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これは井古綆先生の作品で、読み下しも井古綆先生です。
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櫻花憶昔 |
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七生報國旨忠君、 一億臣民惑美文。 今摯平和忘惨禍、 天無彈雨有櫻雲。 暖衣飽食貪安逸、 歳月崢嶸過六秩。 憶昔靑衿別此花、 乖離素志空投筆。 曾吟國破山河在、 不倣前車倒置戈。 今日繁榮倚誰得、 千家蒿里斷腸歌。 |
七生 報国 忠君を旨とし、 一億の臣民 美文に惑ふ。 今 平和に摯りて 惨禍を忘れ、 天に弾雨無く 桜雲有り。 暖衣 飽食 安逸を貪り、 歳月崢嶸 六秩を過ぐ。 憶昔すれば青衿 此の花に別れ、 素志に乖離して 空しく投筆す。 曾て吟ず 国破れて 山河在り、 前車に倣はず 戈を倒置す。 今日の繁栄は 誰に倚りてか得たる、 千家の蒿里 断腸の歌。 ********* ・憶昔: 唐代の常套語。 ・七生: 楠木正成の自決に由来か。 ・忠君: 君に忠義。 ・美文: 我国は神国であり、元寇の役のように神風が吹くなどといわれた。 ・崢嶸: 歳月のつみ重なるさま。 ・六秩: 六十年。 ・青衿: 学生、ここでは大学生。 ・此花: 桜。 ・投筆: 学業をやめて戦地に赴くこと。ここでは学徒出陣。 ・不倣前車: 前車の轍を踏まず。 ・倒置戈: 倒置干戈。戦争をやめ世のなかが平和になること。 ・蒿里: ここでは戦死した兵卒の挽歌。 ※ 遅蒔きながら先の大戦で亡くなられた多くの兵士への鎮魂歌です。 ※ 某氏玉作「天無彈雨有櫻雲」を(無断)借用しました。 |
2008.5.9 |
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