huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye





                     
悲憤詩

          
其三
                        漢魏 蔡文姫


去去割情戀,
征日遐邁。
悠悠三千里,
何時復交會?
念我出腹子,
匈臆爲摧敗。
既至家人盡,
又復無中外。
城郭爲山林,
庭宇生荊艾。
白骨不知誰,
從橫莫覆蓋。
出門無人聲,
豺狼號且吠。
煢煢對孤景,
糜肝肺。
登高遠眺望,
魂神忽飛逝。
奄若壽命盡,
旁人相寬大。
爲復彊視息,
雖生何聊賴!
託命於新人,
竭心自勗厲。
流離成鄙賤,
常恐復捐廢。
人生幾何時,
懷憂終年歳!



    **********************
        悲憤詩
        其三
   



去り去りて  情戀を 割
(さ)き,
(すみや)かに 征(ゆ)くこと  日に遐(はる)かに 邁(すす)む。
悠悠たり  三千里,
(いづ)れの時か  復(ま)た交會せん?
我が 腹より 出せし子を  念じ,
匈臆
(きょうおく)  爲に 摧(くだ)き敗(やぶ)る。
既に 至るも  家人 盡き,
又た 復
(ま)た  中外 無し。
城郭は  山林と 爲
(な)り,
庭宇は  荊艾
(けいがい)を 生ず。
白骨  誰
(たれ)なるかを 知らずして,
從橫して  覆蓋
(ふうがい) 莫(な)し。
門を出づれども  人の聲 無く,
豺狼
(さいらう)  號(さけ)び 且つ 吠(ほ)ゆ。
煢煢
(けいけい)として  孤景に 對し,
(だつた)  肝肺を 糜(ただ)らす。
登高して  遠く 眺望し,
魂神  忽
(たちま)ち 飛び 逝(ゆ)く。
奄若
(たちま)ち  壽命 盡きんとするも,
旁人  相ひ 寬大にす。
爲に 復
(ま)た  彊
(し)ひて 視息すれども,
生くと 雖
(いへど)も  何ぞ賴(たの)み 聊(ねが)はんや!
(めい)を  新たなる人に 託して,
心を 竭
(つ)くして  自ら 勗厲(きょくれい)す。
流離して  鄙賤
(ひせん)と 成り,
常に恐る  復
(ま)た 捐廢(えんぱい)せられんことを。
人生  幾何
(いくばく)の時ぞ,
憂ひを懷
(いだ)きて  年歳を 終(を)へん!


             ******************


◎ 私感訳註:

