huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
文天祥



                     
滿江紅
                    
感懷,用岳鄂王韻,作於秋瑾就義後
           
            
          清末・徐自華


歳月如流,
秋又去,
壯心未歇。
難收拾,
這般危局,
風潮猛烈。
把酒痛談身後事,
舉杯試問當頭月。
奈呉儂、身世太悲涼,
傷心切。


亡國恨,
終當雪。
奴隷性,
行看滅。
嘆江山、已是金甌碎缺。
蒿目蒼生揮熱涙,
感懷時事噴心血。
願吾儕,
煉石效皇,
補天闕。


    **********************

              滿江紅

歳月は  流るる 如く,
秋  又た 去り,
壯心  未だ 歇
(や)まず。
收拾し 難し,
(こ)の般の  危局を,
風潮  猛烈なり。
酒を把りて  身後の事を 痛談し,
杯を舉げて 試みに問ふ  當頭の月に。
呉の儂
(ひと)を 奈(いか)んせん、 身世  太(はなは)だ 悲涼にして,
傷心 切なり。


亡國の 恨み,
(つひ)に  當(まさ)に 雪(すす)ぐべし。
奴隷の 性,
(ゆくゆ)く 滅ずるを 看る。
江山を嘆く、 已
(すで)に是れ  金甌は 碎かれ缺く。
蒼生を 蒿目して  熱涙を 揮ひ,
時事に 感懷して  心血 噴る。
願はくば  吾が儕
(ともがら)よ,
石を 煉りて  皇に 效
(なら)ひ,
天の闕
(か)けたるを 補(おぎな)へ。

             ******************

◎ 私感訳註:

※滿江紅:詞牌の一。詳しくは「構成について」を参照。この作品は、秋瑾の『鷓鴣天』「祖國沈淪感不禁,閑來海外覓知音。
金甌總須,爲國犠牲敢惜身。  嗟險阻,嘆飄零,關山萬里作雄行。休言女子非英物,夜夜龍泉壁上鳴!」に答える形で作られているともいえる。

※徐自華:秋瑾の親友。女性。処刑後の秋瑾の霊柩を西冷橋の畔に葬った人物。『鑑湖女侠秋君墓表』や『哭鑑湖女侠』を残している。(1873年~1935年)清末か
ら民国時代を生きた。字は寄塵。号は懺慧。同盟会々員である。秋瑾は、彼女と別れて行く時、徐自華に記念として翠の釧を贈り、更に、「もしも事が成就しないで倒れた場合は、遺骸は杭州の西泠に埋めてほしい。」との依頼をした。徐自華は、この約束を守り、実行した。詳しくは秋『瑾詩詞』。のページ参照。写真右はその杭州の西泠畔にある秋瑾像。

※感懷,用岳鄂王韻,作於秋瑾就義後:感想、岳飛の『満江紅』の用韻をして、秋瑾が犠牲となった後に作る。 ・感懷:感想。 ・用岳鄂王韻:岳飛の『満江紅』「怒髮衝冠,憑闌處、瀟瀟雨
。抬望眼、仰天長嘯,壯懷激烈。三十功名塵與土,八千里路雲和月。莫等閒、白了少年頭,空悲切。  靖康耻,猶未雪。臣子憾,何時滅。駕長車踏破,賀蘭山缺。壯志饑餐胡虜肉,笑談渇飮匈奴血。待從頭、收拾舊山河,朝天闕。」の韻に和すということ。ここでは、用韻。 用韻のみならず、語彙も使っている。上記青字。 ・岳鄂王:「鄂王」とは、岳飛が死後、その精忠を再び認められ、授かった地位。 ・作於秋瑾就義後:秋瑾が犠牲となった後に作る。 ・就義:義に赴く。義のために死ぬ。革命運動で、殺された時に使う。

※歳月如流:歳月は川の流れのようで。

※秋又去:秋瑾は死去してしまった。 ・秋:秋瑾のこと。ただし「秋又去」の表現は、表面上、「秋の季節がまたしても過ぎ去った」という抒情的な意味にも無理なくとれる。意図的にしている。

※壯心未歇:(秋瑾は死んでしまったが、その)雄々しい心は、止むことがない。 ・壯心:雄々しい心。 ・歇:止む。

※難收拾:(「這般危局,風潮猛烈」なのを)収めることがむつかしい。 ・難:…ことがむつかしい。 ・收拾:収める。

※這般危局:このたびの危機は。 ・這般:此の度の。今回の。「這」は、文語の「此」に該当する。 ・危局:危険な局面。危機。危うい情勢。

※風潮猛烈:騒動が猛烈である。 ・風潮:騒動。

※把酒痛談身後事:杯をを持って、(杯を持ち上げて、自分の運命を問いながら)死後の事を徹底的に話す。 ・把酒:杯を持つ。 ・痛談:徹底的に話す。 ・身後事:死後の事。

※舉杯試問當頭月:杯を挙げて目の前の月に少し尋ねる。 ・舉杯:杯を挙げる。李白や蘇軾の天問の詩詞『把酒問月』(靑天有月來幾時)や『水調歌頭』(明月幾時有)に基づいている。 ・試問:ちょっとお聞きする。少し尋ねる。 ・當頭:目の前にある。

