Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


輕肥


中唐・白居易

意氣驕滿路,
鞍馬光照塵。
借問何爲者,
人稱是内臣。
朱紱皆大夫,
紫綬或將軍。
誇赴軍中宴,
走馬去如雲。
尊罍溢九醞,
水陸羅八珍。
果擘洞庭橘,
膾切天池鱗。
食飽心自若,
酒酣氣益振。
是歳江南旱,
衢州人食人。



                                            
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輕肥                                 

意氣  (おご)りて路に滿ち,
鞍馬(あん ば )  光りて(ちり)を照らす。
借問(しゃもん)す  (なん)()る者ぞ,
人は(しょう)す  是れ内臣なりと。
朱紱(しゅふつ)は  (みな)大夫(たいふ)
紫綬( し じゅ)  或ひは將軍。
誇りて  軍中の宴に(おもむ)き,
馬を走らしめて  去ること雲の(ごと)し。
尊罍(そんらい)  九醞(きううん) (あふ)れ,
水陸(すゐりく)  八珍(はつちん)(つら)ぬ。
(くゎ)は  洞庭の(きつ)()き,
(くゎい)は  天池(てん ち )(りん)を切る。
(しょく)()きて  心 自若(じじゃく)たり,
(たけなは)にして  氣 (ます)ます(ふる)ふ。
是歳(このとし)  江南(かうなん) (かん)し,
衢州( く しう)  人 人を(くら)ふ。
                    ****************





◎ 私感註釈

※白居易:中唐の詩人。772年(大暦七年)〜846年(會昌六年)。字は楽天。号して香山居士。官は武宗の時、刑部尚書に至る。左拾遺になるが、江州の司馬に左遷され、後、杭州刺史に任ぜらる。やがて刑部侍郎、太子少傅、刑部尚書を歴任する。その詩風は、平易通俗な語彙表現を好み、新楽府、竹枝詞、楊柳枝等に挑戦し、諷諭詩や感傷詩でも活躍し、仏教に帰依した。

※軽肥:軽やかなかわごろもに太って逞しい馬。朝臣の豪華な装いと乗り物(軽裘・肥馬)を謂う。「江南旱」(江南の旱(ひでり))ともする。 ・軽裘:軽やかなかわごろも。 ・肥馬:太って逞しい馬。

※意気驕満路:気概は、驕(おご)って、路に満ちて。

※鞍馬光照塵:鞍を置いた馬は、(立派で)光り輝いて塵を照らしている。 ・光:光る。動詞。(第一句と対とみて)。

※借問何為者:少しお尋ねする(が)、(この人物は)何者なのか。 ・借問:〔しゃもん;jie4wen4●●〕少しお尋ねする(が)。魏・曹植の『白馬篇』の「白馬飾金羈,連翩西北馳。
借問誰家,幽并遊侠兒。少小去ク,揚聲沙漠垂。宿昔秉良弓,矢何參差。」とあり、東晉・陶潛の『歸園田居』五首の其四に「久去山澤游,浪莽林野娯。試攜子姪輩,披榛歩荒墟。徘徊丘壟間,依依昔人居。井竈有遺處,桑竹殘朽株。借問採薪者,此人皆焉如。薪者向我言,死沒無復餘。一世異朝市,此語眞不虚。人生似幻化,終當歸空無。」とあり、隋・無名氏の『送別』に「楊柳著地垂,楊花漫漫攪天飛。柳條折盡花飛盡,借問行人歸不歸。」とあり、唐・李白の『清平調』に「一枝紅艷露凝香,雲雨巫山枉斷腸。借問漢宮得似,可憐飛燕倚新粧。」とあり、晩唐・杜牧の『C明』に「C明時節雨紛紛,路上行人欲斷魂。借問酒家何處,牧童遙指杏花村。」とあり、劉言史の『尋花』に「遊春未足春將度,訪紫尋紅少在家。借問流鶯與飛蝶,更知何處有幽花。」とあり、現代・毛沢東の『七律 送瘟~』其二 一九五八年七月一日に「春風楊柳萬千條,六億~州盡舜堯。紅雨隨心翻作浪,山着意化爲橋。天連五嶺銀鋤落,地動三河鐵臂搖。借問瘟君欲何往,紙船明燭照天燒。」とある。 ・何為:どうして。なんすれぞ。 ・何為者:何者か。なんする者ぞ。

※人称是内臣:人は(その人物を)宦官と云う。 ・人称:人々は…と云う。 ・是:…は…である。これ…なり。これ。主語と述語の間にあって述語の前に附き、述語を明示する働きがある。〔A是B:AはBである〕。 ・内臣:宦官(かんがん)。宮廷に仕えた去勢男子の小吏。君主に近接するため、政権をも左右することもあった陰の実力者。

