Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


退朝望終南山
                                                  

         唐・李拯

紫宸朝罷綴鴛鸞,
丹鳳樓前駐馬看。
惟有終南山色在,
晴明依舊滿長安。





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退朝して 終南山を望む

紫宸( し しん) (てう) ()みて  鴛鸞(ゑんらん)(つづ)り,
丹鳳樓前(たんぽうろうぜん)  馬を(とど)めて 看る。
()だ 終南山色(しゅうなんさんしょく)の ()()り,
晴明(せいめい) (きう)()りて  長安に滿つ。

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◎ 私感註釈

※李拯:〔りじょうLi3Zheng3〕唐末期の黄巣の乱の後、各地の藩鎮勢力が軍閥化して相争う時期で、唐朝の権威が地に堕ちた時代の人。〜886年。字は昌時。隴西(現・甘粛省)の人。咸通十二年?(871年?)の進士。乾符の間は節度使の幕府を巡っていた。黄巣の乱(875年〜884年)の時、平陽(現・山西省臨汾)に避難していたが、僖宗が京に還ると召し出されて、尚書郎から考功郎中、知制誥となった。後に、朱玫(ばい)の叛乱に際して、叛乱軍に捕らわれて、強いて翰林学士を授けられた。李拯は、唐朝の伝統が崩れていくことに心を痛め、このページの詩を作った。朱玫が滅ぼされた時、乱軍の中で殺された。李拯の妻の盧氏は、学問がある上に容姿端麗であり、李拯の屍(しかばね)に突っ伏して泣いていた。すると、賊が彼女を汚そうとしたが、彼女は片腕を切り落とされても動ずることがなかったと。しかし、ついに殺されてしまったという。

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※退朝望終南山:朝廷より退出した際、終南山を望み見て。 *唐朝への節義を穢したことへの後悔の情を詠い込んだ詩。易(か)わることのない自然の美しさを詠うことにより、人間社会の有為転変と権謀術数に満ちた姿を暗に示している。 ・退朝:朝廷より引き下がる。 ・終南山:山の名。長安(現・西安)の南方40キロメートルのところにある2604メートルの高山。『中国歴史地図集』第五冊 隋・唐・五代十国時期(中国地図出版社)40−41ページ「唐京畿道 関内道」では、秦嶺山脈を終南山としている。秦嶺山脈は長安西南方から南方にかけての、現在の終南山を含む大山脈。盛唐・王維の『送別』に「下馬飮君酒,問君何所之。君言不得意,歸臥南山。但去莫復問,白雲無盡時。」とあり、唐・祖詠の『終南望餘雪』「終南陰嶺秀,積雪浮雲端。林表明霽色,城中摯驫ヲ。」があり、唐〜・韋莊の『晏起』に「爾來中酒起常遲,臥看南山改舊詩。開戸日高春寂寂,數聲啼鳥上花枝。」がある。なお、唐詩以前の東晉・陶潛の『飮酒』二十首其五に「結廬在人境,而無車馬喧。問君何能爾,心遠地自偏。采菊東籬下,悠然見南山。山氣日夕佳,飛鳥相與還。此中有眞意,欲辨已忘言。」では、廬山を指す。

※紫宸朝罷綴鴛鸞:(天子の御殿である)紫宸殿での朝廷の儀式が終わり、貴人・顕官が連なって(退出し)。 ・紫宸:〔ししん;Zi3chen2●○〕紫宸殿のこと。唐代、天子の御殿の名。「紫」は天帝の居所といわれる紫微星、「宸」は天子のすまいの意。宮中。禁中。 ・朝:朝廷に参る。参内(さんだい)する。 ・罷:〔は、ひ;ba4●〕帰る。やめむ。 ・綴:つづる。つなぎつらねる。参内した貴顕が並び連なって下がるさまを謂う。 ・鴛鸞:〔ゑんらん;yuan1luan2○○〕貴人、顕官の地位の譬え。宮廷の官吏の列。鸞鷺。鴛鷺。