※奈呉儂、身世太悲涼:呉の国の人(秋瑾)をどうしよう。境遇は、あまりにも可哀想である。 ・奈呉儂:呉の国の人(秋瑾)をどうしよう。 ・奈:どのように。いかに。・呉:呉の国。秋瑾の出身地。 ・儂:〔どう、のう;nong2○〕人称代詞。詩詞では、わたくし。ここでは、人の意で使われる。人称代詞。詩詞では、あたし。わたし。われ。女性の自称。「我」の俗称。また、あなた。『呉方言詞典』(呉連生等著 漢語大詞典出版1995年新華路200号)289ページには「1.我。清・翟灝《通俗編》卷十八:“《樂府》子夜等歌,用儂字特多,若‘郞來就儂喜,郞喚儂底爲’之類。案呉俗自稱我儂,指他人亦曰渠儂。……《…》註:‘呉人率自稱曰儂。同我。…。2.你。…」とあり、『簡明呉方言詞典』(閔家驥等著上海辞書出版社1986年上海)174ページには「[noŋ13]代詞。1.你。……。2.舊時蘇州等地中老年婦女稱“我”爲“儂”。…」とある。これらの呉方言辞典」の内容を要約すると「基本的には『わたし』の意であるが、『あなた』の意の場合もある」ということ。一般に詩詞では、あたい。あたし。わたし。われ、といった女性の自称。「我」の俗称とする。清・呉嘉紀の『舟中記』に「是船中生,郞是船中長。同心苦亦甘,弄篙復蕩槳。」とある。
 ・身世:身の上。境遇。 ・太:あまりにも。はなはだ。現代語では、前者の意が強い。・悲涼:悲しみを催させるような寂しさ。

※傷心切:心をいためるしきりである。 ・傷心:心をいためる。 ・切:差し迫る。しきりに。切なる。

※亡國恨:国を亡ぼした恨み(が)。第一義的には漢民族の国家が亡ぼされた恨みであり、同時に、清朝政府が弱体化して、国内に的には強権であっても、対外的には、弱体化し、国際的にも落後した情況にあることをいう。

※終當雪::ついにすすげるようになってきた。 ・終:ついに。 ・當雪:すすぐようになってきた。まさにすすぐべきである。

※奴隷性:・奴隷の性(さが)。中国の民衆の性格。

※行看滅:ゆくゆくはなくなりそうだ。 ・行やがて。ゆくゆくは。 ・看:…のようだ。 ・滅:なくなる。

※嘆江山、已是金甌碎缺:祖国の現状を嘆く。とっくに金甌:缺けていない黄金の瓶であるべき祖国の領土は、外国に侵略されてしまった。 ・嘆江山:祖国の現状を嘆く。 ・已是:とっくに。 ・金甌:黄金の瓶のように傷がない完全なもの、という意味から転じて、嘗て外国に侵略されたことのない国土の形容となっている。「金甌無缺」の金甌。 ・碎缺:砕かれて缺ける。

※蒿目蒼生揮熱涙:万民が熱い涙をはらうのを眺めやり。 ・蒿目:〔かうもく;hao1mu4〕望む。遠望する。成語の「蒿目時艱」「蒿目憂世」の意。 ・蒿:望む。 ・蒼生:万民。全ての人民。 ・揮熱涙:熱い涙をはらう。

※感懷時事噴心血:時事に感じて、真心を吹き出させ。 ・感懷:感じいだく。想う。 ・心血:心のありったけ。真心。

※願吾儕:願わくば、わたしのともがらよ。・願:ねがわくば。 ・吾儕:〔ごさい;wu2chai2〕わたしのともがら。われわれ。同志。

※煉石效皇:女のように石を煉り、救国の事業をする。「補天」のことをいう。「女補天」とは、昔、神々が闘いをして、頂上が天に着く山である不周山を、誤って倒してしまった。そのため、天の河の水が流れ落ち、地上は大災害になった。そこで人を救うために、浜辺で五色の石をたくさん拾い集めて、九昼夜の間、火で煉りあげて、天の穴を塞いだという故事。或いは、このために女は、犠牲となった。身を殺して仁を成すということわざどおりの故事である。『列子・湯問篇』に「昔者女氏練五色石以補其闕,斷鼇之足以立四極。其後共工氏與爭爲帝,怒而觸不周之山,折天柱,絶地維;故天傾西北,日月星辰就焉;地不滿東南,故百川水潦歸焉。」とある。 ・煉石:(女が補天のため、)五色の石を火で煉りあげたこと。 ・效:ならう。まねをする。 ・皇:女のこと。

※補天闕:天が缺けた(ところ)を修理して(ほしい)。 ・補:修理をする。 ・天闕:天が缺けた(ところ)。 ・闕:かける。動詞。=缺。





◎ 構成について

   九十三字 
(双調)脚韻は、入声韻が条件。一韻到底。韻式は「aaaa aaaaa」。韻脚は「歇烈月切 雪滅缺血闕」で詞韻第十八部。

   ●○○,
   ●,
   ●。(入声韻) 
   ●+●, 
   ●○○●。(入声韻)
   ○○●●,
   ●○○●。(入声韻)
   ●○+●●○○,
   ○○●。(入声韻)


   ●,
   ○●。 (入声韻)
   ●●,
   ○○● 。(入声韻)
   ●+○○●●,
   ●○○●。(入声韻)
   ○○●●,
   ●○○●。(入声韻)
   ●○+●●○○,
   ○○●。(入声韻)
2003.10.14
     10.15
     10.17
     10.18
     10.19完
2008. 1.27補



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