huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




花間集
    菩薩蠻

            菩薩蛮
                    唐・蜀 韋莊

               韋荘
人人盡説江南好,
遊人只合江南老。
春水碧於天,
畫船聽雨眠。


爐邊人似月
皓腕凝雙
未老莫還鄕,
還鄕須斷腸。


**********************


      菩薩蠻

          
人人 盡く説く  江南は好しと,

      た    まさ
遊人 只だ合に  江南に老ゆべし。

                 あを
春水は  天よりも碧く,

ぐゎせん
畫船に  雨を聽きて眠る。




 ろ
爐邊  人は 月の似く,

しろ   かひな                こ
皓き腕は   雙つの雪を 凝らせる。

                       かへ    な
未だ老いざれば   鄕に還る 莫かれ,

      かへ       すべか
鄕に還らば  須らく 斷腸すべし。


             ******************
私感訳注:

※菩薩蠻:詞牌の一。詞の形式名。双調 四十四字。換韻。詳しくは 「構成について」を参照。
菩薩蛮
  この詞は『花間集』巻二 韋莊の『菩薩蛮』其二である。

※韋莊:韋荘。唐末、蜀の詞人。

※人人盡説江南好:どの人も。みんな、南部の江南はすばらしいと言う。 ・人人:どの人も。みんな。誰もが。 ・盡説:ことごとく いう。 ・説:言う。 ・江南:中国南部の浙江省等、長江下流以南の地域を指す。この地名のイメージは、温暖・豊饒で、政治権力から離れた、風光明媚な潤いのある風景となる。 ・好:よい。形よく、美しい意味のよい。蛇足になるが、現代語で、よいという意味の時、この語を用いるのが一般的。

※遊人只合江南老:旅をする者は、江南の地で老いを過ごすのがふさわしいだろう。 ・遊人:旅行者。遊は旅をする意。遊を游ともする。 ・只合:ただ まさに。 ・合:まさに…すべし。当然…べきだ。≒應の意。 ・老:おいる。年をとる。

※春水碧於天:春の川の流れは、空よりもあおい。 ・碧:あおい。みどり。あさみどり。あおみどり。碧玉等、宝石のような美しい青さをいう。 ・春水:春の川。春の川の流れ。 ・於:…よりも。「形容詞+於…」は、比較を表し、「…よりも○○い」の意味になる。杜牧の『山行』「遠上寒山石徑斜,白雲生處有人家。停車坐愛楓林晩,霜葉紅於二月花。」 の「於」と同じ。 ・碧於天:空よりもあおい。

※畫船聽雨眠:色彩を施した美しい船で、雨音を聞きながら眠りに就く。 ・畫船:色彩を施した船。美しい船のこと。畫は、「畫堂」の「畫」と同じ働き。 ・聽雨眠:雨音を聞きながら眠りに就く。

※爐邊人似月:酒屋の酒の瓶を置いている土台近くにいる酒場の女性は、月のように白く円やかで(麗しい)。 ・爐邊:酒屋。酒の瓶を置いている土台近くにいる(女性)。唐・白居易の『問劉十九』に「綠螘新醅酒,紅泥小火
。晩來天欲雪,能飮一杯無。」とある。
また、「爐」は、香炉のこと。香炉の香が立ちこめている奥深い所にある女性の部屋のこと。「」とする本も多いが、「」だと、酒の瓶を置いている土台、転じて酒屋になるのが普通。つまり、妓女になる。『花間集』では、この作品が韋莊の『菩薩蠻』其二とし、『菩薩蠻』其三として、「如今却憶江南樂,當時年少春衫薄。騎馬倚斜橋,滿樓紅袖招。  翠屏金屈曲,醉入花叢宿。此度見花枝,白頭誓不歸。」が続いてあり、もしも、関聯があるとすれば、やはり、風俗関係の女性の意になる。実際、韋莊のこの作品の「邊人似月」は、多く後出の酒屋にいる女性と解釈されている。宋・賀鑄『六州歌頭』に「少年侠氣,交結五都雄。肝膽洞,毛髮聳。立談中,生死同,一諾千金重。推翹勇,矜豪縱,輕蓋擁,聯飛,斗城東。轟飮酒,春色浮寒甕。吸海垂虹。閒呼鷹嗾犬,白羽摘雕弓,狡穴俄空。樂怱怱。」は、酒場関係の意になる。しかし、「」については晏殊の『踏莎行』に「香靜逐遊絲輕。」とあり、香炉から香煙が立ち上っているさまを詠んでおり、「」は香炉の意味で使われている。もし、晏殊の『踏莎行』のように香炉ととると、上品な詞になって、味わい深いものになるが、何如なものか。 ・人:ここでは女性指す。「爐邊人」だと、香炉の香が立ちこめている奥深い部屋にいる女性のこと。「邊人」だと、字義通りに見ると(酒の瓶を置いている土台のある)酒屋にいる女性のことで、お酒の相手などをする女性のこととなる。(この時代には、既に、酒旗や青旆、また、青楼、商女、斜巷等の語があり、飲んだり、楽しんだりするところもあったようだ。)詞の後の部分から(この時代の他の填詞から判断すると)、香炉の香が立ちこめている奥深い部屋にいる女性の意ととれる。また、「鑪」ともするが、この場合はゐろり、香炉の意で「爐」に通ずる。また、酒場の意もある。 ・似月:顔のこと。顔の輪郭が月のように丸くて、白くて美しいことを云う。現在とは、美の基準が違う。絶世の美女・楊貴妃もふくよかな福相と伝えられており、この頃の女性の顔の理想的な絵姿も皆、満月のような福相のようだ。(写真↓)
古代の美人  この時代、白いということは、肉体労働に従事しない高貴な存在を意味し、福相は、食べ物に於いても、豊かで恵まれていることを表している。(蛇足だが、この伝統は、長くあって、現在でも福相を尊んできたが、ごく最近(1999年)、糖尿病予防やカルシウムや亜鉛(?)の摂取のキャンペーンが行われている。変化が現れてきた。)

