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joe wayne stix
Wilton Felder

ウイルトン・フェルダーの笑顔を見ると何故かホットするものがあります。
おそらくこの人の人間性の故でしょう。人生の酸いも甘いも知り尽くした男のみが、ふと見せる懐の深さと暖ったかみを感じるのは僕だけでしょうか。

2012 WE ALL HAVE A STAR & INHERIT THE WIND
2006 Let's Spend Some Time
1993 FOREVER ALWAYS
1992 NOCTURNAL MOODS
1987 LOVE IS A RUSH
1985 SEACRET
1983 GENTLE FIRE
1980 INHERIT THE WIND
1978 星の伝説
1969 BULLITT
PERSONAL HISTORY
男の薫香
CONSEPT PROFILE DISCOGRAPHY LINK BBS
Let's Spend Some Timeジャケット Let's Spend Some Time ←back next→
田舎のキネマ館
2005 BCS RECORDS

別段、誰彼に薦められたわけでもなく、偶然レコード店で、まるで縄張(シマ)を張って威嚇する愚連隊のように、 腕を組んで行く手に立ちふさがった四人組のジャケットに惹かれて買ったアルバムに、聴いてぞっこんになったというのが、 そもそものクルセイダーズとの馴初めで、そのアルバムで聴いた骨太のサックスに心底惚れこんで知った御仁が、 Wilton Felderでした。
今回の「Let's Spend Some Time」は、そのWilton Felderの、 「FOREVER ALWAYS」以来の実に13年ぶりのソロアルバムです。
13年ぶりの一発目は、タイトルもそそる「Smoke House」。 出だしから、これはWilton Felder。思わず蓄糞堆肥の匂いが漂ってくるような素敵に泥臭いテキサステナーで語りかけて くるところが雄の香り然としてグッド。それに続くのがGeorge Shawのトランペットで、こちらはまた対照的で、 アーバンな雰囲気。馴染みのやくざな活劇路線に変わりはありませんが。
ふと気付くと摩天楼一室の窓から俯瞰する大都会。その一室でタバコくゆる煙。コーヒーの香り。窓から照準を 合わせる狙撃のターゲットは誰でしょう? サックスの音色に望郷する時、銃爪(ひきがね)に指がかかる、そんなクールなひと時の「Let's Spend Some Time」に 雑音が消えていきます。
つかのま、「As Long As I'm With You」で恋でもしましょうか。
「恋」でくつろいだら、たちまち武闘派で、握りこぶしに力が入るほど煽ってくれるのは「Ooh Whop,Doo Whop」。 サックスにも熱がこもります。
一転して「Cruzin'」は風のささやき。頬傷をなでる風が、何とも心地よい。
待ってました、サックスとトランペットが奏でる侠のユニゾン「The Love I Need」。 どっこいWilton Felderが生きている。
パンチの効いた「High Water」。文字通り立て板に水。Wilton Felderの独壇場。やれるならやってみろよこの試合。 このヒト、まちがいなくアクション映画の壷を知っています。
「I Remember Chet Baker」は、ひと言、渾身のバラッド。
ここまでで40分は、ちょっとキツイかなと思った矢先に「In The Moment」でボディーアンドソウルへの針一刺しの整体術とは、 心にくい演出の妙。
「Information」はちょっとした起上り小法師か。
終幕間近、サックスで威風堂々と奏でる胸キュンの「As Long As I'm With You」は艶冶そのもの。
正直映画はここまでで、後は余韻をかみしめるエンドロールといった按配。
今回のアルバム、13年ぶりを期してか13曲と曲数が多いので、ちょっと雑駁の印象を与えかねませんが、 なんのなんの、一曲一曲じっくり肌合わせてみると やっぱりWilton Felder、良いキネマです。


1 Smoke House
2 Let's Spend Some Time
3 As Long As I'm With You
4 Ooh Whop,Doo Whop
5 Cruzin'
6 The Love I Need
7 High Water
8 I Remember Chet Baker
9 In The Moment
10Information
11As Long As I'm With You
12No One
13Where Love Comes From

今回のアルバムでwilton Felderがコンビを組んだのはトランペット奏者のGeorge Shaw。 これまでトランペット奏者とのコンビがなかったわけではなく、 トロンボーンのWayne Hendersonが脱けてから、 アルバム「good and bad times」ではSal Marquezと、「LIVE at Germany87」ではEddie Davisと、 トランペット奏者とのコンビ歴はあり、 ソロアルバム「LOVE IS A RUSH」では既にGeoge Shawと組んだこともあり、今回は二度目というわけ。
Wilton Felder(sax)
Gedrge Shaw(tp)
Tim Heintz(key)
Cornell Ward(key)
Chuck Rainey(b)
Michaei Adams(dr)
A.J.Luke(vo)