※丹鳳楼前駐馬看:(大明宮の南大門である)丹鳳楼(たんぽうろう)の前で、馬をたちどまらせて眺めた。 ・丹鳳樓:〔たんぽうろう;Dan1feng4lou2○●○〕唐代の大明宮の南大門楼の名称。『唐代的長安與洛陽地圖』上海古籍出版社(1991年上海)平岡武夫(原・日本の京都大学平岡武夫氏による出版の中国での復刻唐代研究地図集)の「圖版三 第三圖 長安圖」にある。 ・駐馬:馬をたちどまらせる。馬をとどめる。 ・看:(意図的に)みる。ながめる。

※惟有終南山色在:ただ、終南山の山の景色は(人の世の有為転変にかかわらず、変わることなく、そこに)あって。 *後世、清・王士モヘ『杜曲西南弔牧之冢』で「兩枝仙桂氣凌雲,落魄江湖杜司勳。今日
終南山色,小桃花下一孤墳。」と使う。 ・惟有:ただ…だけが(ある)。曹操の『短歌行』に「對酒當歌,人生幾何。譬如朝露,去日苦多。慨當以慷,憂思難忘。何以解憂,唯有杜康。」や、李白の『將進酒』に「君不見黄河之水天上來,奔流到海不復回。君不見高堂明鏡悲白髮,朝如青絲暮成雪。人生得意須盡歡,莫使金尊空對月。天生我材必有用,千金散盡還復來。烹羊宰牛且爲樂,會須一飮三百杯。岑夫子,丹丘生。將進酒,杯莫停。與君歌一曲,請君爲我傾耳聽。鐘鼓饌玉不足貴,但願長醉不用醒。古來聖賢皆寂寞,惟有飮者留其名。陳王昔時宴平樂,斗酒十千恣歡謔。主人何爲言少錢,徑須沽取對君酌。五花馬,千金裘。呼兒將出換美酒,與爾同銷萬古愁。」とあり、劉長卿は『尋盛禪師蘭若』で「秋草黄花覆古阡,隔林何處起人煙。山僧獨在山中老,唯有寒松見少年。」や、後世、北宋・蘇軾の『江城子』乙卯正月二十日夜記夢には「十年生死兩茫茫,不思量。自難忘。千里孤墳,無處話淒涼。縱使相逢應不識,塵滿面,鬢如霜。   夜來幽夢忽還ク。小軒窗,正梳妝。相顧無言,惟有涙千行。料得年年腸斷處,明月夜,短松岡。」と使い、司馬光『居洛初夏作』「四月清和雨乍晴,南山當戸轉分明。更無柳絮因風起,惟有葵花向日傾。」と使う。 ・終南山:長安南方の山の名だが、ここではを万古不易の象徴としての大山。人の世は移り変わり、権力者も入れ替わるが、それに比して大自然はかわることがないと謂うこと。 ・山色在:山の景色は(変わることなく、そこに)ある、と謂う意。盛唐・杜甫の『春望』に「國破山河在,城春草木深。感時花濺涙,恨別鳥驚心。烽火連三月,家書抵萬金。白頭掻更短,渾欲不勝簪。」とある。

※晴明依旧満長安:空はからりと晴れて、昔ながらに長安に満ちている。 ・晴明:空が晴れてからりとしている。 ・依舊:昔ながらに。昔と変わることなく。唐・韋莊の『金陵圖』に「江雨霏霏江草齊,六朝如夢鳥空啼。無情最是臺城柳,
依舊烟籠十里堤。」とあり、馮延巳の 『鵲踏枝』に「誰道閑情抛擲久,毎到春來,愁悵還依舊。日日花前常病酒,不辭鏡裡朱顏痩。   河畔青蕪堤上柳,爲問新愁,何事年年有?獨立小樓風滿袖,平林新月人歸後。」とあり、孫光憲の『後庭花』其二に「石城依舊空江國,故宮春色。七尺絲芳草碧,絶世難得。」とある。


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◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は「鸞看安」で、平水韻上平十四寒。この作品の平仄は、次の通り。

●○○●●○○,(韻)
○●○○●●○。(韻)
○●○○○●●,
○○○●●○○。(韻)
2011.4.26
     4.27完
     8. 6補
2013.1. 6





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