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詠日本刀
  德川光圀

蒼龍猶未昇雲霄,
潛在神州劍客腰。
髯虜欲鏖非無策,
容易勿汚日本刀。




 ******
日本刀(にっぽんたう)を詠ず

蒼龍 ()(いま)だ  雲霄(うんせう)に昇らず,
(ひそ)みて神州  劍客の腰に()り。
髯虜 (みなごろし)にせんと欲す  策 無きに非ず,
容易に (けが)す勿れ  日本刀。

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◎ 私感註釈

※徳川光圀:江戸前期の水戸藩主。寛永五年(1628年)~元禄十三年(1700年)。頼房の三男。字は子龍。号は梅里。幼名千代松。藩制創業を継ぎ、『大日本史』編纂、勧農政策を推し進めた。藩士の規律、士風の昂揚を図り、水戸学の精神の基礎を定めた。名君の誉れ高く、後世『水戸黄門漫遊記』がつくられた。

※詠日本刀:日本刀(=武)を(漢詩で)詠(うた)う。江戸時代の鎖国が完成し、通交はオランダと清に限定した時代で、イスパニア、ポルトガルの来航は禁止され、イギリスの商館も閉鎖され、日本側の海外渡航も禁止された。延宝元年(1673年)にはイギリスの通商要求を拒否した。また、元禄六年(1693年)には、朝鮮と鬱陵島問題が起こった。このような時代背景のある詩。 *この詩は平仄から見て、七古であって七絶ではない。(七絶と謂えないため、七古とカウントされる)。 ・日本刀:「日本刀」に借りて、「我が国の武威」を謂おう。

※蒼竜猶未昇雲霄:青色の竜は、いまだに大空に昇ることがなく。 ・蒼竜:青色の竜。想像上の動物。凶を表す。また、四神の一。二十八宿のうち、東方七宿の総称。 ・猶:いまなお。いまだに。なお。なお…ごとし。 ・昇:のぼる。 *龍は雲を得て天に昇ると云う。 ・雲霄:〔うんせう;yun2xiao1○○〕おおぞら。高空。

※潜在神州剣客腰:神州(日本)の剣術にすぐれた人の腰間に(日本刀となって)収まっている。 ・潜在-:…にひそんでいる、の意。 ・在:…に。 「在」は「神州剣客」に係る。 ・神州:ここでは、日本の美称。 ・剣客:剣術にすぐれた人。剣士。 ・腰:こし。刀の差すところ。腰間。

※髯虜欲鏖非無策:異国人を殲滅しようとする方策がないのでは決してない(が)。 *「髯虜欲鏖非無策」の句は、本来「欲鏖髯虜非無策」とするところを(この詩が七言絶句であるとすれば)平仄の都合で替えている。ここは「
●●○○○●●」とすべきところで、「欲鏖髯虜非無策」では「●○○●○○●」となり、不都合。そのため、「髯虜欲鏖非無策」とした。こうすれば、「○●○○○●」となり、可。(なお、第三字目がとなるが、(この詩が七言絶句であるとすれば)不論(=かまわない)。)なお、顛倒については平仄以外に、唐詩などでは句の頭に名詞句をもってくることも多い。以上のことは、この詩が七言絶句であれば謂えることだが、この詩は七言古詩となるので「平仄の都合上、このようになった」とは謂えない。とりわけ、前三句から第四句(=結句)へのかかわり方は、絶句のものではない。まだしも「蒼龍猶未昇雲霄,潛在神州劍客腰。欲鏖髯虜非無策,容易勿汚日本刀。」としていた方が失粘ではあるが七言絶句になる。 ・髯虜:〔ぜんりょ(ぜんろ);ran2lu3○●〕ひげづらのえびす。異国人・異民族のこと。 「髯」:ほおひげ。 「虜」:北方異民族に対する蔑称。敵に対する蔑称。えびす。ここでは「とりこ」の意はない。 ・欲:…たい。…よう。 ・鏖:〔あう;ao2○〕みなごろしする。たくさん殺す。 ・非無-:…がないのでは決してない。(必ず…ある)。

※容易勿汚日本刀:たやすく日本刀をえびすの血で汚(けが)すなかれ。(簡単に武力を用いないで、平和裏に解決させたいものだ)。 ・容易:たやすく。たやすい。 ・勿:…するな。…なかれ。禁止の語。 ・汚:よごす。けがす。ここでは、「刀をえびすの血で汚(けが)す」意になる。

               ***********





◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は「霄腰刀」で、平水韻下平二蕭(霄腰)・下平四豪(刀)。この作品の平仄は、次の通り。

○○●●○○○,(韻)
○●○○●●○。(韻)
○●●○○○●,
○。(韻)
平成28.12.24
      12.25
      12.26完
      12.29補



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