ミステリ&SF感想vol.178 |
2010.03.30 |
『紙の碑に泪を』 『五声のリチェルカーレ』 『シェルター 終末の殺人』 『スタークエイク』 『双頭の悪魔』 |
紙の碑に泪を 上小野田警部の退屈な事件 倉阪鬼一郎 | |
2008年発表 (講談社ノベルス) | ネタバレ感想 |
[紹介] [感想]
*1: 当然ながら、『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』巻末の著書リストでも、本書はしっかりと“バカミス”に分類されています。
*2: 原題は、「Tears! For the paper monument.」。 *3: 原題は、「ACT HAIKU NINJA」。 *4: これは仕掛けの性質上、致し方ないところではあるのですが。 2010.01.27読了 [倉阪鬼一郎] |
五声のリチェルカーレ 深水黎一郎 | |
2010年発表 (創元推理文庫404-11) | ネタバレ感想 |
[紹介]
[感想]
*1: 擬態を扱ったミステリとしては他に、鳥飼否宇の「生けるアカハネの死」(『昆虫探偵』収録)や「第二講 擬態」(『本格的 死人と狂人たち』収録)などがあります。
なお、作中に “ベッカム型”(144頁)とあるのは、正しくは “ペッカム型”(→ “Peckhamian mimicry”「Aggressive mimicry - Wikipedia, the free encyclopedia」より)のようです。 *2: 考えてみれば、“犯行以前”を倒叙ミステリ風に描いたパートと“犯行以後”から事件を振り返るパートとが並べられた構成自体、 “一人は冒頭から、もう一人は譜面の終わりから同時に演奏していき、ちゃんと音楽になる”(113頁)という「逆行カノン」の形式を意識したものといえるのかもしれません。 *3: 「『五声のリチェルカーレ』(深水黎一郎/創元推理文庫) - 三軒茶屋 別館」で “ミステリの構成・読み方といったメカニズムの面白さを引き出しています。”と指摘されているように、ある種メタ的な読み方へと誘導される点も含めて。 2010.01.30読了 [深水黎一郎] |
シェルター 終末の殺人 三津田信三 | |
2004年発表 (講談社文庫 み58-14/ミステリ・フロンティア・入手困難) | ネタバレ感想 |
[紹介] [感想]
*1: もっとも、本筋にはさほど絡まない“味付け”として、ホラー映画に関する蘊蓄が
*2: 作者にしては珍しく、本書では文庫版だけでなくミステリ・フロンティア版でも巻頭に見取図が付されています。 *3: 作中では、『作者不詳 ミステリ作家の読む本』で提唱された〈テン・リトル・インディアン型ミステリ〉の条件に言及されています。 *4: 「地吹雪日記 - 三津田信三『シェルター 終末の殺人』(東京創元社)」の、 “これについてはいくら伏線が張られていようと生理的に受け付けない読者もいると思う”という評が適切かと思われます。 2010.02.08読了 2015.02.12文庫版読了 (2015.02.19若干改稿) [三津田信三] | |
【関連】 『忌館 ホラー作家の棲む家』 『作者不詳 ミステリ作家の読む本』 『蛇棺葬』 『百蛇堂 怪談作家の語る話』 |
スタークエイク Starquake ロバート・L・フォワード | |
1985年発表 (山高 昭訳 ハヤカワ文庫SF713・入手困難) | |
[紹介] [感想]
*1: A.C.クラークによる、いわゆる“クラークの第三法則”――
“充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。”(→「クラークの三法則 - Wikipedia」を参照)より。 *2: 実際のところ、乗員にとってはちょうど24時間の出来事にすぎないのですが。 2010.02.14再読了 [ロバート・L・フォワード] | |
【関連】 『竜の卵』 |
双頭の悪魔 有栖川有栖 | |
1992年発表 (創元推理文庫414-03) | ネタバレ感想 |
[紹介] [感想]
*1: というわけで、いうまでもないことかもしれませんが、シリーズの順番通りに読むことをおすすめします(前作の致命的なネタバレがあるわけではありませんが)。
*2: このあたりは、青春小説としての側面も備えたシリーズらしく、主人公であるアリスの“成長”が表れているといえるのかもしれません。 2010.02.20再読了 [有栖川有栖] | |
【関連】 『月光ゲーム Yの悲劇'88』 『孤島パズル』 『女王国の城』 / 『江神二郎の洞察』 |
黄金の羊毛亭 > 掲載順リスト/作家別索引 > ミステリ&SF感想vol.178 |