「失われた10年」の闇を切り裂くアコースティック・ギター戦慄の一太刀。はじける弦の轟き。甦るクルセイダーズ・サウンドの彼方から、あの人斬り五郎の圧倒的な迫力で、客人Eric Claptonが斬り込んでくる「Rural Renewal」。なるほど復活一曲目のギターはこの人でなければならなかったと納得できる渾身の力技。
10年の空白を打ち砕かんばかりのパワーで炸裂するご存知Stix Hooperのドラム・アクション。硬直しきったハートと筋肉に針灸のように突き刺さってくる、感性の整体師Joe Sampleのフェンダー・ローズの珠玉の一音一音。どれもこれもが手に汗握る闘魂スタイルで繰り広げられる男たちの世界。
はしなくも脳裏に浮かぶのは、黄泉の世界から甦るスクリーン傍役の男たちの群像。小池朝雄、成田三樹夫、室田日出男、青木義郎、内田良平・・・
それぞれの曲に刻み込まれた男気の年輪。全てが、その全てがあのクルセイダーズ。
そして、そして「Goin' Home」。終始一貫クルセイダーズの看板をひたすら背負ってきたWilton Felderの人柄そのままに、そよ風とテキサスの香り漂う文字通りルーラルで、心温まる「おらが故郷」の哀歌。思わず「ありがとうクルセイダーズ」と熱いものがこみ上げてくるのでした。
追伸/これまでのジャケの中でも随一と言える今回のセピアカラーのジャケ写真を担当したのは誰あろうWilliam Claxton。それにLyricsは毎度のWill Jennigs、でも解説に歌詞が付されてないのが残念!
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