huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




                     
蒿里行
          

                         
         曹操

關東有義士,
興兵討群凶。
初期會盟津,
乃心在咸陽。
軍合力不齊,
躊躇而雁行。
勢利使人爭,
嗣還自相
淮南弟稱號,
刻璽於北方。
鎧甲生蝨,
萬姓以死亡。
白骨露於野,
千里無鷄鳴。
生民百遺一,
念之斷人腸。


    **********************
       蒿里行

關東に  義士 有り,
兵を 興こして  群凶を 討つ。
初め  盟津
(まうしん)に會するを 期すも,
(すなは)ち 心は  咸陽(かんやう)に 在り。
軍 合はさるも  力 齊
(そろ)はず,
躊躇して  雁行す。
勢利  人をして 爭はしめ,
嗣還  自ら 相ひ
(そこ)なふ。
淮南の 弟 稱號し,
璽を  北方に於いて 刻む。
鎧甲に  
(きしつ)を 生じ,
萬姓  以て 死亡す。
白骨  野に 露
(さら)し,
千里  鷄鳴 無し。
生民  百に 一を 遺
(のこ)す,
(これ)を 念(おも)へば  人の 腸を 斷たたしむ。

             ******************

◎ 私感訳註:

※曹操:後漢末の武将。政治家・三国・魏の始祖。詩人。字は孟徳。幼名は阿瞞。又の名は吉利。沛国譙郡(現在の安徽省亳州市)の人。後漢に仕えて、黄巾の乱の討伐に功があり、献帝を擁立して華北を手中にした。後、孫権、劉備と共に天下を三分した。後世、魏武帝と呼ばれる。永寿元年(155年)〜建安二十五年(220年)。

※蒿里行:〔かうりかう;hao1li3xing2〕士大夫や平民の葬送の際の歌。殯(もがり)の時に歌う。漢樂府に『蒿里曲』「蒿里誰家地,聚斂魂魄無賢愚。鬼伯一何相催促,人命不得少踟。」がある。なお、貴人の葬送には『薤露歌』「薤上露,何易晞。露晞明朝更復落,人死一去何時歸。」を歌う。蒿里の本来の意は、泰山の南にある山の名。人が死ぬと魂がここに来るという。墓地のこと。
 この詩作の舞台は、後漢末の天下争覇の戦乱になる。仮に@「黄巾の乱」⇒A「董卓」⇒B「袁紹×曹操」⇒C「曹操×劉備・孫権」⇒D「曹操」というふうに推移したとすれば、この詩はA「董卓」⇒Bの場面、対董卓、袁紹との戦乱の時期、袁術などの群雄割拠の混乱の時期を過ごした際のものになる。後漢末の群雄割拠の争乱を嘆いている。古楽府の相和歌辞・相和曲。

※關東有義士:函谷関の東、関東州で、蹶起軍がおこった。 ・關東:函谷関の東。 ・有:(…には)…がある。 ・義士:義軍の軍勢。後漢王朝を簒奪した董卓征伐の義軍を指す。前記A「董卓」との戦闘で立ち上がった。袁紹は、関東州の反董卓軍蹶起の際、盟主となった。

※興兵討群凶:兵を起こして、多くの兇暴な勢力。 ・興兵:兵を起こす。蹶起する。武装蜂起をする。 ・討:征伐をする。うつ。 ・群凶:多くの兇暴な勢力。

※初期會盟津:最初は、盟津で蹶起軍を合流させ(周の武王が紂を討ったようにな)ることを期したが。水関、虎牢関の戦いを指す。 ・初期:初めは…となることを思ったが。最初は…となることを期したが。 ・會:(友軍と)合流する。であう。 ・盟津:〔まう(もう)しん;Meng4jin1
○(「盟」は現代語では〔meng2〕しかないが、「meng2」:名詞で、〔meng4〕動詞。『漢語大詞典』第七巻1141ページ)〕猛津。現在の河南省猛県。洛陽の東北の黄河の渡し場(当時は北岸側)。周の武王が紂を討つ時、諸侯とここで同盟を結んだことに因る。『中国歴史地図集』第一冊 原始社会・夏・商・西周・春秋・戦国時期(中国地図出版社)24−25ページ「春秋 鄭宋衞」に「盟津」や「盟」がある。「盟津」は現・孟津の東20キロメートルで、「盟」は現・孟県。河水(現・黄河)の北岸。なお現・孟津は黄河の南側にあるが、これは黄河の河道が動いたため。

※乃心在咸陽:その心は、敵の本拠地・咸陽(を直撃、占領して、皇帝を擁立すること)にある。なおも、心では、敵・董卓の勢力圏である咸陽(を撃つことを)思っていた。 ・乃:すなわち。その。なおも。  ・在:…に。 ・咸陽:〔かんやう;xian2yang2○○〕長安の対岸にある。ここでは、A董卓の勢力圏の意で使われている。

