1978年発売のアルバム「星の伝説」の解説を読み、「星の伝説」こそがWilton Felderの処女作とばかりすっかり信じ込んでいました。ところが、当サイト推薦のDavid.T.Walkerのホームページによって、1969年に
Wilton Felderがそれとは違った初めてのソロ・アルバムを出していたことを知って驚きました。
「そんなアルバムがあったなんて」という信じられない思いで探すこと数ヶ月、やっとのことで入手することができ、さてレコードに一度針を落としてビックリ、これがもうWilton Felderの魅力爆発のホントに拾い物の一枚だったのです。それもタイトルが「BULLITT」、ご存知スティーブ・マックウィーンのあの記念碑的主演作。アルバムはこのブリットのテーマで幕を開けます。それに映画「汚れた7人」のサウンド・トラックからも2曲を選曲。
一世一代の大勝負という処女アルバムに、「ブリット」と「汚れた7人」を選ぶなんざ、粋なもんですヨ。プロヂュースしたWayne HendersonもWilton Felderもやはり剛毅の男(ヒト)でしたネ。カッコ良いったらありゃしない。
とにかく全体に野太く、真正面から男気を発散するアルバム。ノーアウト満塁のピンチで、迷うことなくキャッチャーミットのど真ん中めがけてストレートの剛球を投げ込む活きの良さを、ズシーンと感じます。
サックスが肉声のように歌い、体温を感じさせてくれ、内に秘めたアグレッションも濃密で、「愛」の熱さも一入です。ビートルズのカバー「With A Little Help From My Friends」はどっこい胸熱くなるは必定のバラッド。
プロヂュースしたWayne Hendersonの、Wilton Felderへの敬愛にも似た男の友情をひしひしと感じることのできるこのアルバムは、どこから聴いても「クルセイダーズ魂」に満ち満ちており、ホンモノの男気を感得できるはず。クルセイダーズファンには必聴盤でしょう。
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