Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


過楓橋寺
覿てき             


白首重來一夢中,
靑山不改舊時容。
烏啼月落橋邊寺,
欹枕猶聞半夜鐘。




2007年春の蘇州・寒山寺。 2007年春の蘇州・寒山寺前江村橋。
2007年春の蘇州・寒山寺。
一新された『楓橋夜泊』の詩碑。(文化大革命が終結した後の八〇年代初頭とは、場所や環境が異なっている。)

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楓橋ふうけうの寺にぎる              
白首はくしゅ かさねてきたる  一夢のうち
靑山 改まらず  舊時のすがた
からす き 月 落つ  橋邊けうへんの寺,
枕をそばだて ほ聞く  半夜の鐘。


                     ****************



◎ 私感註釈

※孫覿:〔そんてき;Sun1Di2〕北宋の進士。

※過楓橋寺:この作品は唐・張繼の『楓橋夜泊』「月落烏啼霜滿天,江楓漁火對愁眠。姑蘇城外寒山寺,夜半鐘聲到客船。」に基づいて作られたもの。

※白首重來一夢中:白髪頭の老人になって、また重(かさ)ねてやって来たが、(まだ前回来た時と)同一の夢(を見続けているかのようで)。 ・白首:白髪頭。老齢を謂う。 ・重來:かさねて来た。また来た。 ・一夢:一回の夢。同一の夢。ここでは「如一夢」を語数を揃えるため、「如」を省いたと見るのが自然。南唐・李煜の『子夜歌』に「人生愁恨何能免?銷魂獨我情何限?故國夢重歸,覺來雙涙垂!高樓誰與上?   長記秋晴望。往事已成空,還如一夢中!」、同・李煜の『浣溪沙』「轉燭飄蓬一夢,欲尋陳跡悵人非,天敎心願與身違。   待月池臺空逝水,蔭花樓閣漫斜暉,登臨不惜更沾衣」や、『紅楼夢』 終章の詩「説到辛酸處,荒唐愈可悲。由來同一夢,休笑世人癡。」などがある。李煜の『浪淘沙』「簾外雨潺潺,春意闌珊。羅衾不耐五更寒。夢裏不知身是客,一餉貪歡。   獨自莫憑欄,無限江山。別時容易見時難。流水落花春去也,天上人間。」や、南宋・張元幹の『賀新郎』寄李伯紀丞相に「曳杖危樓去。斗垂天、滄波萬頃,月流煙渚。掃盡浮雲風不定,未放扁舟夜渡。宿雁落、寒蘆深處。悵望關河空弔影,正人間、鼻息鳴鼉鼓。誰伴我,醉中舞。   十年一夢揚州路。倚高寒、愁生故國,氣呑驕虜。要斬樓蘭三尺劍,遺恨琵琶舊語。謾暗澀、銅華塵土。喚取謫仙平章看,過苕溪、尚許垂綸否。風浩蕩,欲飛舉。」とある。後世、日本でも、良寛は『半夜』で「回首五十有餘年,人間是非一夢。山房五月黄梅雨,半夜蕭蕭灑虚窗。」 と使う。

※青山不改旧時容:青々とした山は変わることなく、昔ながらの姿かたちである。 ・青山不改:青い山は永遠に変わることがない。 ・青山:ここでは、青々とした山、の意で使われている。 ・舊時:むかし(の)。昔と変わらない。昔ながらの。昔のままの。 ・容:かたち。姿。

※烏啼月落橋辺寺:カラスが鳴いて、橋(=楓橋)のたもとの寺(=寒山寺)の方に月が沈み(夜空が一層暗くなり、夜も更け)。 ・烏啼:カラスが鳴く。また、寒山寺近くにある烏啼山。「烏啼月落-」という構文では「烏啼山」の方が理解しやすい。(ただし、烏啼山という名がついたのは、『楓橋夜泊』詩のできる前からあったのか、それとも、後世、別称として命名されたのか不詳)。前出・張繼の『楓橋夜泊』「
月落烏啼霜滿天」に相当する部分。なお、『楓橋夜泊』では、月落烏啼………」となっているが、本ページの詩では「烏啼月落………」となっている。その理由は、『楓橋夜泊』では「●●○○●●○」とすべきところで両句(=両語=「烏啼」(○○)と「月落」(●●))が使われたため、●●○○の順である「月落烏啼」として用いられたのであるが、本ページの『過楓橋寺』では「○○●●●○○」とすべきところで両語が使われたため、○○●●の順で「烏啼月落」と用いられた、その相違からである。 ・月落:月が西空に沈む。夜空が一層暗くなり、夜も更けたさまを謂う。 ・橋邊寺:(楓)橋の傍(そば)の寺を謂う。(写真:右上)

※欹枕猶聞半夜鐘:まくらをそばだてれば、夜半の鐘の音がなおまだ、聞こえてきている。 ・欹枕:〔きちん;qi1zhen3○●〕枕をかたむける。まくらをそばだてる。枕を斜めにして。枕に寄りかかって、上半身が肩肘を立ててもたれかかっているような姿で。唐・白居易の『香爐峯下新卜山居草堂初成偶題東壁』に「日高睡足猶慵起,小閣重衾不怕寒。
遺愛寺鐘欹枕,香爐峯雪撥簾看。匡廬便是逃名地,司馬仍爲送老官。心泰身寧是歸處,故鄕何獨在長安。」とある。 ・猶:なお。やはり。また。 ・聞:聞こえてくる。伝わってくる。前出・白居易の『香爐峯下新卜山居草堂初成偶題東壁』では、「遺愛寺鐘欹枕と「聽」を使う。この意は「(聴き耳を立てて、聴こうという意志を持って)聴く」こと。 ・半夜鐘:夜半の鐘の音。実際には、夜中に鐘は撞かないので、これは前出・張繼の『楓橋夜泊』「夜半鐘聲到客船。」の部分にあわせたため。 ・半夜:夜半。


               ***********



◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は「中容鐘」で、平水韻上平一東(中)、二冬(容鐘)。この作品の平仄は、次の通り。


●●○○●●○,(韻)
○○●●●○○。(韻)
○○●●○○●,
○●○○●●○。(韻)
2010.10. 8
     10. 9
     10.10完
     10.14補
     10.24
2021.10.21



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