Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye



                       
                    

     奉懷南海先生星加披兼敦請東渡

                     
梁啓超

不道桃源許再來,
舊時魚鳥費疑猜。
風吹弱水蓬莱近,
春逐先生杖囘。
萬事忘懷惟酒可,
十年有約及櫻開。
何時一舸能相即,
已剔沈槍掃綠苔。



******

南海先生を 星加披に 懷ひ奉り  兼
(くは)へて 敦(あつ)く 東渡を 請ふ                
桃源  再來を許すと 道(い)はざれど,
舊時の 魚鳥  疑猜を 費す。
風は 弱水  蓬莱を吹きて 近く,
春は 先生の 杖を 逐ひて  囘
(めぐ)る。
萬事 忘懷  惟
(た)だ酒のみ 可にして,
十年 約 有り  櫻の開くに 及ぶと。
(いづ)れの時か  一舸  能(よ)く 相ひ 即さん,
(すで)に 沈槍を 剔して  綠苔を 掃へり。

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◎ 私感註釈

※梁啓超:清末・民国初期の政治家・思想家。1873年(同治十二年)~1929年(中華民国十八年)。字は卓如。号は任公、飮冰室主人。広東省新会の人。康有為に師事し、立憲君主制を主張、維新を目指し戊戌変法に参与したが百四日で失敗(戊戌政変)、日本に亡命した。日本語文献を通じて西洋ブルジョアジーの新しい社会・政治・経済・哲学・歴史などの理論を紹介した。民国時代は、司法総長などを歴任した。

※奉懐南海先生星加披兼敦請東渡:康南海先生がシンガポールにいることを懐かしく思い起こし、さらに、日本に来られることを請う。 *当時、梁啓超は日本に亡命していた。シンガポールに流寓している康有為に、来日を勧誘した詩。康有為 、譚嗣同 、また、張之洞にも詩作あり。 ・奉:おやうやしく…。敬語。 ・懐:思う。(なつかしく)おもいだす。 ・南海先生:康有為のこと。南海は彼の称、号。これにに因んだ『康南海詩集』がある。康有為は、1858年(咸豊八年)~1927年(民国十五年)原名は祖詒、字は広廈(廣廈)、号は長素、更生。世に康南海、南海先生と称されている。変法を主張し、国外に亡命、各国を遍歴するが、やがて帰国。共和制には反対する。 ・星加披:シンガポール。当時の康有為の亡命先。・兼:くわうるに。 ・敦:あつく。 ・請:こう。 ・東渡:日本に来ること。中国から言って、東の方の日本に渡って行くこと。

※不道桃源許再來:桃源郷にもう一度訪れることが許されるとは、言われていないが(ここ、日本は現在の桃花源で、訪れることができるのだ)。 ・不道:言わない。 ・桃源:桃花源。桃源郷。理想郷。『桃花源記』「晉太元中,武陵人捕魚爲業,縁溪行,忘路之遠近,忽逢桃花林。…」に表される世界。 ・許:ゆるす。桃源郷から戻った人物が太守にいきさつを申し出たところ、「太守即遣人隨其往,尋向所誌,遂迷不復得路。南陽劉子驥,高尚士也。聞之欣然規往。未果,尋病終。後遂無問津者。」と、桃源郷へは二度と再び行けなかったことをいう。 ・再來:再来する。もう一度訪れる。ふたたびめぐってくる。

※舊時魚鳥費疑猜:昔の(桃源郷のような日本の)鳥や魚は、疑っている(、どうして来ないのかと)。 ・舊時魚鳥:(『桃花源記』に出てくる)晋の太元中の頃の鳥や魚は、疑っている。桃源郷のような日本の鳥や魚(は、疑っている)。ここでは桃源郷のような日本の生活、日本の環境をいう。 ・費:ついやす。つかう。かかる。 ・疑猜:うたがい。猜疑。押韻のため「猜疑」を「疑猜」とする。

