私感注釈
※この詩は、魯迅の詩に立脚している。
※孺子牛:孺子は子どもの意。孺子の牛とは、子どもにおとなしく引かれている牛の事。転じて、権力を掌握した後も人民の意見を尊重し、従う態度を言う。ここでの「孺子の牛」の牛は、周恩来を指す。「俯首甘為孺子牛」(首(こうべ)を俯して甘んじて孺子の牛と為る)
※立目:「横眉立目」=怒った厳しい表情。
※千夫:多くの人をいうが、「夫」の字義は比較的高い階層の人々を指す。魯迅の詩の場合は、その当時の保守的な革命を好まない階層の人々。「良識派」。この詩の場合は、人民英雄記念碑等に花輪、詩文を捧げて、周恩来を追悼する活動を好まない人々、後に「四人幇」と云われる人々の政治グループ(中央文革小組)を中心とした人々を指していよう。
※立目千夫指:魯迅の詩の一節に「横眉冷対千夫指」(眉を横たえ(眉を いからし)冷ややかに対す 千夫の指)というのがある。この魯迅の横眉は「横眉立目」の前半を採り、この詩は後半を採って、魯迅の詩との結びつきを暗示している
※指:指さす。指摘、指弾等、動詞的な用法。もちろん、名詞として「千夫の指」と読んでもいいと思うが、その場合も「指さしている、その指」のこと。「指」の語感は日本語よりも、中国語のほうがきついと思う。
※休:(現代語)おわる、やむ、の意。やすむ、でもいいが、休息の意にとると雰囲気が壊れる。
※構成について:韻脚は、「牛niu2」「求qiu2」「休xiu1」で平韻。現代語の-iu韻とみたほうがいい。起句と転句は伝統的な平仄に叶っている。全体としては、平仄には注意を払っていない。
(1999.7.7/7.14) |
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