読者のページ

 これは風散士雅兄の作品で、読み下しも風散士雅兄です。
******************


腰越状

負荊峻節已遭輕、
書状空爲骨肉爭。
悲滿芳山靜姫別、
衷通安宅判官行。
諸州鎭亂敷新政、
累代鬩牆連夭塋。
鎌府卅年源統絶、
絶今誰注鶺鴒情。




負荊の峻節は 已に軽んぜられ、  
書状は空しく 骨肉の争ひと為る。  
悲しみは満つ 芳山に 静姫は別れ、  
まことは通じて 安宅に 判官は行く。  
諸州の鎭乱 新政を敷くも、  
累代の鬩牆げきしゃう 夭塋えうえいを連ぬ。
鎌府卅年 源統絶え、  
絶えて今誰か注がん 鶺鴒せきれいの情。


             *********



・腰越状: 源義経が、平宗盛父子を俘虜として腰越まで伴ってきたのに、頼朝の怒りにふれて鎌倉に入ることができなかった時、頼朝の部下である大江広元に宛てて無実の罪を訴えた書状。
・負荊: 「荊」はいばらのむち。それを背負って自分の処罰を求めること。
・安宅: あたかの関所。
・鬩牆: 牆(かき)の内で争うこと。兄弟げんか。
・夭塋: (造語)夭は、わかじに。塋は墓。鎌倉幕府2代将軍源頼家は22歳で北条時政らに殺され、2代将軍の弟である3代将軍源実朝はは27歳で、兄源頼家の子公暁に殺され、その公暁も19歳で殺された。
・鎌府: 鎌倉幕府は三代で源統は絶えて、後は頼朝の妻の実家である北条氏が実権を握った。
・鶺鴒情: 鶺鴒在原。兄弟が互いに難を救うたとえ。

※風散士『鬩牆』を参照



2008.5.28




xia 1ye次のページ
shang 1ye前のページ
shang ye来信站メニューページ
     ********

辛棄疾詞
李U詞
李清照詞
陸游詩詞
花間集
婉約詞集
碧血の詩篇
抒情詩選
竹枝詞
秋瑾詩詞
毛澤東詩詞
shichao天安門革命詩抄
燦爛陽光之歌
碇豊長自作詩詞
shici gaishuo詩詞概説
唐詩格律 之一
宋詞格律
詞牌・詞譜
詞韻
詩韻
参考文献(詩詞格律)
cankao shumu(Songci)参考文献(宋詞)
cankao shumu(Tangshi)参考文献(唐詩)
本ホームページの構成・他
      

Riyu:zhici
わたしのおもい
トップ アイコン
トップ
サンド