※蔡文姫:後漢末期の才媛。蔡の娘。後漢末の天下喪乱のため、結果として胡族に攫われた。彼女について詳しくは、前ページ『胡笳十八拍』を参照
※悲憤詩:この作品は『後漢書・列傳・列女傳董祀妻』に載っているものになる。同書によると「…後感傷亂離,追懷悲憤,作詩二章。其辭曰:」として、この五言詩の作品と七言騒体の作品が載せられている。これは、先に載せられた五言詩の方になる。この作品は、胡人が侵入して漢人を拉致していく場面、胡地の情景と別離の情の場面、帰国の三場面に分けられる。作業の便宜上三分した。ここはその第三の部分になる。なお、彼女作と伝えられる『胡笳十八拍』については、前ページまでを参照
※去去割情戀:どんどん去っていって、情愛を引き裂いてしまった。このあたりは、『古詩十九首』『行行重行行』の「行行重行行,與君生別離。相去萬餘里,各在天一涯。道路阻且長,會面安可知。」とあるのに似ている。 ・情戀:骨肉との情愛。ここは子どもとの愛情をいうのか。そうとれば、全体の流れがまとまる。「情戀」の用例は、あまりなさそうだが、左賢王とも見られるか。何如。
征日遐邁:速い速度で、日々邁進していき。 ・征:〔せんせい;chuan2zheng1○○〕速い。すみやか。往来の激しいさま。しばしば。 ・日遐邁:日々に遙かに進む。 ・遐:〔か;○〕遠い。遙か。 ・邁:邁進する。
※悠悠三千里:遙かに三千里(を踏破した)。
※何時復交會:いつの時にか、再び交わり会えることになるのだろうか。
※念我出腹子:わたしがお腹を痛めた子のことを思えば。
※匈臆爲摧敗:胸中は、くだけ敗れる。 ・匈=胸。むね。 ・匈臆:〔きょうおく;xiong1yi4○●〕心の内。胸中。 ・摧敗:〔さいはい;cui1bai4○●〕くだけ敗れる。心がいたむ。くじきやぶる。
※既至家人盡:(家に)たどり着いたものの、家族は死に絶えていた。 ・既至:(家に)たどり着いたものの。 ・家人盡:家族は死に絶えていた。
※又復無中外:その上、父方の親戚も母方の親戚もいなかった。 ・中外:父方の親戚と母方の親戚。
※城郭爲山林:城郭は、山林となってしまい。
※庭宇生荊艾:庭にはイバラやヨモギなどの雑木や雑草が生い茂っていた。 ・荊艾:〔けいがい;jing1ai4〕イバラとヨモギ。
※白骨不知誰:白骨は誰のものかは、分からないが。
※從橫莫覆蓋:あちらこちらに散乱して、何らの蔽いもなく曝されたままである。 ・從橫(白骨が)あちこちに散乱しているさま。 ・莫覆蓋:屍骸には何らの蔽いもなく曝されたままである。 ・覆蓋:〔ふう(ふ)がい;fu4gai4●●〕おおいかくす。
※出門無人聲:門を出れば、(まともな)人の声などは聞こえることもなく。
※豺狼號且吠:ヤマイヌやオオカミの(ような心を持つ人々の)吼えたり叫んだり声(が聞こえる)。 ・豺狼:〔さいらう;chai2lang2○○〕ヤマイヌとオオカミ。ヤマイヌやオオカミのような心を持つ人。残酷で貪欲な人。『後漢書・列傳・張綱傳』「而綱獨埋車輪於洛陽都亭曰:『豺狼當路,安問狐狸。』」・號:〔がう;hao4●〕さけぶ。ほえる。 ・且:同時の動作を表現する。かつ。 ・吠:〔はい;fei4●〕犬が声を立てる。ほえる。
※煢煢對孤景:独りで孤独な光景に向かっていると。 ・煢煢:〔けいけい;qiong2qiong2○○〕独り、憂える。清い。
※怛糜肝肺:傷み悲しみのあまり胸が、ただれくずれてしまう。 ・怛:〔だつた;da2zha4〕いたみかなしむ。 ・糜:〔び;mi2○〕ついえる。ただれる。形を留めないまでにくずれる。
※登高遠眺望:高台に登って(家族を思って)遠くを見遣ると。
※魂神忽飛逝:気持ちは忽ちのうに、飛んで行く。 ・魂神:(生きている人の)魂。精神活動。気持ち。
※奄若壽命盡:忽ちの内に寿命が尽き果てようとするが。 ・奄若:〔えんじゃく;yan3ruo4●●〕たちまちに。にわかに。
※旁人相寬大:傍にいる人々が、心を大きく持つようにと(慰めてくれる)。 ・旁人:近所の人。 ・相寬大:心を広く持っているようにと慰める。
※爲復彊視息:強(し)いて生き長らえたとしても。 ・彊視息:強(し)いて生き長らえる。 ・彊:=強。しいて。 ・視息:〔しそく;shi4xi1●●〕僅かに生きながらえること。生存。目で物を見、鼻で息をすることで、僅かに生きながらえる意。
※雖生何聊賴:生きていても、一体何に頼っていけばよいのか。 ・聊賴:〔れうらい;liao2lai4○●〕心に安んじて、頼みにする。
※託命於新人:運命を新しい夫である董祀に託そう。
※竭心自勗厲: ・竭心:心をつくす。 ・竭〔けつ;jie2●〕尽きる。尽くす。 ・勗厲:〔きょくれい;xu4li4●●〕勉励する。 ・勗:〔きょく;xu4●〕努める。はげんでする。
※流離成鄙賤:流転の後は賎しい身分となったので。 ・鄙賤:〔ひせん;bi3jian4●●〕いやしい。卑賎。
※常恐復捐廢:いつも捨てられることをおそれている。 ・常恐:いつも(…を)おそれる。漢の古樂府『長歌行』「青青園中葵,朝露待日晞。陽春布德澤, 萬物生光輝。
常恐秋節至,焜黄華葉衰。百川東到海,何時復西歸。少壯不努力,老大徒傷悲。」や、班妤『怨詩』(『怨歌行』)にも「新裂齊素,皎潔如霜雪。裁爲合歡扇,團團似明月。出入君懷袖,動搖微風發。常恐秋節至,涼風奪炎熱。」とある。  ・捐廢:〔えんはい;juan1fei4〕捨てる。廃棄する。『古詩十九首』『行行重行行』に「棄捐勿復道,努力加餐飯。」とある。
※人生幾何時:人の生は、一体どれほどの時間なのだろうか。
※懷憂終年歳:憂いを胸に抱いたまま、年月を終えてしまい(たい)。



◎ 構成について

。構成は、前半と基本的に同じなので、そちらを参照。 


2004.7.31
     8. 2完
    11.23補

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