井古こう風刺詩　国会論争　詩詞世界碇豊長の詩詞　来信　

読者のページ

　これは井古先生の詩で、読み下しも井古先生になります。 ******************

諷刺詩　國會論爭比肩蔑視姿低嶺、俯首尊崇影峻峰。不識廬山眞面目、差池兩黨錯全容。

比肩蔑視すれば姿は低嶺、
俯首尊崇すれば影も峻峰。
廬山の真面目を識らざるに、
差池たる両党は全容と錯す。

　　　　　　　　　　　*********

・国会論争＝	本国会最大の争点。
・差池＝	本来は燕の互い違いに飛ぶさま。齟齬の意に使用。
・廬山＝	中国江西省の北部にある名山。
・廬山真面目＝	（廬山の諸峰がそびえ立っている姿は、見る方向によって変わり、山容が一定しないことから）きわめて複雑雄大で計り知れない真相のたとえ。また、真相を知るには客観視する必要があること。（広辞苑より）
・錯＝	まちがえる。錯覚。

＜特記＞十数年前NHKのラジオ放送「漢詩を読む」で蘇軾（蘇東坡）の詩を聴いたがすっかり忘れてしまい、ただ、嶺、峰、真面目、山中、の詩語のみ覚えていたのは、蘇軾のこの詩が如何に非才の心にインパクトを与えたかが分かる。テキストの２０数冊をしらべてようやく下記の詩を見出した。歳はとりたくない、大変に疲れた。ネット上では起句の「横看成嶺側成峰」または「廬山真面目｝を検索すれば簡単に学べる。

　　題西林壁　　　　　　　　　　　　　蘇軾
横看成嶺側成峰、　　　横より看れば嶺と成り　側（かたわ）らよりは峰となる、
遠近高低各不同。　　　遠近高低各おの同じからず。
不識廬山真面目、　　　廬山の真面目を識らざるは、
只縁身在此山中。　　　只だ身の此の山中に在るに縁（よ）る。

２００７．１０．１６