見よこのグルーブを、このウネリを、この感情の高まりを。「I Felt Love」、このラブリーなSTIX HOOPERの佳曲が、開幕一番アグレッシブに燃えさかります。甘い恋物語を足蹴にしてホーン二重奏が雄叫びする。愛も友情も剛腕な激情の抱擁の中でこそ芽生えるもの、甘ったれたセンチメンタリズムなんてくそ喰らえ。肩で風切って闊歩する用心棒さながらにRay Parkerが斬り込んでいくところなんざ、もう迫力満点。
「Creepin'」はクールなノワールの世界への招待状。暗黒街、怪しい仲買人が跳梁跋扈する闇夜の街路地を、不良性感度抜群のサウンドが蛇行しながらはいずりまわる。マッスル・ヒートに拍車がかかります。
3曲目はムーディーな「It Happens Everyday」、続いてアクションプレイの「Shotgun House Groove」、武闘派ファンキー魂が炸裂する「Carnival Of The Night」、そしてあのボクシングヘビー級チャンピオン・ジョールイスへのSampleの想いが力強い鍵盤タッチに宿る「Ballad For Joe」とまさに間然するところない映画的構成の妙。
ここで「Way Back Home」が流れるや、ほとんど恍惚の絶頂状態。エンディングは「Put It Where You Want It」とくれば、ハートは放心、侠気汁びしょびしょで、おいおいここまで熱くなって良いの!って、熱情プレイに圧倒される有様。またしてもここに生の雰囲気を満喫できるLIVEの名盤が誕生しました。まだまだクルセイダーズは若い。
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