※皓腕凝雙雪:まっ白な肌の腕は、(恰も)ふたつ並んだ雪を凝り固まらせた(かのようである)。 ・皓腕:まっ白な肌の腕のことで、女性の腕をいう。 ・凝:かたまる。こらす。 ・雙雪:ふたつ並んだ雪、両腕の白さをいう。

※未老莫還鄕:まだ歳をとっていないので、故郷に帰ることはない。「王孫歸」の反対をいう。 ・未老:いまだ 老いず。まだ歳をとっていない。 ・莫:なかれ。なし。禁止、打ち消しを表す。ここでは、後者の打ち消しになる。この作品が前出『菩薩蠻』其三の「如今却憶江南樂,當時年少春衫薄。騎馬倚斜橋,滿樓紅袖招。  翠屏金屈曲,醉入花叢宿。此度見花枝,
白頭誓不歸との連作の可能性が、その内容から見て、高く、「白頭誓不歸」と言っているのは、韋莊自身であるので、ここの「未老莫還鄕」も。わたし・韋莊が「未だ老いていないので、鄕に還ることは莫(な)い、帰ったとしても苦い思いしかしないだろう。」になる。ただ、この『菩薩蠻』其二は独立していて、『菩薩蠻』其三とは関係がないとすれば、作者・韋莊が女性に語りかけた言葉となり、「未老莫還鄕」は「(貴女は若々しく美しく、)未だ老いざれば、鄕に還る莫(なか)れ」となり、「未老莫還鄕」の主格、主語は、女性になるが、『花間集』では、これらの作品(『菩薩蠻』五首)は、隣り合わせで、恰も一連の作品のような掲載であり、如何様にもとれる。 ・還鄕:故郷にかえること。「還」は、Uターンをするような雰囲気の語である。蛇足になるが、現代語では、「還鄕」もよく使う。衣錦還鄕(故郷へ錦を飾る)という具合に。

※還鄕須斷腸:故郷へ帰れば、(後悔して)堪えきれない辛いことがおこることだろう。 ・須:(古白話)必ず、まさしく、きっと。漢文の伝統では、「すべからく…べし」と読み、…すべきである。…する必要がある。の意味になるが、ここでは、そう読むのは不適切。「須斷腸」は「須(かならず)や斷腸せん」と読み、(きっと、断腸の思いをするだろう)と、とるべきであって、「須(すべから)く 斷腸すべし」とは、しない方がいい。 ・斷腸:はらわたがちぎれるほどの、こらえきれないかなしみのこと。晋の桓温が三峡を過ぎたとき、従者が猿の子を捕まえた。母猿は、悲しみ、百里余もついて来たが、遂に死んだ。腹を割くと、母猿の腸がちぎれて死んでいたということからきている。





◎ 構成について
          
 双調 四十四字。換韻。全ての句が押韻する。押韻の平仄が入れ替わる多彩な詞。 押韻は、換韻で、韻式は「aaBB ccDD」。韻脚:「好老」は第部上声で、「天眠」は第三部平声で、「月雪」は第三部入声で、「郷腸」は第三部平声。
 

    ○●。(a仄韻)
    ○●。(a仄韻)
    ●●○○。(B平韻)
    ○,(B平韻)


    ○○●●。(c仄韻)
    ●,(c仄韻)
    ●●○○,(D平韻)
    ●○。(D平韻)
    
となる。

漢詩 唐詩 漢詩 宋詞 漢詩 唐詩 漢詩 宋詞 漢詩 漢詩 唐詩 漢詩 宋詞 漢詩 唐詩 漢詩 宋詞 漢詩
2000.10. 4
     10. 5
     10. 6完
     10. 7補
     10.21(土)
2001. 2.16
      8. 7
2002. 8. 7
2003. 8.12
      8.13
2006.11. 9
2007. 1. 5
2012. 2.13    



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