huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
 
入若耶溪

                        南朝・梁・王籍


艅艎何泛泛,
空水共悠悠。
陰霞生遠岫,
陽景逐迴流。
蟬噪林逾靜,
鳥鳴山更幽。
此地動歸念,
長年悲倦遊。





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                      若耶溪(じゃくやけい)()

艅艎( よ くゎう)  (なん)泛泛(はんはん)たる,
空水(くうすゐ)  (とも)悠悠(いういう)たり。
陰霞(いん か )  遠岫(ゑんしう)(しゃう)じ,
陽景(やうけい)  迴流(くゎいりう)()ふ。
(せみ)(さわが)しうして  (はやし) 逾〻(いよいよ)靜かに,
(とり)()いて  (やま) (さら)(いう)なり。
()の地  歸念(きねん)(うご)かし,
長年(ちゃうねん)  倦遊(けんいう)を悲しむ。

             ******************





◎ 私感訳註:

※王籍:南朝・梁の詩人。生歿年不詳。字は文海。琅邪の臨沂(現・山東省臨沂市の北方)の人。斉末に冠軍行参軍、外兵記室となる。詩歌は謝霊運に学んだ。

※入若耶渓:若耶渓(じゃくやけい)にはいる。 ・若耶渓:風光明媚な渓流の名。現・浙江省紹興市南の若耶山下を流れる渓流。現・平水江。

※艅艎何泛泛:(作者の乗った)舟は、何とまあ、(軽やかに)浮かんで進んでいることよ。 ・艅艎:〔よくゎう;yu2huang2○○?〕舟の名。大きい船。ここは、後者の意で使われる。 ・何:なんぞ。感嘆の意を示す。 ・泛泛:〔はんはん(はんぱん);fan4fan4●●〕浮かび漂うさま。舟の浮かんで進むさま。

※空水共悠悠:空(そら)と(若耶渓の)水とは、遠くはるか限りない。 ・空水:そらと(川の)みずと。 ・悠悠:〔いういう;you1you1○○〕遠くはるかなさま。限りないさま。長く久しいさま。うれえるさま。また、行くさま。ひまのあるさま。ここは、前者の意。『詩經・王風』の『黍離』に「彼黍離離,彼稷之苗。行邁靡靡,中心搖搖。知我者,謂我心憂,不知我者,謂我何求。悠悠蒼天,此何人哉。」とあり、『詩經』・周南』の『關雎』に「關關雎鳩,在河之洲。窈窕淑女,君子好逑。  參差荇菜,左右流之。窈窕淑女,寤寐求之。求之不得,寤寐思服。輾轉反側。  參差荇菜,左右采之。窈窕淑女,琴瑟友之。參差荇菜,左右芼之。窈窕淑女,鐘鼓樂之。」とあり、『古詩十九首之十一』に「廻車駕言邁,悠悠渉長道。四顧何茫茫,東風搖百草。所遇無故物,焉得不速老。盛衰各有時,立身苦不早。人生非金石,豈能長壽考。奄忽隨物化,榮名以爲寶。」とあり、盛唐・高適の『宋中』に「梁王昔全盛,賓客復多才。悠悠一千年,陳迹惟高臺。寂寞向秋草,悲風千里來。」とあり、崔顥(さいかう:Cui1Hao4)の七律『黄鶴樓』に「昔人已乘白雲去,此地空餘黄鶴樓。黄鶴一去不復返,白雲千載空悠悠晴川歴歴漢陽樹,芳草萋萋鸚鵡州。日暮鄕關何處是,煙波江上使人愁。」とある。

※陰霞生遠岫:朝焼けや夕焼けの雲霧が、遠くの山の洞穴(/みね)から雲が)湧き出て。 ・陰霞:朝焼けや夕焼け。かすみ。朝焼けや夕焼けの雲霧が日に映じて発する光彩、…やけ。山の北側のかすみ。 ・生-:(ここでは、山の洞穴(/みね)から雲が)湧き出る。 ・岫:〔しう(いう);xiu4●〕くき。山のほらあな。また、みね。山の頂。若耶山等が該当しようか。晉・陶淵明の『歸去來兮辭』に「歸去來兮,田園將蕪胡不歸。既自以心爲形役,奚惆悵而獨悲。悟已往之不諫,知來者之可追。實迷途其未遠,覺今是而昨非。舟遙遙以輕颺,風飄飄而吹衣。問征夫以前路,恨晨光之熹微。乃瞻衡宇,載欣載奔。僮僕歡迎,稚子候門。三逕就荒,松菊猶存。攜幼入室,有酒盈樽。引壺觴以自酌,眄庭柯以怡顏。倚南窗以寄傲,審容膝之易安。園日渉以成趣,門雖設而常關。策扶老以流憩,時矯首而游觀。
雲無心以出,鳥倦飛而知還。景翳翳以將入,撫孤松而盤桓。歸去來兮,請息交以絶遊。世與我而相遺,復駕言兮焉求。悅親戚之情話,樂琴書以消憂。農人告余以春及,將有事於西疇。或命巾車,或棹孤舟。既窈窕以尋壑,亦崎嶇而經丘。木欣欣以向榮,泉涓涓而始流。羨萬物之得時,感吾生之行休。已矣乎,寓形宇内復幾時。曷不委心任去留,胡爲遑遑欲何之。富貴非吾願,帝鄕不可期。懷良辰以孤往,或植杖而耘耔。登東皋以舒嘯,臨淸流而賦詩。聊乘化以歸盡,樂夫天命復奚疑。」とある。

