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贈猫

            
            
        南宋 陸游

裹鹽迎得小狸奴,
盡護山房萬巻書。
慙愧家貧策勳薄,
寒無氈坐食無魚。



                
                           
    **********************


    猫を(おく)らる

塩を(つつ)み (むか)()たり  小狸奴(せうりど(こねこ))
(ことごと)(まも)る 山房  万巻の書を。
慙愧(ざん き )す 家 貧くして  策勲(さくくん)(うす)きを,
寒に(せん)の坐する無く  ()(うを)無し。


             ******************


◎私感訳注:

※贈猫:ネコを贈られる。 *「贈猫」は文脈から見ての受身表現。本来受動表現は「見+動詞」「被…」「爲(wei2○)…所…」「爲」「所」等の語をとるが、「文脈から見ての受身表現」も受動表現の一としてある。ここはそれ。「猫を贈らる」以外に、「猫に贈る」「猫を贈る」等とも読めるが…。 *猫を詠った詩に、北宋・黄庭堅の『乞猫』「秋來鼠輩欺猫死,窺甕飜盆攪夜眠。聞道貍奴將數子,買魚穿柳聘銜蝉。」や北宋・梅堯臣の『祭猫』「自有五白猫,鼠不侵我書。今朝五白死,祭與與魚。送之于中河,呪爾非爾疎。昔汝齧一鼠,銜鳴遶庭除。欲使衆鼠驚,意將C我盧。一從登舟來,舟中同屋居。糗糧雖甚薄,免食漏竊餘。此實爾有勤,有勤勝雞猪。世人重驅駕,謂不如馬驢。已矣莫復論,爲爾聊欷歔。」がある。

※裹塩迎得小狸奴:塩を包んで子猫を迎え入れることになって。 ・裹:〔くゎ;guo3●〕つつむ。すっぽりつつむ。くるむ。 ・塩:(貴重な)しお。中国内陸での塩は貴重であり、塩には専売制がとられており、貨幣に準ずる地位にあった。 ・迎得:(…したので、その結果)迎えることになった、の意。「動詞+得」で、結果・程度・方法を表す。 ・小:幼い。日本語・「子猫」の「子」に該る。 ・狸奴:〔りど;li2nu2○○〕猫の別称。「裹塩迎得小狸奴,尽護山房万巻書。」の聯で、「小狸奴」は目的語であるが、「尽護山房万巻書。」の部分の主部のようにもなる。連動文の雰囲気を漂わせた句。

※尽護山房万巻書:(その子猫は)書斎の多くの書物をことごとく護(まも)ってくれている。 ・尽:ことごとく。 ・護:かばう。まもる。 ・山房:書斎の名。また、山にある家。山の別荘。山の寺。ここは、前者の意。 ・万巻書:たくさんの書物。万巻の書。

※慙愧家貧策勲薄:家が貧しいので、(ネズミ退治の)手柄(てがら)に対しての褒美(ほうび)が少なく。 ・慙愧:〔ざんき;can2kui4○●〕はじる。=慚愧。 ・策勲:戦の手柄を竹札に書きつける。手がらを記録する。論功行賞を行う。 ・策:(竹札に)かきつける。動詞。 ・薄:うすい。

※寒無氈坐食無魚:(この)寒さでも、(おまえ(=子猫)の)坐る毛氈(もうせん)も無く、食(く)わせる魚も無い。 ・氈:もうせん(毛氈)。 ・坐:すわる。動詞。「坐」を名詞(「座」)と見れば、「氈坐」は:もうせんの敷物。 ・食:〔し;si4●〕くわせる。やしなう。=飼。また、〔しょく;shi2●〕は、くいもの。くう。この句・「寒無氈坐食無魚」は、「寒・無〔氈坐〕 + 食・無〔魚〕」と句中の対で構成されている。






◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「奴書魚」で、平水韻上平七虞(奴)、上平六魚(書魚)。次の平仄はこの作品のもの。

     ●○○●●○○,(韻)
    ●●○○●●○。(韻)
    ○●○○●○●,
    ○○○●●○○。(韻)
2014.11.17
     11.18完
2019.11.21補




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