みずから作曲したクルセイダーズ往年の名曲「Youg Rabbits」を「Younger Rabbits」に、
「Scratch」を「Scratch It」に、そして言葉遊びに「Street Life」(Joe Sample作曲)を「Streetwize」に
戯画化してシャレのめしてみせたWayne Hendersonは怖れを知らない乱暴者でしょう。
実質4年ぶり、久々に放ったWayne Hendersonの一矢は、懸念した衰えを吹っとばすほどで、
「Kick THE JAZZ」アルバムジャケットに
如実なように、まさに靴底が抜けるほど豪快奔放な快作です。
「Keep That Same Old Feelin'」も甦り、「Refrectins Of The Sun」はいかにもWayne Hendersonらしい
バラッド。
この変幻自在の、ファンキーという表現がぴったりのWayne Hendersonのトロンボーンの
醸しだす雰囲気には確かにクルセイダーズ特有の空気感があります。
しかしそこに盟友Wilton Felderがいないのはどうしたことでしょう。
私見ですが13曲は飽食過ぎます。前半から半ばにかけてのウェイン流のファンキー色が痛快なだけに
「Time Is Runnin' Out」までの9曲、腹八分でとどめて欲しかった、なんてわがままをつい言いたくなるのは、
勿論、Wayne Hendersonが大好きだからです。
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