDING HERE TODAY
3 SUNSHINE IN YOUR EYES
SIDE TWO
1 THIS OLD WORLD'S TOO FUNKY FOR ME
2 LUCKENBACH TEXAS
3 THE LONGEST NIGHT
4 REPRISE