のっけから飛び切り粋の良いサウンド「GIVE PEACE A CHANCE」。
思わず、ヨッお若い!と合いの手を入れたいほど若々しさが横溢、アルバムのそこかしこに男根の息吹きと高揚を感じます。
2曲目は「I Think It Was A Dream」。そぼ降る雨に濡れ、ぬめるように黒光りするアスファルト、舗道に映えるネオンサイン、それを踏み歩く色とりどりのシューズやハイヒールの群れ。恋人たちの夜が始まる黄昏時の、なんともエロティックなひと時。聴きながらふとそんな光景を思い浮かべましたヨ。
「Black Bird」、「The Thrill Is Gone]も、唸るほど二重丸の元気印。スティックス・フーパーのドラム、シンバルの高鳴りがすこぶる良いですヨ。
初見参のベース奏者BUSTER WILIAMSもなかなかリキ入ってますネ。
B面は打って変わってスタティックなモダンジャズの風情。筋肉にすぐに染入るほどファンキーじゃないけれど聴くほどにジワーと舌になじんできて、尾篭ですがトイレで用を足しながらでも鼻歌まじりに口ずさむようになればしめたもの。
今回のアルバム、まず何といっても若々しさに満ち溢れ、心地よい泥臭さで、これっぽっちもソフィストケートされてないのが実に好印象、やくざなファンキーっぽさを匂わせ、酢昆布みたいに噛めばかむほど味が出ます。要するにクセになる味です。
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