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          詠臭老九

                          梁漱溟      

九儒十丐古已有,
而今又名臭老九。
古之老九猶如人,
今之老九不如狗。
專政全凭知識無,
反動皆因文化有。
假若馬列生今世,
也要出滿街走。


 
******


         臭老九を 詠む


九儒 十丐
(かい)  古(いにしへ)に已(すで)に有り,
而今 又た  臭老九と 名づく。
古の老九は  猶
(な)ほ 人の如く,
今の老九は  狗
(いぬ)に 如(し)かず。
專政は 全て  知識の無きに 凭
(たよ)り,
反動は 皆な   文化の有るに 因
(よ)る。
假若
(かり)に 馬列(マルクス・レーニン)  今世に 生くれば,
(ま)た (ひ)き出(いだ)されて  滿街を走るを 要す。

        **********

◎ 私感註釈:

※梁漱溟:中華人民共和国建国前の北京大学教授。1893年〜1988年。曾て「郷村建設運動」を指導する。延安の毛沢東の許を訪ね、抗日問題や建国について語り合う。後、隠退する。
※詠臭老九:この作品は、プロレタリア文化大革命が始まる十年前、’57年の“反右派運動”「反右派闘争」の時のことを詠っている。『六月雪 記憶中的反右派運動』(經濟日報出版社:1998年)より採る。 ・臭老九:〔chou4lao3jiu3〕九番目の鼻つまみ者。九番目の鼻もちならない者。腐った九番目の息子。知識分子を貶しての呼称。「地富反壊右叛特走」(地主、富農、反動派、悪者(壊分子)、右派、裏切り者(叛徒)、スパイ(特務)、敵の手先(走狗))の次の九番目に位置づけられた。「地富反壊右」は黒五類でもある。 ・臭:蔑んで罵る時に使う名詞の接頭辞。“臭三八”等。 ・老〜:排行を表す。なお、長男は、“老大”。
※九儒十丐古已有:「九儒十丐」(九番目が学者、十番目が乞食)といった階級区分は、昔にもすでにあった。 ・九儒十丐:九番目が学者、十番目が乞食。元代の儒人の地位の低さの形容。乞食の一つ上の意。進士は蒙古人や色目人(トルコ、イランなどの西域諸民族)が厚遇されて、漢人(北方中国人)や南人(南方中国人:旧南宋人)が、冷遇された形容で、人は「一官、二吏、三僧、四道、五醫、六工、七猟、八農、九儒、十丐」というように謂われた。 ・九儒:第九番目が(儒)学者。「儒」〔じゅ;ru2○〕。 ・十丐:第十番目が乞食。「丐」〔かい;gai4●〕。 ・古:昔。いにしえ。ここでは、元代のことになる。 ・已有:とっくにあった。すでにあった。
※而今又名臭老九:きょうび、またもや“臭老九”(九番目の鼻つまみ者)と名附けている。 ・而今:今。きょうび。 ・又:またもや。 ・名:名附ける。
※古之老九猶如人:昔の「老九」(九男坊)は、まだ人として扱ってくれていた(が)。 ・老九:排行の九番目。九男。 ・猶如人:なお、人並みである。元代の「九儒」と、は幅広い全国民の“身分、階級”の順位であって、人として扱っての区分である。それに対して、現代の「臭老九」とは、悪人の等級であって、人として扱われていないということ。
※今之老九不如狗:現在の“老九”(九男坊)は、犬にも及ばない。 ・今:現在。’57年の“反右派運動”「反右派闘争」の時。この時、毛沢東は≪關於正確處理人民内部的矛盾的問題≫『人民内部の矛盾を正しく処理する問題について』を発表している。 ・不如:及ばない。しかず。 ・狗:〔く;gou3●〕犬。
※專政全凭知識無:プロレタリア独裁は、全て知識がない者に頼り。 *プロレタリア独裁とは、完全に無学な者に依拠して実行されている。 ・專政:独裁。社会主義革命によって国家権力を握ったプロレタリアートが、権力を維持・強化するためにブルジョアジーを強制的に支配すること。“無産階級専政”のこと。=プロレタリア独裁。 ・全:全て。 ・凭:〔ひょう;ping2○〕頼る。寄りかかる。凭(もた)れる。 ・知識:知識。学識。知識分子。高卒以上の学識。
※反動皆因文化有:反動とは、教育を受けているということに起因する。 *反動とは、教育を受けた知識人のことである。 ・反動:歴史の発展の潮流に逆行して、進歩をはばもうとする者や勢力。“資産階級的反動路綫”というように、実際には「ブルジョワジー」を指す場合が多い。 ・皆:みな。 ・因:…による。 ・文化:(初等教育程度の)教育。
※假若馬列生今世:かりに、今の世に(社会主義の太祖太宗である)マルクスやレーニンが生きていたら。 ・假若:仮に。かりそめに。仮定表現。 ・馬列:マルクス・レーニン。「馬克思〔マァコースー;ma3ke4si1〕(マルクス)」の「馬」、「列寧〔リェニン;lie4ning2〕(レーニン)」の「列」。プロレタリアートを解放して、社会主義を実現するための階級闘争を主張し、実践してきた人物の名。近代の共産主義の開祖。 ・生:生きている。生まれている。 ・今世:今の世。
※也要出滿街走:きっと、引っ張り出されて、街中(まちじゅう)を引きずり回されているにちがいない。 *’57年の“反右派運動”「反右派闘争」の時の社会主義と、マルクスやレーニンが目指した社会主義との相違をいう。 ・也要:…も…しなければならない。 ・出:〔jiu1chu1〕引っ張り出す。 *社会主義運動の一環としての大衆の批判、闘争会に引きずり出されるということ。文革期には、本来の社会主義を逸脱した者に対しては“修正主義者”といった。ここではマルクス、レーニンという当の本人なので、こういう場合、敢えていうならば“ヘ條主義者”と称呼して、批判を展開する。 ・滿街:街中(まちじゅう)。街の方々。 ・走:歩く。ここは“也要…走”で、歩かされる、の意になる。




◎ 構成について:

  韻式は「AAAAA」。押韻のしかたは近体詩のものでない。韻脚は「有九狗有走」で、平水韻上声二十五有。次の平仄はこの作品のもの。

●○●●●●●,(韻)
○○●○●●●。(韻)
●○●●○○○,
○○●●●○●。(韻)
○●○○○●○,
●●○○○●●。(韻)
●●●●○○●,
●●○●●○●。(韻)
2005.6.18
     6.19


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