※風吹弱水蓬莱近:風は、弱水(から)蓬莱へと吹いて、近いところにある。「風は 弱水  蓬莱を吹きて 近く」意味によっては「風は 弱水を吹きて  蓬莱 近く」 ・風吹:風は…に吹き。 ・弱水:北流して内モンゴルに消える川。黒河。東流して、東海に注ぐのが一般的な中国にあって、北流する。甘肅省西部の張掖県を貫流する。 ・蓬莱:本来は勃海にある神仙が住むと謂われる島。ここでは、日本の意で使っている。
 ・近:ちかい。ここでは、「何」が「何」から「近い」のかと見ることにによって、大きく意味が変わる。「中国北方に吹いた風が日本に届くので、ここの地(日本)は、中国大陸から近い。」とみるのか、或いは、対句である「春逐先生杖履囘」の構成にならって、「風は(中国の)北狄、東夷日本に吹き到るので、ここの地(日本)は、中国大陸から近い。」となるのか。

※春逐先生杖囘:春は(貴兄の)ステッキと革靴(足取り)を追いかけて、かつて来たことがある日本へやってくることでしょう。 ・春逐:春は(あなたを)追いかけて。春は(あなたに)随って。 ・先生:あなたさま。康有為を指す。 ・杖:〔ぢゃうく;zhang4ju4〕つえとくつ。ステッキと革靴。 ・囘:もどる。めぐる。かえる。 春がめぐってくる。また、かつて来たことがある日本へもう一度足を運ぶ。かけことばでもある。

※萬事忘懷惟酒可:(鬱陶しい世の中の)あらゆる事を忘れるのは、ただ酒のみが可能であります。  ・萬事:あらゆる事。なすべき全ての事。何事も。 ・忘懷:忘れる。 ・惟:ただ。ただ…のみ(が)。 ・可:可能である。

※十年有約及櫻開:十年前に約束があったが、(それは)サクラが咲く時に間に合う(ということだった)。  *康有為の詩に「櫻花開罷我來遲,我正去時花滿枝。半歳看花住三島,盈盈春色最相思。」とあることに因る。 ・十年:十年になる。十年前に。 ・有約:約束があった。 ・及:およぶ。…になる。間に合う。 ・櫻開:サクラが咲く。

※何時一舸能相即:いつ、同じ船に乗って、ご一緒できるのだろうか。 *この聯の後半は、「已剔沈槍掃綠苔」となっており、中国へ帰国することを言っている。 ・何時:いつ。 ・一舸:同一の船。同じ船に乗って。同じ旅程で。 ・舸:〔か;ge3〕大きな船。 ・能:できる。かのうである。 ・相即:したがう。あとをおう。

※已剔沈槍掃綠苔:すでに名槍の綠沈槍をコケを削り取って、その間からほじくり出している。とっくに闘争の準備は整っている。蛇足になるが、「已剔沈槍」してから後に「掃綠苔」をするのではない。表現上の效果と制限のためにこうなった。この句と関聯がある白居易の『送王十八歸山』に「林間煖酒燒紅葉,石上題詩
掃綠苔。」の聯も時間関係は逆転して表現している。「酒を暖めて(から)、紅葉を焼く」のではない。同様に康有為の「半歳看花住三島」も「半年の間、花を見るために日本にとどまった。」のであるが、「半歳  花を看て  三島に住(とどま)る」が普通の読み方」になる。ただ、伝統的に文字順を尊重した読み下しが行われてきた経緯があるので、解釈時に時間順になおして考える必要がある。 ・已:すでに。とっくに。 ・剔:〔てき;ti1〕ほじくる。えぐる。取る。除く。 ・沈槍:精鉄の槍。「綠沈槍」の異名。杜甫『重過何氏五首』」に「頗怪朝參懶,應耽野趣長。雨抛金鎖甲,苔臥綠沈槍。」がある。  ・掃:一掃した。 ・綠苔:前出杜甫詩に因る。

               ***********



◎ 構成について

作品全体の韻式は「AAAAA」。韻脚は「來猜回開苔」で、平水韻上平十灰。この作品の平仄は次の通り。
   

●●○○●●○,(韻)
●○○●●○○。(韻)
○○●●○○●,
○●○○●●○。(韻)
●●○○○●●,
●○●●●○○。(韻)
○○●●○○●,
●●○○●●○。(韻)
   

2004.4.21
     4.25
     4.26

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