huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
 
擬行路難

                        南朝・宋・鮑照


瀉水置平地,
各自東西南北流。
人生亦有命,
安能行歎復坐愁。
酌酒以自寬,
舉杯斷絶歌路難。
心非木石豈無感,
呑聲躑躅不敢言。





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               擬行路難 ぎ かう ろ なん

水をそそぎて  平地へい ち かば,
各自かく じ  東西 南北に 流る。
人生もまた めい 有りて,
いづくんぞく きてはたんじ  してはうれへんや。
酒をみて  以て自らみづか ひろうし,
杯をげ 斷絶して  『路難 ろ なん』を歌はん。
心 木石ぼくせきあらざれば  かん 無からんや,
聲をみ 躑躅てきちょくして  へては言はざるのみ。

             ******************

◎ 私感訳註:

※鮑照:六朝(南朝)宋の詩人。字は明遠。東海郡(現山東省)の出身。413年頃~466年。寒門出身の為に官途には恵まれなかった。兵乱のために殺された。

※擬行路難:漢代の楽府『行路難』に擬(なぞら)えて(人生の憂愁をうたう)。南朝・宋の組詩名。『楽府詩集』の「雑曲歌辞」に収められる。本来、『行路難』は漢代の楽府旧題で、世を過ごす上での辛酸と憂愁を詠い、「君不見…」から始まるものが多いが、晋・袁山松がその音調を改めて新詞を創った。南朝宋の鮑照は楽府旧題に基づいて『擬行路難』を作り、官途の不遇や人生の失意などの憂愁をうたいあげた。(『中国詩学大辞典』浙江教育出版社 1999年杭州)。全十八首あり、これはその第四首。 ・擬:なぞらえる。 ・行路難:漢代の歌謡で、楽府雑曲歌辞の『行路難』のこと。

※瀉水置平地:水を流しかけて、平らな地に留め置こうとしても。 ・瀉水:〔しゃすゐ;xie4shui3●●〕水を流しかける。水を注ぐ。水を落とす。水が落ちる。 ・置:とどめおく。

※各自東西南北流:(水は)それぞれに、東西南北に(分かれて)流れていく。 ・各自:それぞれに。白居易の『楊柳枝』其四「紅版江橋青酒旗,館娃宮暖日斜時。可憐雨歇東風定,萬樹千條
各自。」と使う。 ・東西南北:東西南北に。

※人生亦有命:人生にもまた天命というものが決まっており。 ・人生:人がこの世に生きている期間。人の一生。 ・亦:(…も)また。 ・有命:天命というものがある。天命で決まっている。後漢末・孔融の『雜詩』に「遠送新行客,歳暮乃來歸。入門望愛子,妻妾向人悲。聞子不可見,日已潛光輝。孤墳在西北,常念君來遲。褰裳上墟丘,但見蒿與薇。白骨歸黄泉,肌體乘塵飛。生時不識父,死後知我誰。孤魂遊窮暮,飄颻安所依。人生圖孠息,爾死我念追。俛仰内傷心,不覺涙霑衣。人生有命,但恨生日希。」とある。 ・命:〔めい;ming4●〕運命。天命。

※安能行歎復坐愁:どうして行っては歎いて、またふたたび、坐(すわ)っては愁えることができようか。(いつも、どのような時も、ずっと愁え歎いてばかりいられようか)。 ・安能:どうして…することができようか。いづくんぞ…するを得んや。 ・行…坐:…:行動を起こしては…で、行動をやめては…だ。終始変わることなく…だ。白居易の『自思益寺次楞伽寺作』の「行逢禪客多相問,坐倚漁舟一自思。」 ・歎:なげく。 ・復:また。ふたたび。語調を整える語でもある。 ・愁:悲しがる。うれえる。

※酌酒以自寬:酒をくんで、自(みずか)らリラックスして。 ・酌:〔しゃく;zhuo2●〕酒をくむ。さかずきをさす。 ・以:…することをもって。 ・自寬:みずから寛(くつろ)ぐ。リラックスする。

※舉杯斷絶歌路難:さかずきを持ちあげて、(憂いを)絶(た)ちきって、口を大きく開けて、大きな声で(人生の憂愁をうたった)『行路難』を歌おうではないか。 ・舉杯:さかずきを持ちあげる。酒を飲むことをいう。後世、李白は『宣州謝樓餞別校書叔雲』「棄我去者 昨日之日不可留,亂我心者 今日之日多煩憂。長風萬里送秋雁,對此可以酣高樓。蓬莱文章建安骨,中間小謝又清發。倶懷逸興壯思飛,欲上青天覽明月。抽刀
斷水水更流舉杯銷愁愁更愁。人生在世不稱意,明朝散髮弄扁舟。」や李白の『月下獨酌』に「花間一壺酒,獨酌無相親。舉杯邀明月,對影成三人。月既不解飮,影徒隨我身。暫伴月將影,行樂須及春。我歌月徘徊,我舞影零亂。…」とこの鮑照の『擬行路難』に答えるかのようにして使う。 ・斷絶:(憂いを)絶(た)ちきる。 ・歌:口を大きく開けて、大きな声に出して歌う。 ・路難:(人生の憂愁をうたった)『行路難』のこと。

※心非木石豈無感:木石:(わたしの)心は、木石のように感覚のないものと、どうしていえようか。(わたしは、豊かな感情を持っている。しかし、…)。 *『詩経・邶風・柏舟』に「
我心匪石,不可轉也。我心匪席,不可卷也。威儀棣棣,不可選也。憂心悄悄,慍於群小。覯閔既多,受侮不少。靜言思之,寤辟有摽。」とある。 ・木石:木と石。知覚、感覚のないもののたとえ。『詩経・邶風・柏舟』での「石」とは、少し感じが異なる。 ・豈:反語を表す。 ・無感:感覚がない。感情がない。

※呑聲躑躅不敢言:声を呑み込み、躊躇(ちゅうちょ)して、敢(あえ)ては積極的に言うことはしないでいる(だけなのだ)。 ・呑聲:声を呑み込む。(強い驚き、悲しみ、緊張などのために)声に出せない。 ・躑躅:〔てきちょく;zhi2zhu2●●〕足踏みする。たちもとおる。足をとどめる。躊躇(ちゅうちょ)して進まない。さまよう。 ・不敢:積極的にはしない。あえては…せず。 ・言:(声に出してはっきりと)いう。





◎ 構成について

韻式は「AABBB」。韻脚は「流愁 寬難言」で、平水韻でいえば、下平十一尤と上平十四寒(寬難)、上平十三元(言)。次の平仄はこの作品のもの。

●●●○●,
●●○○○●○
。(A韻)
○○●●●,
○○○◎●●○。(A韻)
●●●●○,(B韻)
●○●●○●○。(B韻)
○○●●●○●,
○○●●●●○。(B韻)

2009.7.28
     7.29
     7.30
     7.31



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