1/12 ロータス79 製作記 15
エグゾーストの遮熱版は紙で型紙を作り・・
0.1の洋白板を切り出し、曲げていきます。アルミの角材で挟んできっちりと曲げます。
写真ではわかりにくいですが、ガスコンロで焼いて熱変色させます。(これが洋白板で作った理由です)透明のプライマーを塗って防錆した後、虫ピンでカウルに取り付けます。虫ピンの頭は削ってリベット状にしておきます。虫ピンでのパーツの固定は常法ですが、必ず頭は削って整えておかないと見苦しいです。
シートベルトを作ります。一部金具はアルミから作りました。
今回ベルトに使った素材はこれです。そう、ワインのキャップシール。鉛のように柔らかいものがあるでしょう。よくベルトに薄い鉛板を用いますが、これはさらに薄く、自然な折れ具合が期待できます。ほかにアルミのような素材もありますが、こちらはホースバンドなどに利用できるので、ワイン飲むたびに取っときます。
切り出して、バックルなどをつけた状態。ベルトは粗い布に挟んで、バイスで締め上げ、布目をプレスしておきます。今回は、モデラーズのシートベルトセットの物を用いました(結構難しい)
青色(ファレホの水性カラーを使用。水性カラーは乾いても弾力があるので。)を塗って、縫い目はルーペ下で筆で描きました。WILLANSのパッチはプリンターで印刷した普通の紙です。
ステアリングホイールは78の物を改造して。中央のトグルスイッチはさかつうの六角フランジと洋白線。ボルトはPerfect parts を使用。結構金がかかっているぞ。
momoのデカールは78のは色が違ってたので、ビクトリーマークと同じ方法で自作しました。
オランダGPでは、ガーニーフラップを付けているように見えます。真鍮アングルを洋白線のリベットで固定しました。
フロントウィングは中に仕込まれたパイプがホースバンドのようなもので固定されています。瞬間でシャシーに接着した後、打ち出しリベットしたアルミの小片と先のアルミのワインキャップシールでそれらしく再現します。
ついにリアウィングの固定です。実車では4本のボルトで固定されています。ここでは右上のみがビス固定で、左上が真鍮線のピンで角度決めしています。ビス以外はコトブキヤの丸リベットに穴をあけて貼付けました。
タイヤは今回、思うところあって一皮剥けた状態にしたかったので、リキテックスのブレンデッドファイバーというテクスチュアジェルを混ぜたもので塗りました。細かい繊維状のものが入っており、筆塗りでタイヤ表面が溶けた状態が再現できました。なかなかいい感じです。
また、折角のレジン製なので接地面を削り、自重変形状態を再現します。ロゴは0.2mmノズルのハンドピースでフリーハンドで吹きました。
いよいよモノコック上部をかぶせます。シャシー側の各ワイヤはモノコックに入る直前までとし、モノコック内はモノコック側に固定します。
モノコック上部はリベットの最下部で4本のビス留めとしました。何かあった時のため、どうしても着脱可にする必要があります。
ウィング、タイヤ、サイドポンツーンの位置関係が最重要。各パーツが破綻なくセットできるかどうかが、実はスクラッチで一番難しいとこです。今回はあまり調節せずにおさめることができました。
エアファンネルのメッシュは各4カ所で細い銅線で固定します。
カウル各所に付くオープナーファスナーは、おなじみのモデラーズのファスナーセットです。1/12用は大きすぎるので1/20用を使いました。溝にしっかりと墨入れしときます。
ホイールナットはダミーです。実際はホイールに仕込んだナットで固定しています。こちらは78のメッキパーツとさかつうの六角フランジ、プラ棒、真鍮パイプの組み合わせです。先端に固定用割りピンを0.1mmの洋白線で作ります。
タイヤを固定後、ダミーのホイールナットをゴム系接着剤で貼付けました。
今回もミラーは極薄のミラープレートを使用します。
実際に後ろのラインが映っているのが分かるでしょうか。
タイヤロゴ塗り直し。上記のように、この時期に見られるラフな吹き付けを再現したつもりだったんですが、セットしてみると単に手抜きにしか見えません。やはり丁寧にペイントします。実車は両方ありますが、ロータスはワークスタイヤだったのできれいなペイントがやっぱり合っているかも。ファレホの水性ホワイトで筆塗りしましたが、発色が抜群です。最近の水性塗料の進化は素晴らしいです。
そのままでは実感に欠けるので、薄くグレーをかけ、明度を落とします。ついでにメッキ部分にも薄くかけときました。
最後の仕上げ。シャシープレートを作ります。アルプスで印刷して、ミラーシールに貼ります。
シャシーNoは、オランダGPマリオ車は4号車。データには描きましたが、当然見えません。
さあ、タイヤを再セットして、完成です。本当に長い道のりでした。
カウルはコクピット横のビス2本のみでの固定になります。

大きい画像あります。

カッコいいですねー
79のライン以上に美しい物があるでしょうか。

カウル開閉どちらで飾りましょうか?

大きい画像あります。

詳細は、Showcaseでどうぞ。

<製作後記みたいなもの>

ようやく・・本当にようやくの完成です。ほぼ4年の製作期間となりました。正直、完成に辿り着けるとは思いませんでした。前作(MP4-14)と違って、他の物に浮気しまくりの製作期間中でした。長い間見守っていただいた皆様、本当にありがとうございました。
今回、製作当初はできる限りの資料を集めたつもりだったのですが、製作中に、洋書の Lotus78 and 79 そして決定版のF1モデリングが出てしまい、不本意ながら各部の見直しが必要になりました。プロポーションモデルからフルディテールのワンオフへと製作コンセプトを変えたのも制作意欲を削ぐ要因となりました。
製作にあたっては、できるだけ色々新しい手法を試したつもりです。しかし満足できない部分も多く、特に1/20では良い結果が得られた自作デカールによるマーキングとクリアコートは1/12では勝手が違い、仕上げも満足できる物ではありませんでした。
他にもいろいろ気になるところはありますが、とにかく完成したこと、それもほぼイメージ通りに完成したことを素直に喜びたいと思います。'本当に好きな物は一生完成しない’という言い伝え?を打破できて良かったと思います。

完成した79を見ていると、とにかく美しいです。
1/20では感じられない迫力に共存する上品さが感じられます。下のShowcaseから 1/12のBlack beautyの美しさを感じていただければ幸いです (2006/01/15完成)

簡単な質問だ。ロータス79に決まっている。 ー マリオ・アンドレッティ
           (史上一番美しいF1マシンは?という質問に対して)

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