zhuzhici


  
Shici Shijie shicishijie

   竹枝
          唐 劉禹錫


山桃紅花滿上頭,
蜀江春水拍山流。
花紅易衰似郞意,
水流無限似儂愁。


**********
       

山桃の 紅き花は  上頭に 滿ち,
蜀江の 春水は  山を拍ちて 流る。
花の紅きは 衰へ易きこと  郞
(きみ)の意に似て,
水流の 無限なるは  儂(わ)が愁ひに似たり。


      **********

私感註釈

※この作品は劉禹錫が州刺史のときのもの。

※山桃紅花滿上頭:山桃の紅い花が、山の上あたりにいっぱいになっている。 ・山桃:山に産するモモ。実が小さい。 ・紅花:赤い花。 ・上頭:上のあたり。山上をいう。ここを「上頭」としないで「山頭」として、「山桃紅花滿山頭」としても意味は似たようなものだが、そうすれば、○○○○●○○と、平韻が続きすぎ、謡うとメリハリが無くなり、間の抜けたものとなる。 ・頭:ほとり。たもと。

※蜀江春水拍山流:蜀の国を流れる長江が、山の崖に当たって流れて行く。 ・蜀江:蜀の国を流れる川で、普通名詞。蜀の国を流れる長江等。 蜀は、現代の四川省。巴渝。巴蜀。 ・春水:春の川の流れ。 ・拍山流:山の崖に打ち当たって流れて行く。瞿塘峡を長江が流れてゆくさまの描写。

※花紅易衰似郞意:花の紅い色が衰えやすいところは、あの人(彼)の心に似ている。 ・花紅:花の紅い色は。 ・易衰:衰えやすい。 ・似郞意:あの人(彼)の心に似ている。あの人(男)のこころのようだ。 ・郞:女性側から男性をいう言葉。彼。あの人。

※水流無限似儂愁:水の流れが無限であるようすは、わたし(女性)の愁いに似ていて(わたしの心配事も限りがない)。 ・水流:水の流れ。 ・無限:無限。限りがない。 ・似儂愁:(水の流れ限りがないところは)わたし(女性)の愁いに似ている。 ・儂:〔どう、のう;nong2○〕人称代詞。詩詞では、あたし。わたし。われ。女性の自称。「我」の俗称。また、あなた。『呉方言詞典』(呉連生等著 漢語大詞典出版1995年新華路200号)289ページには「1.我。清・翟灝《通俗編》卷十八:“《樂府》子夜等歌,用儂字特多,若‘郞來就儂喜,郞喚儂底爲’之類。案呉俗自稱我儂,指他人亦曰渠儂。……《…》註:‘呉人率自稱曰儂。同我。…。2.你。…」とあり、『簡明呉方言詞典』(閔家驥等著上海辞書出版社1986年上海)174ページには「[noŋ13]代詞。1.你。……。2.舊時蘇州等地中老年婦女稱“我”爲“儂”。…」とある。これらの呉方言辞典」の内容を要約すると「基本的には『わたし』の意であるが、『あなた』の意の場合もある」ということ。一般に詩詞では、あたい。あたし。わたし。われ、といった女性の自称。「我」の俗称とする。男女の区別無く使う。ここでは、少女が言っている。蛇足だが、日本語の年輩者の一人称「わし」にも「儂」の字が宛てられているが、現代語でも、山東方言等で使われており、そこでも男女の区別や年齢の差無く使われている。少女でも“儂”と言っている。清・呉嘉紀の『舟中記』に「
是船中生,郞是船中長。同心苦亦甘,弄篙復蕩槳。」とある。





◎ 構成について
  
 平韻一韻到底。 韻式は「AAA」。韻脚「頭流愁」は、平水韻下平十一尤。詞調はこの作品のもの。


   
○○○○●●○(平韻)
   
●○○●●○○。(平韻)
   
○○●●●○●,
   ●○○●●○○,(平韻)
 

***********************

2002.1.8完

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