日本の風景“安曇野の四季”から Azumino,Japan (2004)
< 春−spring >
早春の安曇野は平野部に春の気配を感じても、アルプスの山々は深い雪に覆われていて純白の山塊が連なり平野部と強いコントラストを見せます。観光客もまだ
少ない3月、スケッチには絶好の季節です。県道51号を北へ池田町から大町へかかるあたりから東側の集落を抜けていくと左手に、爺ヶ岳、鹿島槍、五竜の三
山が、その威容を誇っています。
< 春−spring >
5月になると田植えの季節を迎えます。アルプスの雪も少なくなり斑になって里では新緑の美しい頃です。代掻きの終わった水田にアルプスの山並みが映るのもこの頃です。最近はビニールハウスで田植えの苗を育てているようです。
< 夏 - summer >
夏の八方尾根もすばらしいと聞いて出かけたのですが、ケーブルの乗り場へ向かう途中白馬村へ入ると突然尾根の斜面とジャンプ台が目に入ってきてその奥に雲のかかった白馬槍が現れれました。早速車を止めスケッチブックを広げて描きはじめ予定の時間を大きく狂わせました。
< 夏 - summer >
安曇野の夏は緑を主体に色彩の変化に乏しい風景になります。池田町から松川村へ抜ける途中で高瀬川の河川敷を近景に入れて有明山を狙ってみました。アルプスから運ばれてくる砂利や砂は白く輝いて山々の色彩と程よいコントラストを保っています。
< 夏 - summer >
松川村の山沿い、スケッチ街道と名付けられたあたりの道を走っていると道路の両側一面にひまわりが植えられていました。真夏の正午近く汗を拭きながら暑さ
に耐えながらのスケッチでした。休耕田の代作なのでしょうか安曇野ではところどころこんなひまわり畑があって目を楽しませてくれます。
< 秋 - autumn >
一昨年にも描いた場所です。四賀村へのアプローチのタイトルにふさわしく、会田富士を狙うのにはちょうどいい場所なのです。五常という地名なのかバス停にそうありました。そろそろ秋が近く水田の稲穂が黄金色に色づいていました。四賀村八景の一つにもなつているようです。
< 秋 - autumn >
白馬村の大出の吊橋といえば絵描きや写真家によく知られた場所です。JRの白馬駅を出て北へ一つ目を右に入り200m程の位置にあり何度か行きましたがい
ついっても誰かが描いています。白馬の主峰が正面にあり、付近にはかやぶきの家があったりして道具立てが揃っていて日本画のモチーフにも好まれそうです。
吊り橋は最近架け替えられたのか新品でした。
< 秋 - autumn >
四賀村の保福寺の近くでアルプスの方向を見たものです。右手の林が寺の境内のようです。ウエストンが絶賛したという保福寺峠からの眺望はいかにと思いなが ら峠へ向かう山道を途中まで行ったのですが、心細くなって道半ばで引き返してきました。今では樹木が大きく茂って見通しが悪いと思ったのです。おかげで寺 の樹林の見事な紅葉が見られました。
< 冬 - winter >
木崎湖は四季それぞれに趣があるのですが、冬の湖畔が格別です。条件が厳しいので訪れることは少ないのですが湖畔の道路は比較的広いので車を止めて窓から描くことが可能です。春から秋にはそれほど意識されない山の稜線が雪景色になると強調されてとても魅力があります。