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              狂詩『百々色染』                
      大夫

                      仁爲

何時代許大夫官,
聞位高凡人潰肝。
寶費阿房宮抜作,
依松御蔭涙雨潘。

               
             狂詩『百々色染』挿絵(渥美正道氏蔵書)
           
******

大夫
                       
   
(いつ)の時代にか   大夫の官を 許されし,
位 高きを聞きて  凡人 肝
(きも)を潰(つぶ)す。
寶を  阿房宮
(あはうきゅう)に 費(つひ)やす  抜作(ぬけさく)
松の御蔭
(おかげ)に 依(よ)って  涙の雨 潘(しげ)し。

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◎ 私感註釈

※狂詩『百々色染』仁爲:蜀山人撰、靜軒先生校になる。 ・狂詩:漢語や日本語の語彙を使っての一種の竹枝詞。漢詩版の狂歌といえる。和歌の世界の狂歌に該る。平仄は自由。節奏も日本語のそれを重視して、漢魏以降の伝統的な節奏と無関係になっている。語彙は日本語も使う。つまり漢語韻文としてのリズムは無視して、日本語としての味わいを重視している。一句の文字数と押韻は近体詩に倣う。狂詩の分類も近体詩のそれに擬す。漢魏以降の標準的な七言詩の節奏は次の通りで:
□□ □□  □□□,
□□ □□  □□□。
□□ □□  □□□,
□□ □□  □□□。

この狂詩の節奏は:
□□□  □ □□□,
□ □□  □□ □□。
□□  □□□ □□,
□ □□□  □□□。
となろうか。

※大夫:高級な遊女。この頃遊女にも格付けや、それに相応した格式が決められていたという。写真右では「タイフ」と仮名が振られているが、「大夫」の訓みについては、いろいろある。「たいふ」は、周の官名で卿の下位になる。また、広く官位にある者をいう。本サイトの『楚辭』でしばしば見られるのは、この義になる。我が国では「大夫(たいふ)」を“taifu”と訓んで、五位の者の通称。また、大名の家老の敬称。“tayuu”と訓んで、遊女の最上位の者。別語になるが、「だいぶ」は、職(しき)(大膳職、中宮職など)の長官(かみ)の意。それ故、ここの「大夫(タイフ)」は“tayuu”と訓むべきところになる。蛇足になるが、現代中国語でも、周の官名は“da4fu1”であって、医師を意味する場合は“dai4fu1”という。なお、わたし自身、遊女のことについては、その方面の知識は全く持ち合わせていませんので、読者各位で、推量と補足をして下さい。

※何時代許大夫官:いつの時代に大夫の官位を許されたのだろうか。 ・何時代:いつの時代に。 ・許:許される。許可を得た。 ・大夫:私称での高位。大名でいえば十万石(?)相当の格式。といった「たゆう」の位。 ・官:官位。

※聞位高凡人潰肝:位格式が高いことを聞いた普通の人は、キモをつぶしてびっくりする。 ・聞:きく。 ・位高:くらい格式が高い。 ・凡人:普通の人。平凡人。
 ・潰肝:キモをつぶす。びっくり仰天する。非常に驚く。

※寶費阿房宮抜作:大事な財産を「阿呆の御殿」である遊郭で使い果たしてしまう愚かなヤツは。 ・寶:お宝。財産。 ・費:(お金を)使う。無駄遣いする。右の写真では「ついやす」と仮名を振るが、「つひやす」の方がより好ましい。 ・阿房宮:〔あばうきゅう;e1pang2gong1(特殊な読み)、a1fang2gong1(普通の漢字音)、a1pang2gong1〕秦の始皇帝が長安西北、渭水の南に築いた宮殿。美女や財宝に満ちていた。ここでは阿房=阿呆(あほう)で、おろか、バカの意。「阿房宮」を右の写真では「あほうきう」と仮名を振るが、「あばうきゅう」の方がより本来的。もっとも「阿呆な奴の居る御殿」=遊郭の意もあるので、「あはうきゅう」になった。 ・抜作:〔ぬけさく〕間抜け者。

※依松御蔭涙雨潘:高級遊女の庇護に寄り縋って、涙に暮れている。また、松の木陰で、しとしと降る雨を凌いでいる。 ・依:よりかかる。 ・松:樹木の松。遊女の格付け。最上位の遊女という。 ・御蔭:樹木の蔭。緑蔭。また、高級遊女の助力。援助。庇護で。 ・涙雨:本来、悲しみの涙が化して降るという、「雨」のことをいうが、ここでは、雨のように留まることなく流れてくる、「涙」をいう。 ・潘:〔はん;pan1〕うずまき。渦巻く水。





◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「官肝潘」で、平水韻上平十四寒(肝官潘)。次の平仄は、この作品のもの。

○○●●●○○,(韻)
○●○○○●○。(韻)
●●○○○●●,
○○●●●●○。(韻)

平成16.5. 7
      5. 8完
平成19.9.25補



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