※軍合力不齊:軍勢は聯合したものの、周の武王が紂を討つ。 ・軍合:軍勢は聯合した(が)。 ・力不齊:(用兵の)足並みが揃わない。それぞれの勢力の指導者の思惑があり、足並みが揃わなかったことをいう。 ・齊:ひとしい。揃う。

※躊躇而雁行:躊躇して、少しずつずれている。 ・躊躇:ためらう。躊躇する。 ・而:…(し)て…(する)。 ・雁行:並んで飛ぶガンのように、少しずつ斜めになって遅れていくこと。

※勢利使人爭:勢力と利益は、人を争わせてしまい。 ・勢利:勢力と利益。 ・使人:人に…させる。人をして…しむ。 ・爭:争う。

※嗣還自相:その後、まもなく自分たちでお互いに殺し合いを始めた。 ・嗣還:〔しせん;si4xuan2〕その後、まもなく。 ・嗣:その後。…して、それから。 ・還:めぐる。すみやか。この意味の場合は〔せん;xuan2〕になる。≒遷。 〔くゎん;huan2〕は、かえる、の意 ・自相:自分たちでお互いに。みずから相互に。 ・:〔しやう;qiang1〕そこなう。殺す。傷つける。

※淮南弟稱號:淮南にいる従弟・袁術が皇帝を称し。 *淮南の袁術が建安二年(197年)に寿春で、皇帝に即いたことを指す。 ・淮南:淮南の袁術。 ・弟:いとこ。従弟。 ・稱號:皇帝を称した。

※刻璽於北方:北の方では、皇帝の玉璽を彫って、(新皇帝を擁立した)。 ・刻璽:皇帝の玉璽を彫って作る。御璽を作る。袁紹が、漢の皇族・劉虞を皇帝として擁立したことを指す。 ・於北方:北の方で。ここでは冀州を指すことになる。

※鎧甲生虱:兵士のヨロイ・カブトには、シラミがわき。 *政変、戦乱に動員される兵卒の苦難をいう。 ・鎧甲:〔がいかふ;kai3jia3〕ヨロイとカブト。 ・生:(虫が)わく。…ができる。 ・虱:〔きしつ;ji3shi1〕シラミの卵とシラミ。

※萬姓以死亡:多くの人民は、災禍に遭遇し。 ・萬姓:多くの人民。百姓(ひゃくせい)。 ・以:…をもってする。動詞としての用法。なす。なる。 ・死亡:死亡。

※白骨露於野:白骨を野にさらす。 ・露:さらす。打ち捨てられて、埋葬されていない状態をいう。 ・於野:野(や)に。墓所ではないところに。

※千里無鷄鳴:遥か遠くまで、人の生活の痕跡がなく、人煙が絶たれた状態だ。 ・千里:ずっと。遥か遠くまで。 ・無鷄鳴:人の生活の痕跡がない。人煙が絶たれた。

※生民百遺一:生き残った民は、百に一つである。生き残った民は、殆どいなくて、一パーセントほどである。 ・生民:たみ。人民。ここでは、「生き残った民」の意で使われている。 ・百遺一:百に一つがのこされているのみである。

※念之斷人腸:このことを思えば、断腸の思いにさせられる。 ・念之:このことを深く心に思えば。陶淵明も、しばしば「念之×××」の表現で、『影答形』「此同既難常,黯爾倶時滅。身沒名亦盡,念之五情熱。立善有遺愛,胡爲不自竭。」『游斜川』「吾生行歸休。念之動中懷、前出「
從古皆有沒,念之中心焦。」として、懊悩を詠っている。 ・斷人腸:(人を)断腸の思いにさせる。断腸の思いをさせられる。なお、「断腸の思いをする」は「腸斷」(或いは「斷腸」)。ここは「腸」は韻脚故、深く考えることもないようだが…。





◎ 構成について

韻式は「AAAAAAAA」。韻脚は「凶陽行方亡鳴腸」で、下平七陽になる。ただし、平水韻では「凶」「鳴」は、それぞれ異なる韻部になる。次の平仄はこの作品のもの。

○○●●●,
○○●○○。(韻)
○○●○○,
●○●○○。(韻)
○●●●○,
○○○●○。(韻)
●●●○○,
●○●○○。(韻)
○○●○●,
●●○●○。(韻)
●●○●●,
●●●●○。(韻)
●●●○●,
○●○○○。(韻)
○○●○●,
●○●○○。(韻)


2004.2.25
     2.26
     2.27完
     3.18補
2008.1.21

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