※陽景逐回流:太陽のひざし(/日の影)が、(岸部近くの)うずまく流れを追いかけて。 ・陽景:太陽の光。また、日かげ。日の影。「景」は: ①〔けい;jing3●〕ひかり。ひざし。あきらか。かたち。景色。風情。 ②〔えい;ying3●〕かげ。影。=影。 ・逐:追う。 ・回流:うずまく流れ。めぐる流れ。流れもどる。

※蝉噪林逾静:蝉(せみ)がやかましく鳴いて、林はいよいよ静まりかえり。(…静かなのが分かり。) ・蝉噪:〔せんさう;chan2zao4○●〕蝉(せみ)がやかましく鳴く。蝉(せみ)が鳴くようにやかましい。 ・逾:いよいよ。

※鳥鳴山更幽:鳥が鳴いて(/鳴くことによって)、山は一層、奥深く物静かである(と感じられる)。 ・更:一層。さらに。 ・幽:奥深く物静かな。かすか。ほのか。おくぶかい。

※此地動帰念:この地は、故郷に帰りたいという思いがはたらく(ところで)。 ・動:はたらく。感じる。ゆれる。さわぐ。みだれる。ややもすれば。 ・帰念:故郷に帰りたいという思い。

※長年悲倦遊:長い年月:(宮仕えのために)他国にいることに疲れあきて、(退隠したいがそれができない自分を)悲しく(思う)。 ・長年:〔ちゃうねん;chang2nian2○○〕長い年月。一年中。また、年より。長寿。また、船頭(せんどう)。(なお、船頭・船主の意では〔ちゃうねん;
zhang3nian2○〕)。 ・悲:(宮仕えのために他国にいることに疲れあき、隠退したいものの、それができないでいることを)悲しく思う。 ・倦遊:(仕官や勉学のために)他国にいることに疲れあきて里心(さとごころ)がつく意。前出・陶淵明の『歸去來兮辭』に「歸去來兮,田園將蕪胡不歸。既自以心爲形役,奚惆悵而獨悲。悟已往之不諫,知來者之可追。實迷途其未遠,覺今是而昨非。舟遙遙以輕颺,風飄飄而吹衣。問征夫以前路,恨晨光之熹微。乃瞻衡宇,載欣載奔。僮僕歡迎,稚子候門。三逕就荒,松菊猶存。攜幼入室,有酒盈樽。引壺觴以自酌,眄庭柯以怡顏。倚南窗以寄傲,審容膝之易安。園日渉以成趣,門雖設而常關。策扶老以流憩,時矯首而游觀。雲無心以出倦飛知還。景翳翳以將入,撫孤松而盤桓。歸去來兮,請息交以絶遊。世與我而相遺,復駕言兮焉求。悅親戚之情話,樂琴書以消憂。農人告余以春及,將有事於西疇。或命巾車,或棹孤舟。既窈窕以尋壑,亦崎嶇而經丘。木欣欣以向榮,泉涓涓而始流。羨萬物之得時,感吾生之行休。已矣乎,寓形宇内復幾時。曷不委心任去留,胡爲遑遑欲何之。富貴非吾願,帝鄕不可期。懷良辰以孤往,或植杖而耘耔。登東皋以舒嘯,臨淸流而賦詩。聊乘化以歸盡,樂夫天命復奚疑。」とある。






◎ 構成について

韻式は「AAAA」。韻脚は「悠流幽遊」で、平水韻下平十一尤。次の平仄はこの作品のもの。

○○○●●,
○●●○○。(韻)
○○○●●,
○●●○○。(韻)
○●○○●,
●○○●○。(韻)
●●●○●,
○○○●○。(韻)

2016.2.5
     2.7
     2.8
     2.9




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