ミステリ&SF感想vol.218 |
2015.08.05 |
『絶望的 寄生クラブ』 『玩具店の英雄』 『星読島に星は流れた』 『シャーロック・ノート』 『火星の人』 |
絶望的 寄生クラブ 鳥飼否宇 | |
2015年発表 (原書房 ミステリー・リーグ) | ネタバレ感想 |
[紹介]
[感想]
*1: しかも、「処女作」が雑誌「ハヤカワミステリマガジン」、「問題作」が雑誌「ジャーロ」、「失敗作」がアンソロジー『バカミスじゃない!?』と、見事にバラバラです。
*2: さらにその後、作中作の“枠”にあたる部分での、原稿すり替えの犯人探しまでもがここに重なってきて、三重構造の犯人探しともいえる状況になっているのが圧巻というか。 *3: 本書には“問題編”のみが作中作として収録されていますが、雑誌掲載時には当然“解決編”も掲載されていたはずで、それがどのようなものだったのか気になるところです。 *4: 後に、『天地驚愕のミステリー』(「失敗作」を収録)と『奇想天外のミステリー』に分冊して文庫化されています(いずれも宝島社文庫)。 2015.03.13読了 [鳥飼否宇] | |
【関連】 『本格的 死人と狂人たち』 『官能的 四つの狂気』 / その他〈綾鹿市シリーズ〉 |
玩具店の英雄 座間味くんの推理 石持浅海 | |
2012年発表 (光文社文庫 い35-13) | ネタバレ感想 |
[紹介と感想]
2015.03.19読了 [石持浅海] | |
【関連】 『月の扉』 『心臓と左手』 |
星読島に星は流れた 久住四季 | |
2015年発表 (ミステリ・フロンティア) | ネタバレ感想 |
[紹介] [感想]
*1: 少なくとも新本格ミステリの隆盛以前は、あまり多くはなかったように思います。
*2: 特に、“タフでアクティヴなニート”の造形は反則でしょう(苦笑)。 *3: 出版社のあらすじでは伏せてあるので、ここでも一応伏せておきますが、物語が始まって10頁ほどで明らかになります。 2015.03.22読了 [久住四季] |
シャーロック・ノート 学園裁判と密室の謎 円居 挽 | |
2015年発表 (新潮文庫nex ま45-1) | ネタバレ感想 |
[紹介] [感想]
*1: デビュー作『丸太町ルヴォワール』に始まる〈ルヴォワール・シリーズ〉のパラレルワールドでもあるようで、本書にも名前が登場する“キングレオ”こと天親獅子丸を主役とした最新作『キングレオの冒険』では、そのあたりがよりはっきり表れています。
*2: 上の[紹介]でも、最初の「学園裁判と名探偵」のみの紹介になっています。 2015.04.03読了 [円居 挽] | |
【関連】 『シャーロック・ノートII 試験と古典と探偵殺し』 |
火星の人 The Martian アンディ・ウィアー |
2011年/2014年発表 (小野田和子訳 ハヤカワ文庫SF1971) |
[紹介] [感想]
*1: 日本では『オデッセイ』の題名で2016年2月に公開予定(「オデッセイ (映画) - Wikipedia」を参照)。しかしこの邦題は、個人的には微妙な印象です。
*2: 例えば、 “およそありそうにない悲惨な偶然がつぎつぎと主人公の身に降りかかるようにはしたくない”(578頁)など。 *3: あの「月をなめるな」(冬樹蛉氏の「[間歇日記] 2000年10月下旬」より)を思い出してしまいました。 *4: 堀晃『梅田地下オデッセイ』巻末の、石原藤夫氏による解説より。 *5: このあたりは、小川一水「漂った男」(『老ヴォールの惑星』収録)に通じる味わいがあります。 *6: 「第14章」の“音声ログ書き起こし”の部分にみられるパニックとそこからの回復が印象的です。 2015.04.20読了 [アンディ・ウィアー] |
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