呉頭楚尾路如何, 烟雨秋深暗白波。 晩趁寒潮渡江去, 滿林黃葉雁聲多。 |
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江上
呉頭 楚尾 路 如何 ,
烟雨 秋 深くして白波 暗し。
晩 に寒潮 を趁 ひて江 を渡りて去れば,
滿林の黃葉 雁聲 多し。
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◎ 私感訳註:
※王士禛:(王士禎)清代の詩人。神韻説の首唱者。字は貽上、また子眞、王士禎、号して漁洋。士禎と名を賜る。1634年(明・崇禎七年)~1711年(洪煕五十年)。王漁洋。二十五歳にして進士に挙げられ、揚州府司理から侍読に進み、官は刑部尚書に至った。済南府において土地の読書人らとともに秋柳詩社を結成。その折、詠んだ『秋柳』詩は全国的に賛美者を生むに至り、同時代を生きた朱彝尊とともに、南朱北王と併称された。
※江上:川の上。川の畔。作者が南京に赴く際に作ったという。 ・江:南方の大河。また、長江。ここでは、その意。
※呉頭楚尾路如何:長江沿岸の湖北・湖南から下流の江蘇・浙江地方の道をどのようにとろうか。 ・呉楚:長江沿岸及び下流地方。 ・呉:江蘇と浙江の一部の地方。 ・楚:湖北・湖南…の地方。 ・呉頭:呉の地方から。 ・楚尾:楚の地方にかけて。 ・如何:いかんぞ。いかんせん。どうするか。…をどうしようか。処置を問う。
※烟雨秋深暗白波:霧雨(きりさめ)で秋は深まり、白波も暗い。 ・烟雨:煙るように降る雨。きりさめ。煙雨。
※晩趁寒潮渡江去:夕暮れに、寒くなった潮流に乗って長江を渡って行けばれば。 ・晩:夕暮れ。夜。 ・趁:〔ちん;chen4●〕逐(お)う。追いかける。 ・去:行く。(俗語。現代中国語。)
※満林黄葉雁声多:深林に満ちた黄葉には、カリの鳴き声が多い。 ・雁声:カリの鳴き声。
◎ 構成について
2022.5.19 5.21 5.22 5.23 5.24完 |
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