※朱紱皆大夫:朱色の礼服(の人物)は、皆、高官で。 ・朱紱:〔しゅふつ;zhu1fu2○●〕朝廷での朱色の礼服。 ・紱:〔ふつ;fu2●〕官印につける紐。転じて、礼服。また、礼服を着た高官。 ・大夫:〔たいふ〕上級官吏の身分の一。官位のある者に対する尊称。

※紫綬悉将軍:紫の紐(ひも)は、或いは将軍である。 ・紫綬:〔しじゅ;zi3shou4●●〕官職を表す印などを帯びる紫のひも。 *ここを「悉」ともする。・悉:ことごとく。全部。

※誇赴軍中宴:誇らしげに禁軍の宴会に赴いており。 ・赴:おもむく。でかける。 ・軍中宴:帝都守備の禁軍(=宮中護衛)の軍隊の宴会。

※走馬去如雲:馬を走らせて行くさまが多くて盛んである。 ・走馬:馬を走らせる。 ・去:「疾」(はやし、とし)ともする。 ・如雲:(美しいものが)非常に多い、盛んなさまの形容、を謂う。

※尊罍溢九醞:酒樽(の酒)は、何度も醸(かも)した上等の酒で。 ・尊罍:〔そんらい;zun1lei2○○〕酒樽。 ・九醞:〔きううん;jiu3yun4●●〕九度(たび)(=何度も)醸(かも)した上等の酒。

※水陸羅八珍:山海のさまざまなおいしいもの。をつらねている。 ・羅:つらねる。 ・八珍:八種の珍味。さまざまなおいしいもの。盛大な食膳の意。本義は、牛、羊、麋、鹿、麕、豕、狗、狼の料理。或いは、龍肝、鳳髄、兎胎、鯉尾、鴞炙、猩脣、熊掌、酥酪の料理など、幾種類かある。唐・杜甫の『麗人行』に「三月三日天氣新,長安水邊多麗人。態濃意遠淑且真,肌理細膩骨肉勻。繍羅衣裳照暮春,蹙金孔雀銀麒麟。頭上何所有,翠爲葉垂鬢脣。背後何所見,珠壓腰衱穩稱身。就中雲幕椒房親,賜名大國虢與秦。紫駝之峰出翠釜,水精之盤行素鱗。犀箸厭飫久未下,鸞刀縷切空紛綸。黄門飛鞚不動塵,御廚絡繹送
八珍。簫管哀吟感鬼~,賓從雜遝實要津。後來鞍馬何逡巡,當軒下馬入錦茵。楊花雪落覆白蘋,鳥飛去銜紅巾。炙手可熱勢絶倫,慎莫近前丞相嗔。」とある。

※果擘洞庭橘:果物は洞庭湖畔の柑橘類を裂いて。 ・擘:〔はく;bai1/bo4●〕裂(さ)く。親指、転じて、一番すぐれたもの。 ・洞庭:洞庭湖の中にある山になる柑橘類。 ・橘:柑橘類。みかん。

※膾切天池鱗:ナマスは、大海の魚類だ。 ・膾:〔くゎい;kuai4●〕ナマス。細かく切った生の肉。 ・天池:海。 ・鱗:魚類。

※食飽心自若:満腹になっても、心はもとのままで落ち着いて動かないで。 ・食飽:満腹になる。食べ飽きる。 ・自若:もとのまま。落ち着いて動かないさま。=自如。

※酒酣気益振:酒が酣(たけなわ)になって、気はますます奮い立つ。 ・酣:たけなわになる。 ・益:ますます。

※是歳江南旱:この歳、江南の地方は、旱魃(かんばつ)で。 ・是歳:この歳。その歳。 ・江南:長江下流域の南方にある江蘇省南部から浙江省北部にかけての地域を謂う。本来は豊饒の地。 ・旱:〔かん;han4●〕ひでり(日照り)になる。旱魃(かんばつ)。

※衢州人食人:(現・浙江省西部の)衢州(くしゅう)では、(飢えのため)人が人を食う(ということが発生した)。 ・衢州:〔くしう;Qu2zhou1○○〕現・浙江省西部にある都市。 ・人食人:人が人を食う。

               ***********





◎ 構成について

韻式は、「AAAAAAAA」。韻脚は「塵臣軍雲珍鱗振人」で、平水韻上平十一真(塵臣鱗珍振人)上平十二文(軍雲)。この作品の平仄は、次の通り。

●●○●●,
○●○●○。(韻)
●●○○●,
○○●●○。(韻)
○●○●○,
●●●○○。(韻)
○●○○●,
●●●○○。(韻)
○○●●●,
●●○●○。(韻)
●●●○●,
●●○○○。(韻)
●●○●●,
●○●●○。(韻)
●●○○●,
○○○●○。(韻)
2020.11.29
      11.30
      12. 1
      12. 2
      12. 3



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