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                   意有所得雜書數絶句
清・袁枚   



莫説光陰去不還,
少年情景在詩篇。
燈痕酒影春宵夢,
一度謳吟一宛然。





    **********************


こころる所 有りて 數絶句を雜書す
なかれ  光陰は 去りてかへらずと,
少年の情景は  詩篇 し へんに在り。
燈痕とうこん 酒影しゅえい  春宵しゅんせうの夢,
一度ひとたび 謳吟おうぎんすれば  いつ宛然ゑんぜんたり。

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◎ 私感訳註:

※袁枚:清代の詩人。1716年(康煕五十五年)〜1797年(嘉慶二年)。字は子才。号して簡齋。別号に隨園老人ともいう。銭塘(現・浙江省杭州)の人。乾隆年間の進士で、県令の任につく。やがて官を退き、江寧(金陵=現・南京附近)小倉山の隨園(別号に基づく)に隠棲する。詩では性霊説を倡えて、格調説に論駁する。

※意有所得雜書數絶句:心に感じ得たことがあり、いろいろと数首に書きしるした。 *若かった日々を回顧しての作。 ・意:思い。こころ。 ・有:…を持つ。…がある。 ・所得:得たもの。得たところ。 ・所-:…ところ。…のこと。…のもの。動詞の前に置き、動詞を名詞化する働きをする。 ・雜書:いろいろなものを取り混ぜて書く。書き散らす。動詞。

※莫説光陰去不還:歳月は過ぎ去って還(かえ)ってこない(ものだ)、と言いなさるな。 ・莫説:…と言うな。 ・莫:…な。…なかれ。禁止・否定の辞。 ・説:言う。また、説(と)く。なお、“説”は現代語(北京語)では「言う、話す、語る」の意で、極めて頻繁に使われる語。また、現代日本語の「とく」は、北京語では“説”とはならない。(以上、作者・袁枚が清代の人ゆえの蛇足)。 ・光陰:時間。月日。年月。「光」は昼。「陰」は夜。また、「光」は日光と「陰」は月光。 ・去不還:去ってしまい、戻ってこない。「去不還」は「去りて還(かへ)らず」「去ってて還(かへ)らず」と読むのが普通だが、「還」は韻脚であり、「還」「篇」「然」と押韻する。「篇」は〔へん;pian1○平水韻下平一先〕で、「然」は〔ぜん(ねん);ran2○平水韻下平一先〕である。この句にある「還」は〔くゎん;huan2○平水韻上平十五刪=「かへる」の意〕または、「還」〔せん;xuan2○平水韻下平一先=「めぐる」(旋)の意〕の多音字(両韻)である(前者が主)。韻脚の他の韻字「篇」「然」は、平水韻下平一先であり、「還」も同様の韻部(韻目)と考えれば平水韻下平一先の「めぐる」(旋)の意となる。読み下しは「去りて還(めぐ)らず」「去ってて還(めぐ)らず」となろう。ただし、第一句めは必ずしも同一とは限らないので(通用の)上平十五刪=「かへる」の意と見た方が自然。

※少年情景在詩篇:若い時の感興や風情は、詩の中に(詠い込まれて)いる。 ・少年:若者。年若い者。唐詩で「少年」といえば、楽府題の『少年行』で、唐の崔國輔『長樂
少年』「遺卻珊瑚鞭,白馬驕不行。章臺折楊柳,春日路傍情。」や、王維の『少年』「新豐美酒斗十千,咸陽遊侠多少年。相逢意氣爲君飮,繋馬高樓垂柳邊。」 宋の賀鑄『六州歌頭』「少年侠氣,交結五キ雄。肝膽洞,毛髮聳。立談中,生死同,一諾千金重。推翹勇,矜豪縱,輕蓋擁,聯飛, 斗城東。轟飮酒,春色浮寒甕。吸海垂虹。闌ト鷹嗾犬,白駐E雕弓,狡穴俄空。樂怱怱。」 王昌齢『少年行』「走馬遠相尋,西樓下夕陰。結交期一劍,留意贈千金。高閣歌聲遠,重門柳色深。夜闌須盡飲,莫負百年心。」や沈彬の『結客少年場行』「重義輕生一劍知,白虹貫日報讎歸。片心惆悵清平世,酒市無人問布衣。」など、いなせな若者や壮士、また美少女?(白居易の『杪秋獨夜』「無限少年非我伴,可憐C夜與誰同。歡娯牢落中心少,親故凋零四面空。紅葉樹飄風起後,白鬚人立月明中。前頭更有蕭條物,老菊衰蘭三兩叢。」 )を詠い、日本語での用法とやや異なる。 ・在:…にある。 ・詩篇:〔しへん;shi1pian1○○〕詩。詩集。蛇足になるが、現在の国語表記(日本語表記)では同音漢字による書き換えのため、「篇」は「編」に書き換えられることがままあるが、漢語では「篇」と「編」とでは、意味も異なり音も異なるため、峻別されている。「篇」は〔pian1〕で名詞「(竹の札に書かれた)文書」の意で、「編」は〔bian1〕で動詞「あむ」の意。

※燈痕酒影春宵夢:(若く華やいだ当時の夜の)灯火(ともしび)の残像や、酒席の印象や、春の夜の儚(はかな)い夢(我が身の側を通りすぎていった美しい女性…)(などが)。 ・燈痕:灯火(ともしび)のあとかた。灯火の残像。 ・酒影:酒の印象。 ・影:かげ。陽光(景)。印象。 ・春宵夢:(夜が短い)春の夜の儚(はかな)い夢。

※一度謳吟一宛然:ひとたび(過去の詩を)節をつけて歌い出せば、そっくりそのまま(眼前に浮かびあがってくる)。 ・一度:ひとたび。 ・一…一…:一たび…すれば、一たび…する。二つの動作が相対応して行われることを表す。清・周實の『睹江北流民有感』に「江南塞北路茫茫,一聽嗷嗷一斷腸。無限哀鴻飛不盡,月明如水滿天霜。」とある。 ・謳吟:〔おうぎん;ou1yin2○○〕節をつけて歌う。おおぜいが声をそろえて歌う。謳歌、謳詠。 ・一:もっぱら。いつに。 ・宛然:〔ゑんぜん;wan3ran2●○〕そっくりそのまま。あたかも。ちょうど。よくあてはまるさま。






◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「還篇然」で、平水韻上平十五刪(還)、下平一先(篇然)。次の平仄はこの作品のもの。

●●○○●●○,(韻)
●○○●●○○。(韻)
○○●●○○●,
●●○○●●○。(韻)
2009.6.4
     6.5

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